王将戦はいかにも将棋っぽいタイトルの名前だけど序列は低い
藤井王将に羽生九段が挑戦している第72期王将戦。
そんな王将戦ですが現在、タイトルの序列は8つあるうちの下から2番目です。
今の正式名称を「ALSOK杯王将戦」と言います。
将棋なのに「ALSOK杯」と名前が付くと、私はちょっと安っぽく感じてしまいます。
もちろん特別協賛としてサポートしているALSOKにはすごく感謝しています。ありがとうございます。一将棋ファンとして感謝申し上げます。
ただ、「ALSOK杯王将戦」は、名前には余計なもの付けないでよ、と思ってしまいます。
ちなみにALSOKの前は、「大阪王将杯王将戦」でした。
これは、あの餃子の王将とは似て非なる大阪王将が、王将戦の特別協賛になっていた時代です。
大阪王将は、名前だけで言うとあの坂田三吉を彷彿させるので、あまり違和感を感じませんというか、もはやピッタリな名前ですらあると感じます。
コロナ前、将棋文化検定試験を受けたときに大阪王将の餃子無料券をもらって妻と一緒に食べに行ったのは楽しい思い出です。
(大阪王将は日本全国にあります)
「王将」というと、将棋でもっとも大切な駒です。
それを肩書の名前にするわけです。
タイトルが創設された当初は違和感のある名前だったそうですが、今となってはいかにも将棋のタイトルって感じで良いですよね。
よくよく考えると「王将」ってタイトル、めっちゃカッコよくないですか。
THE 将棋 って感じです。
それなのに序列は下から2番目です。
将棋で二大タイトルと言われるのが「名人」と「竜王」です。
名人は江戸時代から続くので納得ですが、「竜王」はいかがなものかと思っています。
「竜王」は、飛車の裏っかわの最強の駒で、まさに名人に並ぶ最強の棋士にふさわしい、と。
でもそれが王将よりも序列が上ってどういうことだい。
竜王戦の歴史を考えれば、それはもうもちろん納得できますが、それでも竜王というネーミングは不満です。
私は王将戦の序列の低さが不満なのです。
72期というのは、名人戦と棋聖戦の次に大きい数字です。
棋聖戦は以前は年に2回あったので、数字の割には歴史が浅いです。
ちなみに王座戦が今71期の二次予選中ですが、この棋戦は31期からタイトル戦になったので、タイトル戦としては歴史が少し浅いです。
それだけ王将戦って実は歴史の長いタイトル戦なんです。
将棋界で3番目に作られたタイトル戦なんです。
朝日新聞の「名人戦」
読売新聞の「九段戦(のちの十段戦、竜王戦)」
そして毎日新聞の「王将戦」
1950年以降の将棋界を支えてきた名棋戦です。
戦後の日本を盛り上げた名棋戦なんです。
タイトル戦ボイコットの陣屋事件や、名人に香を引いたあのエピソード。
羽生九段の七冠達成時の最後のタイトル。
将棋界を語るうえで絶対に欠かすことのできないタイトル戦なんです。
今は8つのタイトル戦がありますので1つあたりのタイトルの価値が昔よりも低いです。
藤井五冠ってどのタイトル持ってんだっけ? となるくらいですから。
でもそれは将棋界が発展した証拠でもあります。
王将戦はその中でも特に将棋界の発展に貢献したタイトルだと思ってます。
将棋界の発展に貢献した三大タイトルです。
そんなタイトル戦が、藤井聡-羽生戦だから嬉しいんです。
本日はその2局目の1日目が終了しました。
どうなるのか、明日が楽しみです。