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「今さら知りたい男女7人」第58回 11月のとある土曜の午後(秋8話)

思いの外秋8話に関する投稿が続いていますが、今回と次回で一区切りとなりますのでもう少しおつきあいください。

さて、秋8話「妊娠」ですが冒頭のダラスからマンションの前で良介と桃子が立ち話するシーンまでは、わりと時間が特定できそうなところがあるので、今回は(ちょっと妄想を入れつつ)この日がどんな時間経過だったか考えてみた! という企画になります。

■時間が特定しやすいシーン
①ダラスに品子が美樹の伝言をしにきたシーン

58-1 品子「でも、(お姉ちゃんが)あと1時間半ぐらい遅れるからって」
58-2 良介「18時にホットキャロットに居てると言うといてください」

この2つのセリフで、この後のホットキャロットでの良介と美樹の集合が18時で、このダラスでの良介と品子のやり取りは16時半ぐらいとわかります。

付け加えると、品子が来る前に良介はコーヒーをお代わりしている、美樹が来ないのに荒三丸に電話した様子がない(※1)なども考えると、良介がダラスに着いて20〜30分ぐらい?と考えました。 

そこから逆算して、良介がダラスに来たのが16時前、品子が来たのが16時20分ごろと推定しました。おそらく、良介と美樹の当初の約束は「16時にダラス」ということだったんじゃないでしょうか?

58-3 予定より2時間遅れ? 18時にホットキャロットで合流した良介と美樹

②買い物袋の取り間違いから良介と桃子がお茶していたことがわかり、不機嫌になった健が木更津へ向かうシーン

58-4 これから木更津へ行くという健に対して「今から?」と桃子は言いますが、健は玄関に向かいながら 「今からなら最終のフェリーに間に合うだろ?」と言います

このシーンの桃子の「今から?」は、あきらかに「今から行って間に合うの?」というニュアンスです。健の「今からなら間に合うだろ」というセリフがそのニュアンスを受けています。

つまり、健は最終のフェリーに乗るためにギリギリの時間で車で向かっているということになります。

58-5 健は車でフェリー乗り場に向かい
58-6 フェリーの最終に間に合います

では、健のマンションからフェリー乗り場まではどのぐらいの時間がかかるのでしょうか?

第57回でご紹介したように健のマンションは川崎市幸区の鹿島田にあるパークシティ新川崎です。

58-7 鹿島田から浮島まで

パークシティ新川崎から浮島町フェリー乗り場まではGoogle先生によると約13キロです(※2)。また、車による移動時間を約30分と提示してきました。

私は鹿島田ではありませんが、鹿島田からそう遠くない地域に住んでおりまして、上記と同じ道をこれまで何度となく走ったことがあります(※3)。
体感ですが、鹿島田からフェリー乗り場までは40分近くかかるという印象です(もちろん、道路事情による)。

さらに細かい点を付け加えると、部屋を出て駐車場までの時間(健が住んでいるパークシティは大規模マンションです)、そしてフェリー乗り場について乗船手続きの時間なども考慮すると、部屋を出たところから45~50分は必要かな?と思います。

そして、第30回でも触れましたが、川崎発のフェリーの最終は20時です。

以上から、健が部屋を出たのは19時ちょい過ぎぐらい・・ どんなに遅くとも19時10分前だと考えます。

ここまでで、以下の3点はそれなりにはっきりしていると思います。

16時半ごろ 良介、品子がダラスを出る
18時    ホットキャロットで良介と美樹が会う
19時ごろ  健がマンションを出て、フェリーに向かう

■マンション前の立ち話は何時頃だった?
このあと、良介と桃子はマンションの前で互いの買い物袋を交換するわけですが、これは何時ごろだったのでしょうか? 

健がマンションを出たあとのカットは、

車を運転する健(58-5)
  ↓
部屋で1人ぼーっとしている桃子
  ↓
フェリーを待つ健(58-6)
  ↓
再度桃子が映り、そこに良介からの電話が鳴る
  ↓
荷物を取りにいっていいか?という話になる
  ↓
マンションの前で2人が会う

という流れです。

まず、この2人が会っているシーンは20時を過ぎているということを示唆するセリフがあります。

58-8 桃子「これから木更津帰るの? フェリーないんじゃない?」

桃子の「フェリーないんじゃない?」というセリフです。
「フェリーに間に合わないんじゃない?」ではなく、「フェリーないんじゃない?」はもうフェリーが運航してない時間ということを示唆していると思います。

さて、2人がマンション前で会ったのが20時は過ぎているとして、これは20時台でしょうか? それとも21時台? あるいは22時台? でしょうか? 

これについては、次のシーンの会話から時間を推定してます。

桃子と良介の電話のシーン

58-9 良介からの電話をどこか上の空で受け答えする桃子

~中略~
良介:「袋にもう1つ紙袋が入ってるやろ?」
桃子:「ちょっと待って」
買い物袋から良介が言う紙袋を見つける桃子
桃子:「あった」
良介:「それにな、書き込んで月曜に出さないかんのや。今からそっち・・ 取りに行ってもええかな?」
桃子:「いいよ」

〇良介は(おそらく会社への)提出書類があるので、(今日中に)取り戻したがっている
〇一般常識的に遅くなればなるほど呼び出すのが難しくなる。まして、良介は電話するまで健が木更津へ行っているとは知らない・・ 
〇今からそっち・・・ というときに若干のためらい的な間がある

以上のような良介の行動と状況を踏まえ、健がフェリーに乗ったと思われる直後に電話のシーンが入っていることを考えると、これはそのまま素直に20時ごろに良介から電話がかかってきたということでいいのではないかと思います。

次に良介が電話を切ってからパークシティまではどのくらいかかるでしょうか?

〇良介が電話してから駅に行き、ホームで南武線に乗るまでの時間を約10分
〇川崎駅から鹿島田駅までの移動時間を7分
〇鹿島田駅からパークシティまでの移動時間を約5分

ざっくりですが、まあ30分もあればとは思います。
ちなみに良介が健のマンションに行くのははじめてのはずで、土地勘がない可能性が高く、夜間で、当時はスマホもなく簡単に地図を見れないなどを考えると少し手間取った可能性もありますね(とはいえ上記の30分に考慮はしてないですが)。

以上の点から

◯20時ごろ  良介と美樹のデート終了。良介は「今日は貞のところに泊まる」と言って美樹と別れる
◯20時過ぎ  桃子に電話する
◯20時半ごろ パークシティに到着

となるかと思います。

長くなりましたがここまでの話に、さらに若干の肉付けをし、この日の時間経過をまとめてみます。

14時ごろ  
良介、フェリーで木更津を出て川崎へ向かう(※4)

15時ごろ
桃子、チネチッタに入り映画を見はじめる(※5)

15時過ぎ   
良介、川崎浮島のフェリーターミナルに到着。バスで川崎駅へ向かう

15時45分ごろ    
良介、川崎駅に到着。歩いてダラスへ向かう(※6)

16時前     
良介、美樹との待ち合わせ場所、ダラスに到着(※7)

16時10分ごろ 
良介、コーヒーのお代わりをする

16時20分ごろ 
品子、ダラスに到着

16時半ごろ  
品子、ダラスから荒三丸へ戻る
良介は川崎駅方面へ

16時40分ごろ 
良介、さいか屋に入り買い物をはじめる

17時過ぎ   
良介、買い物を終えチネチッタへ
 
良介、桃子とチネチッタ前で出くわす
2人はザ・プライムでお茶をする

17時半ごろ  
桃子、デートの邪魔になるからと帰る

18時     
良介と美樹、ホットキャロットで合流
買い物袋の取り間違いが発覚

19時過ぎ   
健、車でフェリーに向かう

20時前    
健、フェリーの最終に間に合う

20時     
フェリーの最終が出航
良介と美樹、デート終了

20時過ぎ  
良介、桃子に電話する

20時半ごろ  
良介と桃子、パークシティで会う

■11月・・そして土曜日
では最後、今回のタイトルにある11月と土曜日はどこからでてきたのでしょうか?

58-10 ザ・プライム2階でお茶をするシーン

まず、11月について。
以前も触れましたが、ここにクリスマスツリーが見える点です。個人的な感覚でしかないのですが、街中にツリーが現れるのは11月になってからではないか・・・ 
そして、秋8話の放映が11月27日なので、12月とは考えにくい。したがって11月と考えました。

では、土曜日というのはなぜ特定できるのでしょうか?
実は第55回で取り上げているザ・プライム川崎2階での喫茶シーンにはカットされたセリフが存在します。それがこちら

--ティルーム
良介と桃子が、お茶を飲んでいる。
桃子「会社は、昼まで?」
良介「第二と第三土曜日は、休みなんや」
桃子「デートのためにわざわざ木更津から出てきたの?・・・ それは、それはご苦労様です。」
良介「買い物もあったんや」

「男女7人秋物語」(シナリオ本)202ページより

上記の「会社は、昼まで?」と「第二と第三土曜日~」は放映に乗っていませんが、シナリオには存在します。つまり、このセリフからこの日は第2か、第3の土曜日であったことがわかります。

なお、カットされたセリフが入るとしたら、58-10のところですね。

ちなみに、58-9のシーンにある「月曜に出さないかんのや」というセリフと良介がわざわざ取りにきたというのも、月曜まで日がないというのを表していると言えそうです。

以上、秋8話の冒頭シーンは11月のとある土曜の午後という話でした。

健と桃子は共働きなので、木更津へ行く話はどうしても土曜というケースが多いです。この日もそうだったということですね。

なお、放映年である1987年のカレンダーを調べると、この日が第2土曜なら11月14日、第3土曜なら11月21日となります。どっちだったんでしょうね?

では、今回はこの辺で。
こちらの連載は週一回金曜の夜か、土曜の朝に更新しています。よかったらまた見に来てください。では、では。

おまけ その1

58-11 健が木更津に行ったあと部屋でぼーっとする桃子

健が木更津に向かったあと、良介の電話がかかってくるまで桃子がボーっとするカットが入ります。
ドラマを見ている分にはほんのちょっとだけボーっとしていた印象を受けますが、今回の記事通りであれば19時~20時まで一時間近くボーっとしていたことになります。

おまけ その2
実は健が怒りながら木更津へ向かうシーンの前にもカットされたセリフがあります。

58-12 リビングでのシーン

ーー健のマンション・リビング
健が、テーブルのところに座っている。
桃子が、流しで料理を作っている。
健 「おふくろのところにいかなかったのか?・・・(なんとなく不満な顔)」
桃子「行こうと思って出たんだけど・・」
健 「仕事が終わらなかったのか?」
桃子「ううん・・お母さんから電話がかかってきた?」

「男女7人秋物語」(シナリオ本)205ページより

セリフの細部が違う箇所はありますが、健の「仕事が終わらなかったのか?」だけカットになってます。

カットの理由はともかく、このセリフにより、この日桃子が半ドンだったことを示しているかと思います。

半ドン! 当時すでに働いていた方には懐かしい、仕事が午前中で終わり、午後から休みだったということです。 
つまり、この日、桃子は午前中は仕事、午後は木更津に行き、夜は川崎に帰るという予定だったと考えられます(※8)。

以下脚注

※1 あまりに来るのが遅かったら、携帯電話がない当時なので電話するかなー? と思うんですよね、ただ、良介はそれをしていない。
それとあわせてコーヒー1杯飲む時間など考えて設定してみました。

※2 もちろん、Googleが提示したのは現在の数字ですが、鹿島田から府中街道~浮島通りを通るルートは今も昔も変わりません。
交通量は正直読めないんですが、これも現在とそう変わりないということで考えています。

※3 もちろん、フェリーはではなくアクアライン利用のためですが、※2のコメントと同様同じ道になります。

※4 いつか良介の通勤経路(秋物語編)として記事化する際また触れると思いますが、時刻表では川崎~木更津の所要時間は70分となっています。
この時間に木更津を出ないと間に合いません。

※5 ダラスを出た良介がさいか屋で買い物して、チネチッタに着いたのが17時過ぎの想定です。そのタイミングで桃子は映画を見終わって出てきているわけで、映画が2時間ものと考えるとこの時間に映画を見はじめたと考えられます。
ちなみに、チネチッタで映画見ているときには、さいか屋の買い物袋がありますので、桃子がさいか屋で買い物したのは13時半〜14時半ぐらいでしょうか?

※6 ダラス方面に行くのにバスという手もあるにはありますが、バス停が近くない上に、川崎駅から停留所で1つ、2つなので、歩いていくというのが自然です。

※7 ダラスの回(第53回)で取り上げればよかったのですが、ダラス集合ってちょっと変なんですね
ダラスは川崎駅から徒歩10分ほどあるギリギリ川崎駅周辺といえるかどうかという場所で、周りに遊び場所もないし、デートで待ち合わせる場所としては変なんです。待ち合わせの喫茶店なんて駅近にいくらでもあるだろう? という感じです。

ダラスにしかない特別なメニューでもあったら? とか思いますが、それだったら16時集合はあまりに中途半端な時間。

唯一、この場所で集合を説明するには、美樹が移動に京急線花月園前(当時)から八丁畷駅で降りて、八丁畷から歩きまたはバスを使ってダラスに行くなると、直線距離的に美樹には近い・・・ということが考えられなくはないんですが説明としては弱い。実際品子は川崎駅方面からダラスに来て、川崎駅方面に戻ってます。

※8 これ実際にやろうと思うと、結構忙しいと思います。桃子が健の実家に滞在する時間は2時間・・3時間は取れないでしょうね。
もし、桃子が来て2,3時間で「じゃあ、お母さん、帰ります」とか言ったら、健のお母さんはかえって怒るんじゃないかという気がします 汗。


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