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ADHDと片付け(助っ人が必要なわけ)*整理収納アドバイザーのお片付け訪問初体験*その1

だれもが生きやすい世界を広げる団体代表のジュリです。
生きづらさを抱える子どもと支える大人たちの自分らしい穏やかな暮らし、生き方を応援しています。

「うちの子、片付けができなくて困ってます」

神経発達症(発達障害)の子育て相談をしていると、子どもが片付けができない。片付け方をどう教えたら良いかわからないなど
片付けや整理の悩みの話が必ず出てきます。

そして・・・実は親御さん自身も片付けが苦手という方も少なくありません。逆に、片付けが得意な親御さんは、使ったものを元の場所に戻せない理由がわからないとおっしゃいます。(お風呂の体を洗うタオルがいつも床に落ちてる。何度言っても干さない、など)

私も母も片付けが苦手で長年、自分にぴったりの片付け方法を知りたいと、片っ端から片付けの本や雑誌、YouTubeを探し続けています。

そんな折、自治体の研修で整理収納アドバイザー&インテリアコーディネーターの若い女性に出会い、人生で初めてお家訪問していただきました。
とても刺激的な経験でしたので
「発達障害とお片付け」をテーマにこれからシリーズにして書いてみようと思います。

片付けに課題のある方へヒントとなる内容になるのではないかな。
よかったら最後までお付き合いください^^

当事者だからわかること
私とそして私の母は、診断こそ受けていないものの
ADHDの困りごとに全てに該当する「おっちょこちょい」では済まされない、生活で困ることが多い特性があります。

特に母は私を上回る強者。
いつの頃からか実家は目も当てられないほどの「片付けられない家」そのものでした。そのことで幼少期から恥ずかしい思いをしてきました。

今でも母は全てのものが「見えている」状態でないと生活ができず
どんな空間でもすぐにモノで溢れてしまいます。

そんな実家での苦い経験から、
一人暮らしを始めた頃から
苦手な整理や片付けをかなりがんばってきました。

かといって、整理や片付けの苦手さは変わらない。

<家事は女がやるもの>という社会通念を恨めしく思っています。


ADHDの人はなぜ片付けが苦手なのか

片付けや整理って脳の高度な機能を広範囲に使います。

空間認知、記憶、決断、判断、微細な運動も粗大運動も使います。
いろんな「能力」の集大成が片付け・整理なんですね。

「きれいにして」
「片付けて」

そんなザックリした言葉では
脳がまだ未熟なお子さんには何をしたら良いのかイメージができません。
イメージができなければ、行動をすることはとても難しいのです。

お子さんには、ママやパパ、先生たちがが頭の中に描いている「片付いた状態」が見えないのです。

ざっくりとした言葉や矢継ぎ早に指示を出すと混乱して

やりっぱなし、ぐずぐずして動けない

そして、また怒られる、という悪循環に陥りやすいと思います。

伝え方の良い例(行動を具体的に伝える)
脱いだパジャマを拾ってこのカゴに入れてね。』

最初の行動<拾う>がわかる

『カゴをこの棚の上においたら終わり』

完結するイメージがわかる

このように一つ一つの動作を短い言葉で伝えることが大切です。
これ、幼児だけではないのです。
意外にも、中高生でも「片付けて」では動けない子は多いです。

なぜ、片付けが難しいのか
ADHDの人が片付けを苦手とする理由には様々な要因が考えられます。

  • 片付けには多くの脳の機能が関わる

    • 空間認知: 物の配置や整理の感覚を持つ

    • 記憶力: 物の置き場所を覚える

    • 判断力: 何を残して、何を処分するか決める

    • 微細運動能力: 物を正確に片付けたり整理する細かい動作


  • ADHDの特性が影響する

    • 注意散漫になりやすい: 片付けの最中に他のことに気が向いてしまう

    • 決断が苦手: 物をどこにしまうかや、必要・不要の判断に時間がかかる

    • 段取りを立てるのが難しい: 作業の最終目標や片付いた状態のイメージがつきにくい

    • タスクの順序が混乱する: 片付けの途中で何をすべきか忘れてしまうことがある


  • 抽象的な指示は難しい

    • 「片付けて」といった漠然とした指示では、具体的な行動がイメージしにくく、どこから始めていいかがわからない。
      こうした理由から、ADHDの人は片付けを苦手としやすいのです。


ADHDの人には、具体的なステップを短い言葉で伝えることが有効。

相手が「できるもの」と思ってしまうからイライラしちゃうんですね。
いちいち怒ってもできるようにはならないので、家全体を見直す、家族の動線を見直す、その子の苦手に合わせて声をかける。
そんなことが本当〜〜〜〜に大切です。

怒られたり、注意されてばかりいると逆効果。ますます、片付けに対してネガティブな感情を植え付けて、「自分はダメな人間」と思ってしまいます。
すると、ますます片付けることへのモチベーションが落ちますよね。

何度言っても、これ、忘れやすいので繰り返します。

ADHDのような傾向があると「やりたくてもできない」「できそうだけれど難しい」ことがたくさんある、ということをぜひ覚えておいてくださいね。

さてさて、前置きが長くなりました!

今回、アドバイザーのKeiさんと一緒に片付けをしたら、たった4時間でキッチンがめちゃくちゃ使いやすくなり毎日感動しています。
2回目の訪問では寝室のクローゼットを片付けました。
少しずつ変化が起こっているのですが、変化は家族にも及んでいるのが一番うれしいこと!

第1回目の訪問では、家の中全体を見ていただき、おしゃべりしながら家族構成、家族の趣味、身長など細かくヒアリングがありました。

次回は、実際に収納整理アドバイザーであり女性のライフスタイリングアドバイザーのケイちゃんと、どのように片付けたのか実際に紹介していきますね!

今回ご紹介した人
ラクして綺麗が続くお片付け
Kyuさん
Instagram
https://www.instagram.com/k.mominterior/

忙しいママが私生活を諦めず
手間なく継続して
心も身体もお家も!健康で綺麗でいられる
ライフスタイルデザインを実践中!

daremogaは、国家資格キャリアコンサルタントのジュリと国家資格作業療法士の2人と一緒に「生きやすい世界」の住人として活動を広めていっています。

発達の科学的・生物学的視点を伝える。
環境とのマッチングで子どもの二次障害を防ぐ。
生きづらさのある親子や支援者が垣根を超えてGood Loop(協働協力の輪)を創ることをビジョンにしています。

活動の内容

  1. フリースクール、保育園等の研修(オリジナル個別支援計画)

  2. 企業研修(ニューロダイバーシティ、人材育成、ノンバイアス研修)

  3. 若者のキャリアワークショップ(自分の体・発達の個性を理解してキャリアを考える)

  4. 子育て相談(不登校、引きこもり、学習障害、適応障害など)

  5. ママのキャリア相談

  6. 専門職交流

  7. ペアレントトレーニング(発達神経症、グレーゾーン、育てにくい子への対応方法を学ぶ)