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NHKニュースクリップ(2023年9/11号)

今週もまた不祥事が相次ぎましたが、何と言っても一番問題だったのはクローズアップ現代でしょう。なぜ、あのような不正まみれの番組が今だに「社説番組」などと呼ばれているのか私には理解できません。

クロ現「引きこもり」捏造報道

9/6のクロ現が突如として枠広げになって謝罪が挟まれたことに驚いた方も多かったのではないでしょうか?番組HPには次のような告知が掲載されていますので、論評のためにそのまま転載致します。

ことし4月19日に放送した「広がる女性のひきこもり “孤立”をどう防ぐのか」で、内容の一部に誤りがありました。

VTRでご紹介した過去にひきこもりを経験した女性について「働きたいと思っても、その一歩が踏み出せていません」とお伝えしましたが、女性は放送当時、企業などに就職して働きたいという意向は持っていませんでした。

また、「仕事をしていない自分を肯定しようと、掃除だけで1日6時間を費やしていました」とお伝えしましたが、実際は掃除だけでなく、掃除を含めた家事を過去に1日6時間行っていました。

こうした事実と異なる内容をお伝えしたことで、女性が引きこもりから脱しているにも関わらず、現在も引きこもりであるかのように伝わる放送になっていたと考えています。

事実関係の確認が不十分でした。

訂正の上、取材を受けていただいた女性及び関係者の皆様、並びに視聴者の皆様に対してお詫びいたします。

今後このようなことがないよう、番組全体で再発防止の徹底を図ってまいります。

https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/

詳しくは当事者の方もnoteで発信されていましたが、実は私の元にも、この件について6月に相談がありました。詳しくは、ご本人のnoteをご参照ください。

NHKとしては、当初は当事者の情報発信が限定的だった事もあり、黙殺の方針を取っていました。しかし、NHKの不誠実な態度に当事者の方の不信感が増大。BPO案件化するリスクが高まり、回避するために放送での謝罪を決定。時期を探っていたところ、ジャニーズの会見で有耶無耶にできそうな9/6が候補日になったようです。元々は8月に出すつもりでギリギリまで探っていましたからね。

捏造報道の当事者は、過去にも捏造をしてきた

では、このような捏造報道の当事者とは何者なのでしょうか?

当該放送の担当PDは、この人物と見られます。他に引きこもり問題を扱った「こもりびと」企画の担当は見当たりませんからね。

なんと、この人物、平成21年入局ながら、前田人事制度改革の基幹職選抜PGでP職群に通過「させられて」いたことも分かっています。こんな捏造報道を出すようなレベルの低いPDの癖に、年収1000万オーバーの「エキスパート」とは冗談にも程がありますよ。

しかも、この件を隠蔽するためなのか、当該人物は8月には「首都圏」に異動しています。きちんと罪を償わせた上で、降格させるなどの措置を取らないと内部統制が全く取れませんよ?

そして、CPはこちらです。

ワーキングプアで味をしめちゃったんでしょうね。事前に決めた「ストーリー」に要素をあてはめることしか出来ないCPとして、協会内では悪評が支配的であった人物です。

「無縁社会」にも関与していますね。ちなみに、この「無縁社会」ペアの名前のもう片方はニュースウオッチ9の捏造報道の主犯です。

この「無縁社会」でも、ヤラセが指摘されていました。

「ネット縁」に対して前向きに考えて出演を承諾したのに、「無縁だからネットに逃げ込んでいる」ような演出をされてしまった、と著者の方は指摘されていますが、今回の「引きこもり」も全く同じ構造です。

ここまで経緯を踏まえた上で、最初の謝罪文を見てください。「今後このようなことがないよう、番組全体で再発防止の徹底を図ってまいります」なる宣言がいかに空虚なものかよく分かるでしょう。

理事の中嶋太一から連なる、この不正人脈がなぜ幅を利かせているのか?さらには、明らかに能力に欠けるPDがなぜ抜擢されてしまったのか?

不正に手を染めた者同士が、不正を通じて仲間意識を強め、さらにその不正のDNAを次の世代へと伝搬させていく構造こそがNHKの病理なのです。

別々の人物が散発的に不正をしているのではありません。同じ人脈で不正が繰り返されていることを重く見る必要があります。正直、「クロ現」は打ち切るべきだと私は思いますね。

ジャニーズ会見を巡るNHKのきな臭い動き

で、このクロ現が絡むもう1つの動きがあります。その前に、こちらの
ジャニーズ事務所の会見についてのNHKコメント」
をご一読ください。

実はこれ、元々は、8月30日に公開された「ジャニーズ事務所・特別チームの調査報告書についてのコメント」があまりに不評で、会長ルートから作り直しを命じられたものでした。9月7日の公開にあたっても、直前まで「推敲に推敲を重ねた」と言われています。

この9月7日版の中には「性加害の問題を把握していながら報じてこなかったことを反省して真相追求をしていく」といった趣旨の決意表明が盛り込まれています。

以前、カウアン氏の記者会見の時に報番の女性PDが問題提起した時には上層部が完全に「無かったこと」にしたことを思うと、随分とトーンが変わってきたと思います。

で、このNHKが出したコメントを受けての「クロ現」が放送されます。

聞くところによれば、NHK職員も取材対象になっているそうです。「クロ現」自体もこの問題に対して責任があることに、どこまで踏み込めるのかが見ものです。

なぜ「クロ現」もジャニーズ問題に責任があるのか?

それは「クロ現」自体が局内で「ジャニーズなどアイドルの取材もできる」と触れ回って若手のジャニオタPDを“ヘッドハント”してきからです。

しかも、この放送を担当したPD、ジャニーズの性加害問題について踏み込むのかと思いきや、この放送では参加を辞退したと言われています。

編集室で黄色い悲鳴を上げながら、公私混同したかのようなジャニーズ礼賛報道を行い、問題が起きたら「逃げる」など許されて良いわけがありません。ここにもまた、ジャニーズのメディア支配が端的に表れています。

もちろん、NHKとジャニーズの関係を巡ってはもっと巨大なことがたくさん潜んでいます。それらに比べればクロ現の問題など瑣末なことですがね…

それにしても、女性PDがカウアン氏の記者会見で問題意識を表明したところから自己批判番組をきちんと作って、民放にも先駆けて報じていたら、多少はNHKの信頼回復にも繋がっただろうと考えるのは私だけでしょうか?

取材を委託された業務委託の方が重傷

最後は、NHKの緊急報道力低下を示すニュースを1つ。

報道においても業務委託先の取材スタッフは多数いますし、緊急報道も今や職員だけでは賄えない時代です。

このニュース、ディテールが報じられていないので分かりかねますが、職員が労災回避のために安全地帯から定型文を読むだけな一方、危険な取材を業務委託先に押し付けていた結果だとしたら大きな問題です。

というのも、職員は究極的には死んだって良いんですよ。そういう仕事だし、それなりの待遇を受けているのだから。だけど、職員の身を守るために委託先の方が犠牲になるなど、あってはならないと思います。

この件についても続報が入ったらまたお伝えしていきます。

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