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室内イベントの撮影が難しすぎる件〜事前に準備しておくこと

今度さ、小学校の体育館でダンスするからちょっとカメラで撮ってよ!
パパッと撮ってくれたらOKだから!

なんて言われて

「室内だから難しくなさそう、楽勝かな!」

なんて思ってしまっていませんか?

こんにちは秦野です。

現在、2022年頃から広島でホームページの制作とカメラマンの活動を個人事業として行っています。作った−ホームページは30以上、撮影は政治家・モデル・経営者・俳優の方など様々です。勉強会や個人レッスンなども行っています。

今回は

「室内撮影は軽く見ると危ない!事前に準備しておくべきこと」

というお話をしていきます。

※今回のお話は、一眼カメラを使用するという前提で進めていきます。また、カメラを扱う上で必要なISO感度、シャッタースピード、F値というものをなんとなくでも知っているという上で書いています。

ちょっとよく分からない・・・ということでしたらぜひ公式LINEの方から質問等を頂ければ回答いたしますのでぜひご連絡ください!

室内イベントの撮影が危険な理由

室内の撮影が危険という理由、それは暗さと動きが同時に存在している環境だからです。

カメラとは光を記録する機械です、そのため暗い場所での撮影はカメラに記録する光の量を確保する必要があります。

暗い場所でカメラを使い写真を撮影するうえで必要な光の量の確保・・・とは、基本的に3通りの方法があります。

ISO感度の数値をUPさせる
シャッタースピードを遅くする
F値を開放寄りにする

室内で撮影・・・となると上記の項目を優先順位をつけて設定していきます。

ちなみに私が今回撮影したのは、子どもの柔道大会の写真でした。
柔道は場所にもよりますが古い柔道場、武道場で素早い動きがあるためなかなかな難易度でした。

もし、保育園などのおゆうぎ会や、動きの少ない催事などであれば
暗所でも動きは少ないため、今回お話するほどの難易度は無いかもしれません。


カメラにとって十分な明かりが無く、更に動きまであると難しさがUPする

まず優先したいのは動き、それから明るさ

今回は古い武道場で柔道大会を撮影した、と言うシチュエーションで室内イベントが難しいのでその撮影する方法を共有していきたいと思います。

まず優先したいのはとにかく動きです。

兎にも角にも、ブレずにピントを合わせて撮りたいというのが
基本的な願いです。

なので、先にシャッタースピードを考えます。

柔道なので・・・1/320 〜1/500は最低でも欲しいかなと考えられます。

ちなみに本記事で使うような個人が特定できない写真とする場合は
あえてブレた写真を撮ることもあります。

次に明るさです。

いくら動きに合わせてシャッタースピードを決めても
撮った写真が真っ黒潰れでは話になりません。

なので、

F値は最大開放(本当はしっかり絞って撮りたいところですが・・・)
ISO感度は1600〜3200くらいまでを考えて準備します。

撮ってみると分かる、欲しいシャッタースピードでは暗すぎるという事実

撮影環境や持っている機材にもよることは十分承知の上でお話しますが・・・

比較的古め施設の照明で欲しいシャッタースピードを設定すると、思った以上に暗くなります。

屋外であれば、安心を考え余分なくらいシャッタースピードを早くする事もできます。

しかし、室内では明るさが限られているため必要以上のシャッタースピードを設定することが難しいです。

実際に撮影する場合は、

事前に乗り込み、テスト撮影を設定を変えつつ行うことが必須です。


本当は1/1000くらいにでもしたいところですがそれだと真っ暗

問題はもう一つ、フリッカー現象への対処

フリッカー現象とは以下のようなものです

フリッカー現象とは、照明の明滅によって撮影画面に横筋が写り込んだり、画面の一部の色合いが変化してしまう現象です。肉眼では認識できませんが、カメラで撮影した映像に「明暗差を繰り返す」「色調がずれる」などの狂いが発生します

Search Labs | AI による概要

めちゃ簡単に言うと

「蛍光灯のチラツキ」

です。
この蛍光灯の点滅と点灯の連続が写真に現れてしまう・・・これがフリッカー現象になります。

最近建てられた施設であればLEDなので、先程のシャッタースピードとISO感度のバランスの話だけで終わるのですが、なんと古い施設ではこの「蛍光灯のチラツキ」を考慮しなくてはいけません。


縦縞や横縞に模様が現れてしまう

このフリッカー現象への対処方法は以下の3通りとなります

フリッカーレス機能のあるカメラを使う
フリッカー現象の現れた写真を後から編集ソフトを使って補正する
シャッタースピードを点滅に合わせたスピードにする

順番に説明していきます

フリッカーレス機能のあるカメラを使う

便利なことにこのチラつきを感知して自動でこのフリッカーを避けてくれる機能があります。めちゃくちゃ助かるのですが、ただバッテリーの消費が激しいので長時間撮影には向いていません。

フリッカー現象の現れた写真を後から編集ソフトを使って補正する

撮影後に縞模様の箇所を色や明るさを補正して、フリッカー現象が無いように見せる方法です。ですがこれは1枚1枚に時間がかかるので、イベントのような沢山枚数を撮る撮影にはあまり適していません・・・。

シャッタースピードを点滅に合わせたスピードにする

現実的にはこの方法が良い・・・ように感じますが実はこれが大変に難易度が高い方法です。不思議なことにこのフリッカー、蛍光灯の点滅は東日本と西日本では異なっているようです。(周波数の違い、東は50Hz・西は60Hz)

この数値はシャッタースピードに関連しています。

周波数の2倍がこの点滅を避けることができるシャッタースピードとなります。

東日本(静岡県あたりから東)は1/100
西日本(静岡県あたりから西)は1/120

これでフリッカー現象を回避できます。

・・・私の活動は広島県です。
西日本ですのでフリッカー現象を避ける目的でシャッタースピードを設定するとしたら1/120となります。

連写でブレないピントの合う瞬間を狙ってみた

本来なら確実に撮影のできるシャッタースピードを軸に考えるべきなのですが、

今回は仕事ではなく子どもの習い事の撮影でしたので、フリッカー現象を避けることのできる1/125のシャッタースピードで撮影に臨みました。

子どもの習い事の柔道大会の撮影・・・ということで

予備バッテリー1個、充電器家に忘れた

と、相当に油断していました。
ミラーレスカメラなので、一眼レフカメラよりも持ちが良くありません。

この条件下で、4時間近く自分の子供+同じ道場内の子どもたちの写真を
納めるには・・・と考えた結果

電子シャッターで高速連写
シャッタースピード1/125
動きの少ないもしくは止まった瞬間を狙う
未使用時は電源オフ

この条件で撮影スタートしてみました


動きのある瞬間に連写、想像通りほとんどがブレてしまいました

シャッタースピード1/125で撮影した結果〜ほとんどがブレたが良い写真も撮れた

正直あまりオススメできない方法です。良い写真は撮れたものの、9割近くがブレやピントズレの写真となってしまいました。

もちろん使用しているレンズ、私自身の腕の問題もあると思います・・・

仕事として撮影に臨む場合は決しておすすめできない方法ですが、無事フリッカー現象を回避した写真を撮ることができました。

いやはや、古い施設でのイベントはいつもヒヤヒヤさせてくれますね・・・。

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