集団の中で自分らしくいる難しさ【恋人はアンバー】映画♯075
【ストーリー】
保守的な田舎町に住む高校生のエディは、自身が
同性愛者であると気が付き始めていた。
クラスメイトの男子たちの会話は、どの女子と
どこまで進んでいるのか、そんな話題ばかり。
ある日レズビアンだと噂されている
アンバーに“あんたはゲイよ!“と言われてしまう。
孤立していた二人は厳しい学校生活を乗り切るために
カップルを装う!
【解説というか、レビューというか】
結構びっくりな事に、アイルランドでは1993年まで
同性愛は犯罪だった。それから2年後の1995年を舞台に、
クィアな二人が既存の先入観に立ち向かう青春物語。
犯罪ではなくなったとはいえ、同性愛への偏見は根深く
残る田舎町。ゲイであるとどうしても受け入れられない
男の子エディ。ゲイであると認めてしまえば、同級生から
からかわれ親の期待も裏切ってしまう事になる。
そんな彼は男らしくいようと、必死で自身のセクシャリティ
に抵抗。親にとっては良い子だが、周囲の期待に応えようと
苦しみ空回る従順なエディの様子にはちと胸が痛い。
かたや、自身の同性愛にひたむきに向き合うアンバー。
自立心の高いニセ恋人のアンバーとの間で葛藤するエディは、
同調圧力が強い田舎町でどんな大人への道を選ぶのか?
集団の中で自分らしくいるのは難しいと感じる人は多いだろう。
無意識に偏見をインプットされていないか、変わる価値観に
対応できてるか、我こそは従順なのかこの映画で確かめてみて。
老いも若きもアンバーの心意気がブッ刺さるだろう。
自分以外の人に自分の人生を決めさせない。
自分で決めていいものは、
自分で決めてみよう。
失敗したっていいじゃない。
決定権はあなたにある。
一歩を踏み切れない人に勇気をくれる、そんな映画です。
【シネマメモ】
今を生きる若者に支持されるのは、
エディ&アンバーのような2人。
必要なのは親友や恋人、パートナーではなくて
バディなんだっていうスタイル。90年代の設定だけど、
これが2020年代の子たちなの。
親世代の私たちは、
同調圧力が強烈だったあの頃の閉塞感を
パルプやU2など、90年代の音楽にのせて
PG12過ぎるユーモアでたっぷりと笑いとばしてくれますよ。
✳︎合わせてみたい映画
バディ映画いいよねーーーえ
友達とかじゃなくて相棒なのよ、相棒。
『最強のふたり』
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