9月1日、子どもへの関わりを見直してみよう
こんにちは。息子の学校も2学期が始まり、少しホッとしている和久井茉莉です。
夏休みは、家族で山でのキャンプ&登山にチャレンジして、自分自身の体力の衰えを痛感しました(^_^*)
地域による違いがありますが、夏休みが終わり全国的に新学期が始まりましたね。
環境による変化が苦手な子にとっては、不安定になりがちな時期と言われています。
子どもの様子に気を配り、元気に過ごせるようにサポートしてあげたいですね。
このタイミングに、子どもへの関わりを見直してみませんか?
daremogaでは、子どもが成長する関わりについての発信をしていますが、逆に子どもの脳を傷つける関わりがあるという事実についてもお伝えしたいと考えています。
体罰や虐待が子どもに悪影響を及ぼすことは広く知られていますが、実はそれ以外にも大人が何気なくしている行動が子どもを傷つけている可能性があるのです。
マルトリートメント(略して、マルトリ)という言葉をご存知でしょうか?WHOでも定義されていて、”子どものこころと身体の健全な成長・発達を阻む養育全て含んだ呼称”です。
マルトリートメントについて研究されている福井大学 子どものこころの発達研究センター 教授 友田明美先生はマルトリを「避けたい子育て」と訳しています。
マルトリを受けることで、発達段階にある子どもの脳に大きなストレスを与え、その影響が大人になってからも続く可能性があると言われています。
私自身のお話をさせていただくと、子ども時代に教育の場(学校・塾)で体罰を受けた経験があります。また、「あなたは何をやってもダメ」「できるわけない」などの親からの言葉がずっと自分の中に残っていて大人になってからのセルフイメージにも影響を与え続けているようにも感じます。(両親が一生懸命育ててくれたことを理解し、感謝してはいますが)
子どもの頃に受けたネガティブな経験は、大人になってから過度に失敗を恐れたり、自分自身を過小評価してしまうなどの形で影響を与え続けてしまうものであることを自分の経験からも実感しています。
・・・にも関わらず正直に申し上げて、私自身も自分の子どもに対して、叩く・子どもを傷つけるような言い方をするなど、不適切な関わりをしてしまった経験があります。
マルトリの難しいところは、どんな大人でもやってしまう可能性がある、むしろ子どものためを思ってやっている事が多いというところです。またマルトリを受けた子どもが無反応であったりその場で影響がわかりにくく、大人自身が不適切な関わりであることに自分で気づきにくいという点があります。
どんな事がマルトリに当たるのかについて知っておくことが、無意識に子どもを傷つけてしまうことを防ぐことに繋がるので、ここではマルトリに該当する言葉や行動の一例をご紹介しますね。
(暴言・侮辱)
「何をやらせてもダメね」
「そんなことをする子は、うちの子じゃありません」
「そんなこと、1年生でもやりません」
(比較・決めつけ)
「お兄ちゃんはいい子なのに」
「うちの子は、こんな事もできないんですよ」(親戚などの集まりで謙遜する)
「あなたは、女の子だから~」などと、性別で子どもの行動を制限する
(支配)
子どもの意思を無視して、塾や習い事を無理強いする
(争い・暴力を見せる)
子どもの前で夫婦喧嘩する
(ネグレクト)
子どもにスマートフォンを長時間渡して、大人しくさせる
子どもを家に残して長時間外出することが度々ある
読んでいて、思わずドキッとした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
他にどんな事がマルトリに該当するのか、防ぐためにどのようにしたら良いのか、一般社団法人 家族計画協会が運営している「防ごう!まるとり マルトリートメント」というホームページに詳しく紹介されています。支援者向けのガイドブックや友田先生の講演動画やテキストを無料で閲覧することができるので、ぜひご覧になってください。
傷ついた脳は、適切な関わりにより回復していくと言われています。
脳を癒す関わりにはどんな関わりがあるのか、いくつかご紹介します。
子どもの脳を癒す関わりの一例
・「悲しいね」「嬉しいね」「辛かったね」など、子どもの感情を言葉にしてあげる
・顔を見て話しかける
・ハグをする
・子どもの好きな遊びを一緒に楽しむ
・「お片付けできたね」など子どもの行動を具体的に褒めてあげる
マルトリは、子どもの周りにいる大人がストレスや問題を抱えていると、起きやすくなります。
大人自身が安心できる環境で子どもと関わる事が大切なので、サポートを受けたり相談をしたり、1人で抱えないようにしましょう。
daremogaでは、子どもの健やかな成長を目的に子どもを取り巻く大人がgood loopを作れるように、勉強会やイベントなどを開催していきます。
大人も子どもも、誰もが安心して過ごせる社会を目指していきましょう!
(和久井茉莉 産業カウンセラー・子どもの発達インストラクター)