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小説投稿20年、現在57敗中…

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全12回(2024年11月、最終更新)
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#小説公募

小説投稿20年、現在57敗中…(⑨待てど暮らせど電話は鳴らず)

北海道新聞文学賞で佳作に  2014年9月中旬の夕方でした。  北海道新聞社から電話があり、「最終選考に選ばれたので、10月〇日の午後6時から午後8時まで電話に出られる状態で待機していて下さい」と、伝えられました。  正直、全く期待していなかっただけに、「はぁぁ」「はあ」「は」「はい」と順番に答えただけで電話が終わりました。けれども、徐々に実感が湧いてきて、いつの間に頬が緩んで、自宅でスキップしていました。  そして、当日、電話の前で正座して待ちました。6時5分ぐらい

小説投稿20年、現在57敗中…(⑦持ち込み原稿で、55万円課金)

売れない小説、売れない題材  2014年――。  なんとしても「勝ち組」をテーマにしたこの作品を世に出したい。  強い想いがありました。  ブラジルでの邦字新聞記者時代から、こうした作品を書きたいと、数年にわたって少しずつ取材を行い、当時の関係者らに(一部HPに掲載)インタビューしたり、事件のあった場所を訪れたりしていたからです。いま思えば、ブラジルで苦労した人たちや、「勝ち組」に騙された被害者らの声が込められていたため、彼らからも背中を押されていたような気がします

小説投稿20年、現在57敗中…(④隠れて執筆活動)

文章教室に通う  さて、2006年ごろに話題を戻します。  すでに41才となっていました。まっとうな就職も出来ず、アパート管理人の仕事などを細々とやりながら、図書館で小説を書いたり、小説の勉強のため、気に入った作家の文章を書き写したりしていました。  特に、素晴らしいと思ったのは、 「邂逅の森」(熊谷達也)でした。  東北のマタギの世界を描いた作品です。「熊谷先生」と心の内で呼ぶことにして、何度も読み返したり、写したりしながら、こんな作品を目指そうと意気込んでいまし