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集団の中で自分らしくいる難しさ【恋人はアンバー】映画♯075
恋人はアンバー 2022年/アイルランド
【ストーリー】
保守的な田舎町に住む高校生のエディは、自身が
同性愛者であると気が付き始めていた。
クラスメイトの男子たちの会話は、どの女子と
どこまで進んでいるのか、そんな話題ばかり。
ある日レズビアンだと噂されている
アンバーに“あんたはゲイよ!“と言われてしまう。
孤立していた二人は厳しい学校生活を乗り切るために
カップルを装う!
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【解説というか、レビューというか】
結構びっくりな事に、アイルランドでは1993年まで
同性愛は犯罪だった。それから2年後の1995年を舞台に、
クィアな二人が既存の先入観に立ち向かう青春物語。
犯罪ではなくなったとはいえ、同性愛への偏見は根深く
残る田舎町。ゲイであるとどうしても受け入れられない
男の子エディ。ゲイであると認めてしまえば、同級生から
からかわれ親の期待も裏切ってしまう事になる。
そんな彼は男らしくいようと、必死で自身のセクシャリティ
に抵抗。親にとっては良い子だが、周囲の期待に応えようと
苦しみ空回る従順なエディの様子にはちと胸が痛い。
かたや、自身の同性愛にひたむきに向き合うアンバー。
自立心の高いニセ恋人のアンバーとの間で葛藤するエディは、
同調圧力が強い田舎町でどんな大人への道を選ぶのか?
集団の中で自分らしくいるのは難しいと感じる人は多いだろう。
無意識に偏見をインプットされていないか、変わる価値観に
対応できてるか、我こそは従順なのかこの映画で確かめてみて。
老いも若きもアンバーの心意気がブッ刺さるだろう。
自分以外の人に自分の人生を決めさせない。
自分で決めていいものは、
自分で決めてみよう。
失敗したっていいじゃない。
決定権はあなたにある。
一歩を踏み切れない人に勇気をくれる、そんな映画です。
【シネマメモ】
今を生きる若者に支持されるのは、
エディ&アンバーのような2人。
必要なのは親友や恋人、パートナーではなくて
バディなんだっていうスタイル。90年代の設定だけど、
これが2020年代の子たちなの。
親世代の私たちは、
同調圧力が強烈だったあの頃の閉塞感を
パルプやU2など、90年代の音楽にのせて
PG12過ぎるユーモアでたっぷりと笑いとばしてくれますよ。
✳︎合わせてみたい映画
バディ映画いいよねーーーえ
友達とかじゃなくて相棒なのよ、相棒。
『最強のふたり』