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元金融マンが語る、半沢直樹の世界。~トラブル嫌なら書類を増やせ~
さぁ、半沢直樹の舞台を、元金融業界出身者が実体験を交えて話すこの記事も三回目を迎えました。
有り難い事に、たくさんのスキを頂いているので、いつもの経済解説の記事とは別にシリーズ化させて頂いております。
半沢直樹の第三話では、天敵、金融庁の黒崎さんが再登場しましたね。
書類を全て調べ、半沢直樹に天誅を下そうとしていました。
そのシーンを見て思いませんでしたか??
「どんだけ書類あるんだよ」
あれは、マジなんです。
金融業界はとにかく書類が多いのです。
何故、書類が多いのか!!
それは、無茶苦茶、顧客ともめるからなんです。笑
そもそも、投資商品というのは人生を歩むにおいて、必要のない物です。
食料品や衣服、娯楽費などとは違い、投資商品が無いと飢え死にしてしまう事はないですし、投資商品は一緒にお酒を飲んでくれないですし、性的欲求を満たしてくれる訳ではありません。
極論になってしまいますが、必要か不必要か、どちらか選べと言われたら、私は不必要と答えます。
こう断言できるファイナンシャルプランナーはなかなか居ないと思いますがね・・・
って事で、投資業界というのは、人生において必要のない物を売買する事になるので、後々、もめる事が確定的なんです。
人生において必要な物、例えば、スーパーで惣菜を買って、その惣菜が自分の口に合わないと感じた途端、スーパーに怒鳴り込みにいかないですよね??
期待していた商品の満足度と、実際に商品を使用、活用する事によって判明した実際の商品の満足度に、マイナスの乖離が生じた場合でも、商品の提供者側に圧力をかける事はしないという事です。
食べなきゃ、死んでしまいますからね。
これを、投資商品の場合に置き換えるとどうでしょう。
株式の説明を受け、その株式を購入し、その翌日に株式は大暴落。大損をしてしまった。
よくよく思い出していると、細かく株式の損失に関する事項は聞かされていなかったんじゃないか・・・???
電話を手に取り、担当者に電話をし
「これはどういう事ですか???」
戦いのゴングが鳴る訳ですよ。
金融マンとしては、説明したじゃないですか!!
顧客としては聞いてないです!!
こういった押し問答に、金融マンの助っ人となってくれるのが
契約書類でございます。
主に現物の投資商品を窓口で購入した事のある方だと分かると思いますが、投資商品を購入する時は契約書とは別の書類にも記名押印をしないといけない事がほとんどです。
契約書とは別の書類の代表格は、覚書や誓約書ですね。
売買契約書にも、かなりの細かい項目が記載されているのですが、その項目ではカバーし切れない項目を覚書などを作成する事でカバーするのです。
売買契約書+覚書で、鉄壁の布陣になる訳です。
しかも、こういった正式な書類とは別に、顧客に最初に提案したシミュレーション表や、交通費の領収書のコピーなんかも保存しますから
顧客が乗り込んできても、対抗できる体制は、契約時で整ってしまっている訳です。
しかし、投資商品で損をして、血気だっている顧客はそんな事では満足してくれず、最後の手段として弁護士事務所に足を運んだりします。
そこからは、地獄そのものです。
売買契約書の一項目ずつが法的に有効なのかどうかをチェックし、こちら側の漏れが無いか弁護士が本気を出すので大変なんです。
契約成立時は笑顔で握手したはずなのに、数か月後に、敵になってるという事は、金融業界ではよくある事です。
そうした事態を防ぐ為に、色々な書類を形として残しておく必要があり、半沢直樹の舞台でも、金融庁は、書類を探れば、契約の真相が見えてくる事が分かっているので、ある書類を全て調査するのです。
次回も、半沢直樹の最新話に絡めた、実体験を話していこうと思います。
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