一粒のパール
君の心が欲しいから
大嫌いだと言ったのさ
追ってくるはずもないものを
期待してしまう惨めさよ
君の幸せ願うから
さようならと告げたのさ
現代日本にも身分制度は存在してる
そして俺はごろつきで
あの娘はお姫様だったのさ
強い眼差しで俺を射抜いて
そんなこと気にしないと言ってくれた
それだけでもう充分だよ
結局のところは俺に勇気ってやつがなかっただけ
がむしゃらにその手を引いて
どこまでも逃げることだって出来たんだ
俺の心はまるでうじ虫
卑屈ばかりが湧いて出る
さあどこかで王子様が待ってるよ
どうか振り返らないでくれ
君の元へ駆け寄って
その人生ごと奪い去りたい
朝から晩まで働くよ
君に一粒の真珠を買うために
だがそれも儚い夢
俺が見る最後の夢
レディどうか許してくれ
何もかも捨てるのが俺だけならよかったけれど
とてもお姫様から
豪奢なパールのネックレスは奪えない
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