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小説投稿20年、現在57敗中…(①会社をクビに)


現在、57敗中…

 私が、小説家を目指して、本格的に投稿を始めたのが、いまから20年前の2004年。それから、年に2~3本のペースで投稿を続け、ついに20年もの歳月が過ぎてしまいました。受賞して小説家デビューすることを「勝ち」とするならば、通算57敗していることになります。

 いったい何がいけないのか、どこで間違えているのか。これからどうすればよいのか。
 来年還暦を迎えるにあたって、自分自身を振り返る意味でも、投稿歴に関する体験談を綴ってみたいと思いました。失敗から全然学んでいない自分が悲しくなると同時に、どうしても諦めきれずにいる自分もいるわけで、だらだらと時間だけを無駄にしている気もします。

小説投稿を始めて20年、57敗の軌跡

 小説投稿に関しては、成功者よりも敗北者の方が圧倒的に多いのに、その声は、それぞれの心の奥に埋もれているだけ。だからこそ、失敗談を赤裸々に、読者の皆さんにお伝えすることで、少しでも小説投稿の参考になって、そして自分のモチベーションアップになれば、と考えた次第です。
 それに、いろいろな人からの意見を聞かせてもらいたい、と思っております。



2002年 会社をクビに

 ブラジルの邦字新聞社「サンパウロ新聞」に勤めていた私は、2002年に解雇されました。

 理由は、一言でいえば、社内で派閥抗争があって、スケープゴートにされたのです。まあ、この件に関しては、別な機会に委ねるとして、とにかくクビになった私は、「日本語を書く仕事」でなんとか糊口をしのげないか、と考えたわけでした。

 ブラジルに移住して通算8年ほど経っていたのですが、もともと語学が苦手だったのと、職場環境が日本語だというのと、妻が日本人で家庭でも日本語を使っていたのもあって、ポルトガル語は、得意ではありませんでした。普通に生活するぐらいは喋れましたが、ポルトガル語で仕事をするというのには無理がありました。ですので、日系企業の現地職員として働くか、日本語を活かせる仕事をする、ぐらいしか思い付きませんでした。

 ならば、これまでの経験を活かしたいと、フリーのノンフィクションライターになって、ブラジルの情報を日本に発信する仕事をしようと思い立ったのです。いま、振り返ってみれば、いかにも「記者崩れ」が思いつきそうなアイデアでした。

 けれども……

 いきなり、ノンフィクションライターといっても、実績もコネもないのに、簡単に行くはずはありません。だいたい、ブラジルネタは、日本では殆ど扱われません。取り上げられるとすれば、サッカーネタか、音楽ネタぐらいで、他は興味を持たれていないのです。日本の通信社や、新聞記者の駐在員数をみても明らかで、欧米などは何人いるのに、中南米はサンパウロに一人派遣されていれば良い方です。

 その需要が少ないブラジルで、ノンフィクションライターは、どだい無理な話だったのです。おまけに、私は、スポーツにも音楽にも全く興味がなく、ブラジルに8年ほど住んでいたにもかかわらず、サッカー観戦に行ったことも、カーニバルに参加したこともありませんでした。とても、「スポーツライター」や、「音楽ライター」には、なれそうにありませんでした。

 それでも、環境問題やアマゾンネタならば、まだ多少の需要があるはずだと、アマゾンに長期取材旅行に出かけました。

 2002年と2003年にそれぞれ、2カ月ほど奥地に出かけ、その体験記をまとめました。もちろんすべて自腹で、どこか出版社から頼まれた訳でもありません。勝手に始めました。

「ヘラクレスオオカブト探訪記」「エメラルドの郷」(作品の一部を紹介した当時のHPが、まだ残っているのでリンクを貼ります)

 まったくもって反応はありませんでした。いくつかの出版社に送ってみたのですが、なしのつぶて。マスコミ関係に勤めていた友人にも送りましたが、返事はありませんでした。


自費出版、237万円

 唯一、反応があったのは、これは日本に戻ってからですが、自費出版の会社からで、「出版費用は、237万円(500部)かかります」といった内容でした。とても払える金額ではありません。そのうえ、「昆虫というテーマは万人受けしづらく、マニア向けの密売を匂わせている点は、作品の公共性を損ねます」との駄目出しもされました。
 もう、ガックリでした。

提案された出版企画

 取材費だけがかさみ、ひたすら赤字になって、妻には「無駄なお金を使っただけじゃない」と嫌味も言われました。

 ブラジル在住で日本への情報発信している知人に相談したところ、

「時間をかけるか、金をかけるか、命をかけるか」

 ノンフィクションを書くのなら、半端な気持ちでやっても無理だろ、と忠告されました。まあ、確かにその通りなのですが。

 そこで、ちょっと挫けた私は、取材費がかからない小説ならば、これまでのネタもあるので、とりあえず書いてみようか、と。

 ブラジルから、小説現代新人賞に応募してみました。
 そして、まずは2敗。

ブラジルから投稿して、まずは2敗


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こんちゃん
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