からだを表わす単語と表現(1)
今日は、首から上を表わすウォロフ語の単語とそれにまつわる表現を紹介します!
まずは単語リスト。
頑張って描いてみた!次の画像を参考にしてください。
bopp ボップ 頭
karaw カラゥ 髪
bët ブット 目
nopp ノップ 耳
bakkan バカン 鼻
gémmiñ ゲミン 口
baat バート 首
ちなみに、顔、というか顔面、顔の正面は、Kanam(カナン/ム)です。
前方、あるいはこのちょっと後ね、なんていうときには
Ci kanam チカナン/ム といいます。(Ciは前置詞)
Xoolal ci kanam ホーラル チカナン/ム で、「前見て!」
※ Xool は動詞の見る、でここでは命令形になっています。
Bopp ボップ 頭
この中で、一番表現が多そうなのが、頭。
Dëgër Bopp デグル・ボップ
頭が固いひと、聞かん坊(人の意見を聞かない石頭)と言う意味。直訳するとDëgër 固い+頭なので何となく分かりみ、というか。日本語でいう、まさに石頭!
Bennu Bopp ベンヌボップ
という表現もあります。直訳すると一つの頭。同じ目標を共にする人々の集会や、議論の場を意味します。政治的な集まりなどでも「我々は意思を共にすべく」みたいな文脈で出てくる表現。
karaw カラゥ 髪って、怖いもの?
髪については、すぐにイディオム的なものは思いつきませんが、セネガルやイスラム圏の西アフリカの人の多くにとって、髪の毛、ってちょっとタブー的なものなんです。女性はこれをLettiレッティなどとよばれる編み込みにしていることが多いですが、男性は基本、女性の髪の毛を触るのをひどく嫌がります。これは、旦那さんが妻に、でもダメ(泣)。
これはイスラ―ム教徒だから云々ではなく、もともと伝統社会で、髪の毛が呪術に使われたり、禍々しいもの、と言うイメージがあるからのようです。
子供の髪の毛はさておき、セネガル人の旦那さんや彼氏に「髪の毛とかして~」などとは頼まないほうが良いかも…。海外などで生活したことがある人なら別ですが。
nopp ノップ 耳
耳にも気になる表現があります。
xonq nopp ホンク・ノップ 赤い耳 で、白人、外国人のことを意味します。
これは、西洋人の赤ら顔や白い肌が赤らんでいるのを形容してできた表現だと思いますが、どちらかというと卑下したような表現になるので、あまり感じが良いものではないです。外国人、西洋人をののしって言うTubaabトゥバーブと似たような響きです。直接外人、と言わないためにこういう隠喩的な表現でひとをばかにしたり陰口悪口をいうことがあります。
「ほら、裏に引っ越してきた赤耳が…」
という感じです。
こんな感じで人をののしるときにMuusムース=猫という単語を使うことがあります(この場合は外国人かは関係なし)
動物の猫がいないシチュで「Muus bi nak … その猫がねぇ・・・」
などが会話にでたら、だいたい誰かの悪口です。
猫は性悪女のイメージもあるので、女性のことが多いです。日本語で言う「女狐が…」に近いかも。
体表現からちょっと離れてしまいましたが。
ちなみに、似ていますが、noppi-ノッピは、「黙る」あるいは「終える」と言う意味の動詞で、鼻(名詞)ではありません。よく、「静かに(黙れ)」と言う意味での命令形Noppil!ーノッピル!という表現を使います。
他の部位についても、また色々な表現や、
『・・・が痛いです』
などこれから少々紹介したいと思いますので、今日はこの辺で。
(文責:阿毛香絵)