終わりのない職業
売春婦という職業には終わりがない
どんな巨漢でも不細工でも老婆でも
必ずどこかに需要があるからだ
求め続けられる限り働き続ける
そして彼女たちは
雨の降る日の野良猫のように死ぬ
来世は人間に生まれたいな
メアリーの最後の言葉
自分が汚水を処理し続けるだけの
人間未満の存在だと
自負していない売春婦はいない
いたとしたらそれはもう
クスリで心を慰めすぎて
自我を崩壊させてしまった女だけだ
彼女たちがいなければ性犯罪の数はぐっと増える
立派な職業だと思うよ
そう告げたマグレブはまだ15で
13から客をとっており
同情でも嬉しいと笑った笑顔が直視できないほど
幼かった
どうしてそんなに卑屈になるのか
理解できない
我が身を犠牲にして世の中に貢献しているのに
捨て猫のように育って捨て猫のように死ぬ
私に彼女たちを救う財産などなく
ただその生き様を目に焼き付けていた
もしも明日何もかもを失って
売春婦になれと言われたら
私はその現実に順応するだろうか
それともテムズ川に身を投げるだろうか
私は彼女たちほど強くなれるのだろうか
正直なってみないとわからない
雨の日にひとり歩くびしょ濡れの野良猫は
来世は人になりたいと言って死んでいった
その日が訪れるまで終わることのない職業
彼女たちに傘が差し伸べられることは
決して
ない