許されなかった愛に謝罪を【マイ ポリスマン】Amazonオリジナル映画の新作♯072
Amazonオリジナル映画の新作。1Dのハリー・スタイルズが主演してるLGBTQ映画。
【ストーリー】
1990年代、トムとマリオン夫婦の家に
介護を必要とする年老いた男パトリックが運ばれる。
身内ではないパトリックを献身的に介護する
マリオンに怒りを感じているトム。
数十年前、この3人には複雑な三角関係が
起きていた。
【解説というか、レビューというか】ネタバレ率20%
男と女と男で、一人の男を取り合う。
今じゃよくありそうな設定だけど、主に舞台は
1950年代のイギリス。
この頃、同性愛行為は犯罪だった。
捕まれば非人道的な扱いを受けることも珍しくはない。それは迫害といっていい。
その事をよく知っている警察官でゲイのトムは、
自分を騙すようにそんな世の中を生きていた。
トムは迷いながらパトリックと交際するも、
出世の為にマリオンと結婚。
マリオンは次第に二人の関係に気が付く。
夫がゲイである事を知った彼女は
力ずくでパトリックから夫のトムを引き裂く。
映画は
1990年代と1950年代を交互にストーリーが進行する。
このマリオンという女性の存在が、時代の変化、
そして謝罪を意味していると思う。
マリオンはいい人だけど、1950年代的な価値観を
持った人。ゲイは犯罪者だと信じていた。
だけど1990年代の年老いたマリオンは、
恋敵だったパトリックを介護する。
マリオンは過去の行いに悔いていた。
時代は大きく変わり、
今と昔じゃこんなに認識が違う。
男性同士が仲良く並んで歩く事が普通の今、
時代は変わりましたよ。
よかったよかった、、なんて
そういう映画じゃないんです。
とっくの昔に終わらせた愛を、
年老いた今になって、認められても
キラキラしたあの時代は戻らない。
1990年代のトムはそこに怒っている。
悪いのはマリオンじゃない。
もちろんトムでもパトリックでもない。
あらがいようのない時代に翻弄された3人。
同性愛が許されなかった過ち歴史。
生きにくいマイノリティーに
欲しいのは謝罪だった。
そういう映画。
【memo】
ちょっぴりリバー・フェニックスの雰囲気を持ってるハリー・スタイルズ。
歌手としてのイメージしかなくて、最初は見慣れなかったけど彼の演技がとても良い。