トレーナーで生きていく ・ 独立編 vol.50
第50話「ユウタのパーソナルトレーニング。」
第1話はこちら
突然リョウにレッスンをする事になったユウタ。
リョウはマット1枚でレッスンをするよう要求する。
ユウタ(マット1枚か。。ま、何とかなるだろ。。)
ユウタはジムスタッフ時代にスタジオレッスンを5年以上経験している。マットトレーニングは慣れたモノだ。
ユウタはジム内のフリースペースにリョウを誘導してレッスンをスタートさせる。
マット1枚とインストラクションだけの60分間レッスンはジムの隅でひっそりと行われ、あっという間に筋トレパートが終わり残った時間でパートナーストレッチとなった。
ユウタとしては大満足の出来だった。これにはリョウも合格点を出すしかないと そう思っていた。
ユウタ「はい、リョウさんお疲れ様でした。それでは最後はストレッチで身体を伸ばしていきましょう。」
ドヤ顔でリョウを仰向けに寝かせ、パートナーストレッチに入るユウタにリョウがつぶやいた。
リョウ「スタジオレッスンやな。」
ユウタ「!!」
リョウ「ユウタくんがインストラクションできる事はわかったけど。」
リョウ「今のはパーソナルトレーニングやない。参加者1名のスタジオレッスンや。」
ユウタ「え、そ、そうすか?」
リョウ「おお、自分でもそう思うやろ?」
ユウタは正直のところリョウの言葉の意味が良くわからないでいた。
マンツーマンで筋トレの指導をしたのだ。コレがスタジオレッスンなわけはない。
少し不満げにリョウに問いかける。
ユウタ「あ、あの、どこがダメだったんですか?」
リョウ「いや、ダメとかやない。ユウタくんのインストラクションは上手やったで。」
ユウタ「。。」
リョウ「けど、今のはスタジオ行ったら誰でも無料で受けられるわな。」
ユウタ「あ、はい。。けどそれをマンツーマンでサービスするからそこに価値があるんじゃないですか?オレとしてはパーソナルトレーニングだと思いますが!」
ユウタは少し興奮気味でリョウに説いた。
リョウ「ラーメンはみんなで食うても1人で食うてもラーメンや。モノは変わらん。」
リョウも少し大きめの声で答えた。
屁理屈だ。冗談じゃない。ユウタは不貞腐れた。
気持ち良くレッスンを終えた後にイチャモンを付けられるのはトレーナーにとって嫌なモノだ。
リョウ「。。。」
リョウ「そしたら説明したるわ。今のレッスンな誰に向けてやったん?回数や強度、セット数は何で決めたん?」
ユウタ「。。」
リョウ「スラスラと流れるようなレッスンだけが良いレッスンやないぞ。パーソナルはな。」
ユウタ「。。」
リョウ「今のレッスンは一方通行過ぎるんや。スタジオレッスンならそれでもええがパーソナルはあかん。」
ユウタ「。。」
リョウ「スタジオインストラクターとパーソナルトレーナーの圧倒的な違いを君はまだ理解できとらん。」
ユウタ「。。」
ユウタは背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
リョウの言う事は全くその通りだった。
ユウタ「あ、はい、あの、そしたらどうしたら良いすかね?どうしたらパーソナルになるんすか?」
リョウ「おお、今から教えたるわ。せやからストレッチ長めにサービスしてや。あたた、、腿裏気持ちええー。」
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