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「今さら知りたい男女7人」第63回 木更津のレンタルビデオ屋(秋4、6、7話)

「今さら知りたい男女7人」今回は木更津のレンタルビデオ屋を取り上げます。

秋4話「昔の夢」より。
秋4話ラスト 良介がレンタルビデオ屋に行くと木更津に来ていた桃子がすでに店内にいるというシーン。

63-1 自転車でレンタルビデオ屋に来る良介
63-2 店名はギャラリー
63-3 店内には桃子がいて、いつものやり取りがはじまります

そして、桃子が帰ろうとするところに良介が声をかけます。

63-4 「おい、ノンフィクションライターになる夢はどうしたんや?」

桃子は突然の問いかけにびっくりしながら

63-5 「いまんとこやめてる」
63-6 「俺はな お前の夢が実現するチャンスや思うてアメリカ行かせたんや
なんで、そう簡単に捨てるわけ?」

この後、桃子は「お母さん起きたら、どこ行ったと思うから」と言い、逃げるようにビデオ屋を後にします。

63-7 原付(※1)に乗り
63-8 車道に出て走り去ります

さて、ロケ地です。
このロケ地の情報は、第57回健と桃子が同棲していたマンションでもお世話になった「ロケ地はドラマを超える」Chさんのこちらの動画からです。
こちらの動画によると、レンタルビデオ屋ギャラリーは川崎大師にあったということです。

木更津じゃなかったのか・・・ 川崎とは灯台下暗しです。

なお、こちらの情報をもとに自分でも調べてみました。
63-9の画像、赤枠にご注目

63-9 63-2と同じ画像(赤枠筆者)

この看板に赤枠を付けたところ、こちらは電話番号だと思いますが下4ケタが8418となっています。
当時の川崎市のタウンページ(※2)で調べたところ、レンタルビデオ屋の欄にギャラリーというお店があり、電話番号の下4桁が8418、そして住所は大師駅前でした。

63-10 電話帳に掲載されているギャラリー

つまり、看板はお店のものをそのまま撮影に使っていたと思われます。

ではMAPです。上記の電話帳のとおり、川崎市川崎区大師駅前1-1-2となります。

現在のロケ地様子です(撮影 2024年10月 以下同)。今はチョコザップとなっています。

63-11 現在のロケ地 1

63-1と同じようなアングルのつもり・・・

63-12 現在のロケ地 2

車道を挟んだ向こうの歩道から。63-8はこんな感じでしょうか?
チョコザップの入口の隣に上階に上がるための入口が映っていますが、こちらは63-8にも映っています。半円の形がめずらしいですね。

63-13 現在のロケ地 3

なお、レンタルビデオ屋ギャラリーは秋6、7話でも登場します。
秋6話「地球滅亡の日」より。

63-14 今回も自転車で来る良介
63-15 店内に入ると・・
63-16 またも桃子がいます
63-17 オードリーヘップバーンに似てるって言われるの下り(※3)
63-18 そこに一枝がやってきます
63-19 桃子は一枝が気になりながらも早々に退散します

そして、秋7話「清州橋」でもギャラリーは登場。
この回は良介、桃子がそれぞれ会いたいと思いながら、フェリーでもビデオ屋でも会えないので、桃子は「笑えるのない?」、良介は「泣けるやつない?」とそれぞれ店員に尋ねるシーンが入ります。

63-20 秋7話のギャラリーの入口のカット
63-21 「ねぇ、笑えるのない?」 と店員に尋ねる桃子
63-22 今度は良介がお店を訪れています
63-23 「なんか泣けるやつないかな?」

さて、この秋6、7話のギャラリーは秋4話と違うということにお気づきでしょうか? 特に63-15、18を見るとあれ?って感じになると思います。ギャラリーの向いがすぐ塀なんですね。あきらかに秋4話と異なります(秋4話では桃子が原付で車道に出ていくシーンが映っています)。

そして、入口ドアの取手の部分にもご注目

63-24 左秋4話 右秋7話

形がぜんぜん違います。

こちら秋4話は良介が店に入るところと桃子が出るところがロケ、店内はセット、秋6、7話は店頭入り口から店内すべてセットだと思います。

秋4話の店内がセットというのは、週刊明星1987年11月19日号に「明石家さんま♡大竹しのぶ 追跡「男女7人秋物語」カラーグラフ大特集」という撮影の様子を追った記事があるのですが、そこに

良介・桃子ごひいきの木更津のレンタルビデオショップはスタジオセット。名作からアダルトものまでズラリそろってるけど、ケースだけ本物で中身は全部カラッポなのだ!

週刊明星 198年11月19日号より
63-25 週刊明星 198年11月19日号の表紙

で、そこにある画像に良介と桃子が映ってますが秋4話の服装です。あと秋物語終了後翌年の春に放映された「男女7人秋物語評判編」にNGシーン集がありますが、そこに秋6話のビデオ屋に一枝が訪れるところが入っておりセットだというのがわかります。

以上レンタルビデオ屋ギャラリーでした。
この秋4話のギャラリーでのラストシーン「ノンフィクションライターになる夢はどうしたんや?」から桃子の中で何かが変わっていくわけで、秋物語でも重要な場所と言えるかもしれません。

今回はこの辺で。
こちらの連載は週一回金曜の夜か、土曜の朝に更新しています。よかったらまた見に来てください。では、では。

おまけ その1
秋4話 ビデオをレンタルした桃子が店員からお釣りを受け取ったあとセカンドバックにそのまま小銭を投げ入れるシーンがあります。
さすがにアラサー女子がそんなことしないんじゃないかと・・

63-26 バックに小銭をそのまま入れる桃子

財布はちゃんとバックの中にあるので(バックから財布を出しお金を渡すシーンあり)どういう演出?w という感じです。

おまけ その2
今回調べたタウンページの1年前のものもたまたま見たのですが、そこにはギャラリーの掲載がありませんでした。
なので開店して間もない時期にロケ地として使われた可能性があります。

おまけ その3
秋4話で良介の「ノンフィクションライターになる夢はどうしたんや」からの下り 良介は桃子に対しかなり大きな声で詰めよってます。
このシーンは 店員も同じ店内にいるわけで、大声を出すシチュエーションではない気もしますが、これはシナリオからの指定です。

良介「おれは、お前の夢が実現するチャンスや思て、アメリカ行かせたんやぞ。その夢をなんで、そんなに簡単に捨てるんや!」
良介は、店員に聞こえるのも構わず、大きな声で言ってしまう。

「男女7人秋物語」(シナリオ本)113ページより


※1 この原付はホンダのDJ-1のようですね

※2 タウンページ 川崎市版 '88.5~’89.4(88年2月1日現在)

※3 ここは良介と桃子のアドリブっぽいですが、シナリオ本を見るとオードリーヘップバーンのところはちゃんとセリフがあります。直後の鳳啓介のところのセリフがないのでそこはアドリブのようです。


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