答えの出ない問いの解決法
昨日は「答えの出ない問いの解決法」をひとつ学んだので、それをここに書きのこしておこうと思う。
「答えの出ない問い」というのは色々あると思うけど、ここでは「過去の自分がなぜそうしたのか」という問いに限定する。
記憶がないとすぐに答えは出ない
記憶というのは改竄されるもので、色あせていくもの。
人間は自分が隠したい記憶を上手に隠す。だから、表面的には見えなくなっていたりする。
また、良くも悪くも色あせてしまい、本当によくわからなくなっていくものでもある。
過去の自分の判断について「なぜそうしたのか」を問うとき、記憶がなければその答えは存在しないのとほとんど同じだ。
でも、わからなければわからないなりにどうにかするしかない。
では、どうすればいいのか。
記憶から探すのではなく推理する
まず、記憶がないということで「わからない…どうしよう」となって立ち止まってしまう人がいるとおもう。
そういうひとはまず記憶に答えを求めるのをやめよう。
そこで大切になるのが、仮説を立てて推理することだ。
ものすごく当たり前のことに思えるかもしれないけど、こと自分ごととなると人は変に思考停止してしまったりする。そのために必要なのが仮説を立てて推理することだと思う。
自分から離れる
また、仮説を立てて推理することと同じくらい大事なことがある。
それが「自分から離れること」だ。
色あせてしまった記憶もそうなんだけど、もっとも厄介なのは「イヤなことを思い出したくない自分」だ。
だから「なぜ自分はあのときそうしたのか」を問うても、いつかそのときの自分のことを思い出したくなくて抑圧していたとしたら、答えは永遠に出ないかもしれない。
しかし、それでもどうしても思い出したいのなら、自分ではなく「他人」ならどうしたかを問えばいい。
具体的な例
問いがあいまいだったので具体的な例を出そうと思う。
抑圧しているかしていないかに限らず、たぶん大人になればそんなことあまりよく思い出せないと思う。
しかし、自分のことを考える上で、子供の頃の自分の行動原理を考えることは非常に重要なことだと僕は考える。
なので、僕は自分にこういう経験があったとしたら、ぜひこの問いの答えを知りたいと思うし、今の自分を理解するために知るべきだと思う。
しかし、考えても考えても思い出せない。つまり記憶がない。なので記憶はあきらめる。
次に一般論で考える。
「子供が日常的に暴力をふるうのはどんな理由があるか」
では、今回のケースでは「弟」という属性がある。
よくあるパターンを考えてみると「弟が生まれてお母さんを弟に取られたと感じて欲求不満を感じたことがある」「だから弟によくあたっていた」となったりする。
また、兄がママっ子だった場合、弟は直接的には関係ないかもしれない。
単純にママがいちにちじゅう忙しく動きまわって自分のことを「あっちいってて」みたいなかんじで邪険に扱っていて寂しくなって気を引こうとしたのかもしれない。
弟を殴れば、褒められないにしろ叱ってくれるからママは自分にかまってくれる。だから弟を殴ることがそのときの兄にとってのママにかまってもらうための最適解だったのかもしれない。
こんなふうに思い出せないことは、一般化して考えてみると、自分という属性について認めたくない部分でもスムーズに考えられるかもしれないなと思う。
人間はイヤな自分を見たくなくて、それを自分にすら隠そうとする。だから、自分とは関係ないという前提でその物事を見る必要があるのではないかと思った。
なぜこのテーマについて書いたのか
こんなことを書こうと思ったのは、理由がある。
昨日あるひとと対談したのだけど、相手に幼児のころの自分の行動の理由ついて問いを投げてみたら、他のことはスムーズに答えられていたのに、そのときだけうまく答えが出てこなかったからだ。
それが思い出したくなかったからなのか、ふつうに忘れているだけなのかはわからないけど、スムーズに話をすすめるためにスマートに問いを立てる必要があった。
なので僕は「ではあなたのことではなくて一般論として考えたとき、その子はなぜそういう行動をとったと予想しますか?」という問いをとっさに投げた。
すると、その答えが正しいかどうかは別にして、相手はすぐに答えてくれた。
当時の記憶を探すでもなく、自分について考えるわけでもなく、完全な他人事、現象として捉えたからこそなんらかの考えが出てきたのだと思う。
その方はわりと抑圧的な方だったので、この問い方が合っていたのではないかと予想している。
このように会話の中で相手から答えを引き出して一歩前に進むために、この問いの立て方はひとつ有効だなと思ったので、記事にしてみることにした。
自分にそういったことを問うとき、または昨日の僕のようにそれを他人に問うとき、こういったテクニックが役立つかもしれないので覚えておいてもいいかもしれない。
ものすごくあたりまえに思えるかもしれないけど、あんがい自分のこととなるとみんなよくわかってないものであり、また思い出したくないと無意識に思っていたりもするので、もしかしたら役に立つかもしれない。
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