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「今さら知りたい男女7人」第76回 川崎球場(秋1話)

「今さら知りたい男女7人」今回は秋物語の出会いの地 川崎球場を取り上げます。

秋1話「再会」より。
ホットキャロットで飲んでいた女性陣3人は、美樹のところにかかってきた変な電話(職場の人から美樹の電話番合をもらっていた貞九郎が、良介と高木にけしかけられ電話をかけていた)の話しから、逆に貞九郎に電話をかけ合コンの話を持ち掛けます。
約束は野球場のレフトスタンド集合。しかし、大した男たちでなかったらバックレようと考えた女性陣はライトスタンドに陣取り、レフトスタンドの様子を伺います。

76-1 川崎球場レフトスタンド すでに到着している貞九郎
76-2 同じころライトスタンドに一枝が登場
76-3 すでにレフトスタンドを伺っている美樹とひかる
76-4 双眼鏡でレフトスタンドをみはじめる3人
76-5 レフトスタンドも男性陣がそろいます
76-6 ようやくライトスタンドの女性3人に気付く良介、高木、貞九郎
76-7 合コン相手はあの3人と察した男性陣はライトスタンドへ向かい・・

ここは「秋物語」のロケ地の中でも有名ですね、川崎球場です。
川崎球場は1952年にオープンし、主に太洋(現 横浜ベイスターズ)、ロッテ(現 千葉ロッテマリーンズ)がフランチャイズとしていた野球場です。

「秋物語」の頃はロッテがフランチャイズとしていた時代ですね。当時はパ・リーグも今のような人気はないし、個人的にも古い、ボロい、観客が少ないというイメージが強い球場ですね・・汗

1999年に実施された耐震検査の結果、スタンド部分が震度6程度の地震で倒壊の危険があるとされ、スタンド解体、球場は閉鎖となりました。
その後、フィールド、照明、内部練習場はそのままにし、内野付近にスタンドを新設し、あらたにアメフトや軟式野球での利用を主とする川崎富士見球技場として再スタートしています。

2015年からは富士通がネーミング権を取得したことにより、現在は富士通スタジアム川崎となっています(以上主にWiki情報)。

というわけで、すでに川崎球場は存在しませんが、まったく同じ位置に富士通スタジアム川崎があるということになります。

では、現在のロケ地です(撮影 2024年11月)。アメフトの試合中にお邪魔しました。

76-8

こちらはバックネット裏だそうです。

76-9

ざっくり感があって申し訳ないですが、こちらの方がレフトスタンド方面で良介、高木、貞九郎がいたことになります。

76-10

面影もないですが、こちらが当時のライトスタンド方面で美樹、ひかる、一枝がいたことになります。

76-11

元ライトスタンド辺りを寄りで・・・ それらしい雰囲気はあまりないですね。

76-12

ドラマではこちらからのカットはありませんが、3塁側後方からバックネット方面となるはずです。

76-13

スタジアムの近くにある照明のモニュメント。
長いこと球場を照らしていた照明は2023年に最後の一基が解体されたとのことで、それを記念したものとのことです。ということはこのロケもこの照明がスタジアムを照らしていたのかもしれません。

さて、画面上ではまるでロッテ VS 西武戦の最中のように見えますが、さすがにそんなことはなく別撮り。スタジアムにいた観客はすべてエキストラ。この撮影のために1600人集めたそうです。

こちらについては、プロデューサー武さんの本「たけさんのプロデューサー物語」にこのような記述があります。

プロ野球の試合中にドラマの撮影が行えるはずもなく、九月十九日、「ロッテ × 西武」戦のデーゲームのあとの夕方から川崎球場を借用するという段取りになった。

「たけさんのプロデューサー物語」86ページ

では、この秋1話にインサートされた試合はいつ行われたものなのでしょうか?
まず、スコアボードの西武とロッテの打順が映っているので、それとたけさんの著書にある9月19日の試合を照らし合わせてみます。

76-14 貞九郎の向こう側に西武の打順
76-15 美樹の向こう側にロッテの打順

ちょっとロッテの打順が見づらいと思いますので、下記に書いておきます。

実際の試合の打順は「日本プロ野球記録」サイトという1936年からのプロ野球の毎試合の記録が見れるサイトで調べてみました。

すると76-14、76-15に映っている打順は、1987年9月19日に行われたロッテVS西武戦終了時のものと一致するということがわかりました。

ドラマでは試合開始早々という演出ですが、表示されている打順はロケ直前に行われた試合の終了時のものがそのままということになります。
ちなみに、得点は1回の表裏しか入っていませんがよく見ると時計が21時半を指しており、こちらもおかしいですね。

76-16

では、インサートされた試合は9月19日のものなのでしょうか?・・・ 違うようです。

76-17

インサートされている試合、ロッテのピッチャーは左投げです。ところが9月19日の試合、記録によるとロッテのピッチャーは右投げの荘投手。そして荘投手は完投しているので、ここに映っているのは9月19日の試合ではありません。そもそもデーゲームだったので画がつながるとは思えません。

では、いつの試合なのでしょうか? 結論からいうと特定できませんでした。ただ、ここではないか? というのを紹介します。

ロケ翌日の9月20日も同じ西武戦があり、ロッテの先発村田投手はそのまま完投。村田投手は右投げなのでこの試合でもありません。
また、その後放送日までに川崎球場でのロッテ VS 西武戦はありません。

では、8月はどうか?
8月28~30日に西武との三連戦がありましたが、こちらは西武ライオンズ球場なので違います。

さらにさかのぼると、8月18~20日にも西武との三連戦があり、場所は川崎球場
こちら1戦目が村田投手、3戦目が荘投手といずれも完投しています。
ところが19日の先発は水谷投手。この水谷投手は左投げなんですね。なので、インサートされているのは8月19日のロッテ VS 西武戦・・・じゃないでしょうか?

76-18 バントをファウルする金森選手
76-19 ファウルを打つ伊東選手

ただ、インサートされている試合は、76-18と19の金森選手と伊東選手の打席がそれぞれほんのわずかしか流れていないので、これで試合を特定するにはスコアブックでも見たとしても・・・ という感じです。

ということで、秋1話のスタンドシーン 
ロケ地は旧 川崎球場
ロケ日は1987年9月19日の夕方から
スタンドの観客はすべてエキストラ
スコアボードは9月19日のデーゲーム終了時のもの
インサートされている試合はおそらく8月19日じゃないか・・・?

というところで以上です。
インサートされている試合については、もし特定情報があればコメントいただけるとうれしいです。

最後にマップを貼っておきます

旧 川崎球場 現 富士通スタジアム川崎は以前「今さら知りたい」69回、70回でご紹介した富士見公園の中にあります。
「秋物語」の実質的なスタートがここ川崎球場とするならば、「秋物語」は富士見公園で始まり、富士見公園で終わったと言えるわけです。ただ、そこは単なる偶然でしょうね?(演出的なものは感じないですし)。

今回はこの辺で。
こちらの連載は週一回金曜の夜か、土曜の朝に更新しています。よかったらまた見に来てください。では、では。

ご紹介
というか、ここにお立ち寄りの方ならもうご覧になっているかもしれませんが、プロドラマー・パーカッショニスト内田稔さんの公式チャンネルで、「『男女7人夏&秋物語』鷲崎•橋本と行くロケ地ツアー」という動画の公開がはじまりました。

全5回というボリューム 私も今公開されている第1回、2回は拝見させていただきましたが、内田さん、鷲崎さん、橋本さんの3人の会話が濃いんですね。未見の方はぜひ。

また、この「今さら知りたい男女7人」も動画内で取り上げていただいてます。ありがたや~ 




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