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「今さら知りたい男女7人」第64回 ビアホール後のお買い物(夏2話)

「今さら知りたい男女7人」今回は久しぶりに夏物語を取り上げます。

夏2話「接吻」より。
ビアホールで7人が初顔合わせをしたあと、家が近い良介と桃子は同じ駅で降ります。これ幸いとばかりに良介を荷物持ちにして買い物をはじめる桃子。

64-1 下から上がって来た2人 
良介「どっち?」 桃子「あっち」 良介「一緒や」と出口を背に左手に行く2人
64-2 「よかった、八百屋さん開いてた」と言い出すなり店に駆け込む桃子
64-3 八百屋で、キャベツ、ほうれん草、大根などを買います
64-4 良介「ぎょうさん買うたな」 桃子「だって1人のときだと持つの大変だから」
64-5 桃子「お豆腐くださいな」
64-6 豆腐を買ったあと「まだ買い物があるの」と薬局に入っていく桃子

以上のシーンのロケ地です。
まず、DVD特典制作ロケ地MAPによるとこちらは人形町となっています。

64-7 制作ロケ地MAP

64-1で地下鉄の出口から出てくるシーン、赤枠にご注目。

64-8 64-1わかりづらいですが人形町駅のようです

では、人形町のどこか? というところですが、

64-9  こちらも赤枠にご注目

こちらのカット 赤枠のところ「ばち英」と書かれているようです。ばち英さんの隣の八百屋さんに桃子が入っていったということになります。

次に豆腐を買うところ、桃子がフレームインする直前

64-10 64-5の直前のカット

豆腐屋さんの中から撮影していて、お店の対面に「ヒラマツ」という表記が見えます。
以上の情報をもとに人形町の当時の地図(※1)を調べたところ、こちらのロケ地は甘酒横丁ということがわかりました。
甘酒横丁とは人形町から明治座あたりまでの商店街で、明治の頃通りに尾張屋という甘酒屋さんがあったことでその呼び名がついたということです。

甘酒横丁商店会のHP

それぞれのお店の位置関係はこんな感じ。

64-11 当時の甘酒横丁(撮影に関わった所のみ)

買い物の流れですが、桃子はばち英さんの隣の八百屋「八百清商店」さんに行きます ①
次に豆腐を買いに行ったのが「ヒラマツ靴店」さん向かいの「双葉商店」さん ② その際、64-4で双葉商店さんの手前に映っているお店が「そばの東嶋屋」さんです。
最後の64-6の薬局(※2)が判然としませんが、この近くでとなると「大成堂薬局」さんではないか?と思います ③

つまり、桃子は行ったり来たりしているんですね。しかも桃子たちは甘酒横丁の交差点方向から来ている可能性が高いので(後述)、映像からはわかりませんがジグザグに動いて買い物していたことになります。

MAPを貼っておきます。

「吾妻橋ビヤホール」で飲んだ後、良介と桃子以外はタクシーに乗りますが、2人は吾妻橋を渡れば浅草駅はすぐ。人形町駅は浅草駅から数えてわずか4つ目ですから、電車で帰ったというのは自然で最寄り駅で降りてからの買い物というのが今回のシーンです。

では、現在のロケ地です(撮影 2024年7月 以下同)。

64-12 64-2と同じようなアングル(のつもり)
八百屋さんがあったところ
64-13 現在は鶏料理の専門店 鳥忠さん
64-14 64-4と同じようなアングル(のつもり)

こちら桃子が豆腐を買ったお店 双葉さん、そして画面でもその手前に映っているおそばの東嶋屋さん どちらも健在です。
とうふの双葉さんは老舗なんですね、創業明治40年だそうです。

とうふの双葉さんのHP

そして、双葉さんの対面のヒラマツさん

64-15 双葉商店の対面にあるヒラマツ靴店さん

そしておそらくここだろうという64-6の薬局 現在は焼肉のお店のようです。

64-16 かつての大成堂薬局さん 現在は伊達のくらという焼き肉屋さん

ところで、64-1の人形町駅の出口ですが特定できませんでした。
人形町駅は都営 浅草線と東京メトロ 日比谷線が乗り入れています。
2人は浅草線で帰ってきている(はず)ので、A3~A6の出口を利用したということになります。A1とA2は日比谷線でないと使えません。
A3〜A6で一番甘酒横丁に近い出口はA3です。

64-17 人形町A-3出口 
本来ならここから出てきたはずですが・・・

ただ、甘酒横丁に一番近い出口はA1です。なので撮影スタッフが「ここで撮ろう」とした可能性は大いにあります。

当時の人形町駅の出口がはっきりわかる画像があればいいのですが、探しきれませんでした。
また、64-1の画像を元に東京メトロさんにも問い合わせしてみましたが、「わかりかねます」という返事でした。まあ、そうですよねー
そこへもってきて、ここ数年A1はずっと工事中です。そういうこともあり特定をあきらめました。情報お持ちの方がいたら、コメント頂戴できればうれしいです。

以上です。
あれから35年以上経っているのに以前と同じお店が営業中というのもなんかうれしいですね。

今回はこの辺で。
こちらの連載は週一回金曜の夜か、土曜の朝に更新しています。よかったらまた見に来てください。では、では。

おまけ
このシーン、シナリオに駅の指定はないですが、小説版では降車駅が新宿線の浜町駅になっています。

浜町駅で下りると、良介も下りてきた。乗客は数少なくて、階段を上がっていると、桃子は良介と並んでしまった。

「男女七人夏物語」(上)76ページ

確かに良介のマンションに一番近い駅は浜町なんですが、浅草からだと浅草線東日本橋駅で降りて、新宿線の馬喰横山駅への乗り換えが発生するので、(まっすぐ人形町駅に向かいそこから歩くのと)おそらくトータルの時間は変わりません。
さらに付け加えると、新宿線利用の場合、桃子は浜町の次の森下の方が自宅に近いということになり、良介と一緒の駅で降りる必要がありません。
あと、よく調べていませんが、浜町の駅の周辺にそこまで商店がにぎわってる様子がないんですね。なので、鎌田さんがなぜわざわざ小説版で浜町にしたのか?ちょっと不思議で、これはテレビのスタッフが正解という感じがします。

※1 ゼンリン中央区 1987年昭和62年版

※2 こちらのお店は映像を見る限りでは、薬局か、雑貨屋かはっきりしませんが、シナリオには薬局という記載があるので薬局でロケしたと考えています。


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