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Posture
その人がどんな生き方をしているか、立ち姿や佇まいでなんとなくわかる。
そう思っている。
先日、ユニクロでお目当てのパンツを見つけレジに向かっていた時、通路沿いにあった鏡に自分の横顔が映るのがちらっと見えた。
ちょっとした違和感を感じて2,3歩後ずさって鏡の所まで戻る。
鏡の中の自分を二度見。
“こりゃひどい。かなり参ってるな…”
鏡の中に、家の炬燵からやっとの思いで抜け出し、
そのまま身づくろいもせず買い物に来てしまった
くたびれた感じの女性が背を丸めて立っていた。
“これじゃ何度も面接に落ちる訳だ”
参っている上にいい加減な生活をしているとすぐ佇まいに出る。
このところずっと家にいるので、朝はぼーっと起きて、顔を洗って化粧水をつけて、ところどころカールしたくせっ毛はドライヤーもかけず一日そのまま。着古したユニクロのグリーンのパーカーと下はグレーのスウェットを洗濯が必要と思われるまで着続け、下手をすると近所の買い物へは着替えずその上にコートを着て行ってしまう。冬、コートは何て便利なんだ。下に何を着ていても分からない。
そしてその日もそんな格好で家から自転車で10分のショッピングモールにあるユニクロに来た。
若い頃はエネルギーがあったから何とか誤魔化せたけれど、ある程度の歳を過ぎてからはいい加減な、というか、自分を大切にしない生き方をしているとすぐ佇まいや雰囲気に出てしまう。
勿論、そんなこと誰も気づかない。
私が気にしているだけ。
でも、自分が自分にどう映るかが一番大事だと思っている。
その日、帰りにドラッグストアで透明のマニキュアとベージュのリップを買った。
そして次の日の朝、相変わらず天然にカールした髪にドライヤーをかけ、リップをつけ眉を整えた。古くなった家の手入れで割れやすくなってしまった働き物の指の爪に”ありがとね”と言いながら透明のマニキュアを塗る。
オレンジの練り香水を首筋と手首にそっと撫で付け、完成。いい感じ。
よくできました。100点満点。
若い頃、同じ職場で働いていた友達が今でも会うたび、”相変わらずいい顔してるね”と言ってくれる。
そう、私は美人じゃないけれどいい顔をしている。
それが自慢。
いつも夢があって目標に向かってまっしぐら。ちょっとのことがあってもへこたれない。
生きてると色々ある。大抵のことは受け入れられる。
苦手なのは同じ状況が長く続くこと。
どーやっても動かないこの状況。
努力とがんばりだけでは解決しないこの状況。
ま、それも受け入れようかな。
人生のひと休みは今日でおしまい。
座ったまま夢を探すのはよそう。
夢は歩き始めながら見つけよう。
また明日から背を伸ばして、いい顔して、人生をずんずん行くぞ。