元・元棋王の初心者向け三手の読み
今日は第48期棋王戦の第5局が予定されていた日でした。
まだこんなこと考えるのは早いですが、藤井棋王は5年後、3人目の永世棋王になるのでしょうか。
タイトル名の「棋王」ですが、これは「将棋の王」つまり、一番将棋が強いことを意味します。
お隣の中国にはシャンチーと言われる、いわゆる中国将棋がありますが、日本でいう名人が、中国でいう棋王のようです。
棋王戦は共同通信社主催で1975年に創設されました。
共同通信なので、地方の新聞には棋王戦が掲載されていることが多いかと思います。
そんな棋王戦ですが、その前身となる棋戦がありました。
「最強者決定戦」です。
非常に分かりやすい日本語です。
まさに「棋王」ですね。
そしてその最強者決定戦の前身に当たるのが、「日本一杯争奪戦」です。
意味が同じですね。
さらにその前身が、「九、八、七段戦」でした。
こちらはちょっと分かりづらいネーミングでしょうか。
この「九、八、七段戦」が1954年に始まりました。
1955年第2回の準優勝者が、原田泰夫九段(当時八段)でした。
そして、1973年最後の最強者決定戦の優勝者も、原田九段でした。
実力はトップクラスでしたし、将棋連盟の会長に歴任してきましたので、将棋界に多大な貢献をされた棋士です。
棋王戦とそこまで深いエピソードがあるわけではありませんが、そんな原田九段の話を今日は少ししようと思います。
なぜ原田九段を取り上げたかというと、初心者に易しい先生だったからです。
初心者の方は、有段者から教えてもらうときに、「三手の読み」を言われることがあります。
3手先まで読みなさい、ということです。
「自分がこう指したら、相手はこう指して、そしてこう指す」
この制度が上がってくると、力が付いた証拠です。
そして、その読みこそ将棋の醍醐味だと思います。
当たれば嬉しい、外すと「そんな手もあるのか」と気づいて楽しい。
大切な考え方です。
これは将棋に限った話ではないと思います。
そして原田九段は、A級→B1→B2→B1→A級というとんでもないことをやりのけています。
B1からのA級復帰は多数例がありますが、A級からB2まで落ちてそこからA級まで復活したのは、原田九段しかいません。
A級からB2まで落ちてもなんの心配もいりません。
今期は羽生九段がベスト4。前期は郷田九段が挑戦者決定戦出場、佐藤康九段がベスト4。さらにその前年は久保九段がベスト4。もう1つ遡ると丸山九段がベスト4。その前は三浦九段が2年連続ベスト4(2年連続で敗者復活で黒沢五段に負けてる)。その前が森内九段、その前が佐藤康九段がベスト4。
そして40期以前の挑戦者は、羽生九段、三浦九段。
そして第38期で郷田棋王を破ったのが渡辺名人です。
来期もまだまだオジサン棋士は暴れます。
まだまだ世代交代が完了したとは言わせません。
深浦九段とかくるんじゃないかな。