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「今さら知りたい男女7人」第70回 銀杏並木②(秋11話)

「今さら知りたい男女7人」今回は「秋物語」ラストシーンを取り上げます。

秋11話「離さない」
良介は美樹に、桃子は健に最後の別れを告げてきた2人はアゼリアで合流し、チネチッタ前を通ったあと、銀杏並木にたどり着きます。

70-1 銀杏の並木道に来た2人
70-2 人通りない歩道

映像だともっとわかりやすいですが、2人の横を同じ方向に車が走っています。

70-3 ふと立ち止まり
70-4 桃子を抱きしめる良介
70-5 キスシーン
70-6 秋物語ラストカット

さて、「秋物語」ラストシーン。こちらも制作ロケ地MAPで富士見公園となっており、2人の横を車が行き交っているところから、前回(第69回)と同じ富士見公園と国道132号(富士見通り)が重なっているところがロケ地だと思います。

70-7 今回も登場 国道132号と富士見公園が交わっているところ

2人は傍らを走る車と同じ方向に歩いていることから、今回も川崎駅方面から東京湾方面へ向かう上り側の歩道か、その逆の下り側の歩道のどちらか?ということとなります。
しかし、今回はナイトシーンなので、影によってどちらかであるという特定はできません。
では、今回ロケ地を特定するにはどうしたらいいのでしょうか?

結論として、今回の特定については70-5の画像しかないと思います。70-5 2人の背景に建物が映っていますが、そのままではわかりにくいと思うので、画像に補正をかけてみます。

70-8 70-5を全体的に明度を上げてみました

すいません、後ろのビルを浮き出させる方法としては、もっといい処理があるかもしれませんが、私はPhotoshop使いではないのでご容赦ください。

明度を上げた画像により、2人の後ろには5階建てと思われるビルがあることがわかります。
次に、1987年当時この国道132号と富士見公園が交わるところにある施設を調べてみます(※1)。すると70-9のようになっていることがわかりました。

70-9 1987年当時のロケ地周辺の施設

当時の地図をもとに描いてるとはいえ、位置などが多少おおまかになっているのはご容赦ください。

さて、70-9の国道132号より上の方、体育館、プール、テニスコート、弓道場、相撲場と当時の画像など、ネット検索してみましたがいずれも5階建ての建物ではありません。

次に国道132号線の下の方、厳密には富士見公園の施設ではありませんが、隣接する建物として川崎市立労働会館があります。こちら開館したのが1981年ということで撮影当時にあった建物ですが、2023年に閉鎖され現在建て替え中です。
建て替え前のものがこちら。

70-10 旧 川崎市立労働会館

5階建てではあるようですが、窓の形等外観が異なりますのでこちらは違うと思います。

次に川崎競輪場内の建物中央門棟ですが、こちらは2階建ての建物なので違います。

70-11 川崎競輪場 中央門棟

ということで、消去法の形ですが、良介と桃子の2人の背景にある建物は川崎競輪場のメインスタンドということで間違いないと思います。

70-12 川崎競輪場メインスタンドの建物
70-13 反対側に回るとスタンド席

キスシーンの場所をもう少し詳しく見てみましょう。
明度を上げた70-8を見ると、国道132号から見たメインスタンドの右端(川崎駅寄り)が映っています。
そして、そこに街灯も映っているところから、下記の場所がそうではないか・・・? と思います。

70-14 キスシーンの場所と思われるところ

そして、この70-14を位置を変えてみたのが70-15になります。

70-15 キスシーンの場所 別の角度から

バス停は当時の地図を見る限り場所は変っていないようなので、2人の近くにあったはずですが・・・ もしちらっとでもバス停が映像に映っていてくれるともっとちゃんと場所が特定できそうに思います。

ということで、完全特定になっていないかもしれませんが、この記事では国道132号の上り側歩道を東京湾方面に向かい、競輪場前バス停付近が「秋物語」ラストシーンであるとしたいと思います。

Mapを貼っておきます。

今回はこの辺で。
こちらの連載は週一回金曜の夜か、土曜の朝に更新しています。よかったらまた見に来てください。では、では。


おまけ
前回、今回と「秋物語」の銀杏並木を取り上げました。
「男女7人」は「夏物語」、「秋物語」と季節をタイトルに入れているわりに季節感を強調した演出はほとんどありません。

たとえば「夏物語」に夏らしい食べ物、海や山などのレジャー、水着シーンなどがあったか? といえばないんですよね?
「秋物語」も同様で、後半に行くと演者の服装に冬感は出てくるものの演出とは言い難いものがあります。

したがって、前回(第69回)取り上げた銀杏並木は「夏物語」、「秋物語」通してめずらしく季節感のある演出だったと言えるでしょう。ちなみに、脚本では銀杏並木とは書かれてないので、あの銀杏並木での撮影は演出サイドの判断によるものかと思います。

だからというわけでもありませんが、2人が元の鞘に収まるという流れになったのに、どこか大丈夫かな? という不安感を快晴の秋空、真っ黄色の銀杏、風の強さなどで晩秋感で味付け(晴天や風の強さはたまたまとしても)がされている個人的に好きなシーンです。

ただ、今回のラストシーンについてはナイトシーンのせいか、そこら辺が弱いのが残念(銀杏並木でなくてもいい・・)というべきか、もうラストシーンなので2人が映っていればいいというべきか・・・ どうなんでしょうね?w

※1 参照 経済地図社 川崎区明細地図 昭和61年度




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