トレーナーで生きていく ・ 独立編 vol.２０
第20話「自分が売れんと思っとるモンを誰が買うねん？」
リョウ「そしたら話進めよか。とりあえずリスティング広告はオレに任しとけや。上手いこと作ったる。オレの設定とそんな変わらんからすぐできるわ。」
ユウタ「えっ、いいんですか！？」
リョウ「おおよ、今日の焼鳥おごれよ！」
ユウタ「は、はい！それでよければ！」
リョウ「ウソや。ここも奢ったるから沢山食べ。」
ユウタ「ありがとうございます！」
リョウ「まー、そんでや、リスティングの設定が終わって審査通ったら早速宣伝スタートや。クレジットカードの登録とスタートボタンはユウタ君が自分でやったらええ。安心やろ。」
ユウタ「本当にありがとうございます。オレはあと何をしたら良いですかね？」
リョウ「細かい設定は帰ってからやろ。パソコンないとやりにくいし。とりあえず、ここまででナンカ質問とかあるか？」
ユウタ「はぁ、そうですね。わかんない事だらけですけど、やっぱり1番疑問なのは、本当にあの値段で売れるかなって事ですね。。」
ユウタはリョウから10回で15万円のパーソナルトレーニングコースの販売を勧められている。
リョウ「売れんと思うの？」
ユウタ「まー、正直、、思います。。」
リョウ「そしたら売れんわな。」
ユウタ「そんな。。今更ですよ！」
リョウ「あんな、ユウタくん。ユウタくんのパーソナル売るんも、やるんもオレちゃうぞ。全部ユウタくんがやるんや。」
ユウタ「。。。は、はい。」
リョウ「キミが自信持って売れると思えんサービスを誰が買うねん？まず売れんわ。」
ユウタ「。。」
リョウ「売れんならどうしたら良い？売れると思ったらええねん。そこからや。」
ユウタ「ん〜、でもやっぱり高すぎると思うんですよ。せめて１レッスン５０００円くらいだったら売れると思うんですけど。。」
リョウ「おお、そうやな。5000円なら売れるやろ。せやけどええんか？何も変わらんぞ。宣伝方法変えただけや。」
ユウタ「んんん、そうですけど。」
リョウ「ユウタくん、キミ、本当は売りたくないんやな。」
ユウタ「いや、そんな事はないですよ。もし売れるんなら嬉しいですよ！もちろんです！」
リョウ「そうや、売れたいだけや。売りたいんやない。」
ユウタ「あ。。ど、どういう事ですか？」
リョウ「キミは売りたくないんよ。売ってもうたらその値段のサービスやらんなあかんもんな。その自信ないから、自分のサービスを詐欺みたいに思ってまうねん。そうやろ。」
ユウタ「んん、わかりません。そうなのかな。。」
リョウ「そうや、キミは自分の実力の無さをお客様の財布のせいにしとるねん。『お客様が５０００円しか出さないからボクはこのくらいの実力のままで良い』言うてな。」
ユウタ「そ、そんな！」
リョウ「自分でも気がつかんかったやろ。みんなそうやで。売れん事を人のせいにしとる。売る為の努力はせーへんで、売れる範囲でしか動かんねん。そんなモン売れんで当たり前や。」
ユウタ「。。。どうしたら良いですかね。。」
リョウ「簡単や。まず15万で売ると決める。売れると願う。15万に値するサービスを脳みそ焦げるまで考える。でもできん。ハジかく。反省する。また考える。またやる。ハジかく。反省するまた考える。そんなん繰り返しとったらいつかホンモンになるねん。それしかないわ。」
ユウタ「。。。」
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