トレーナーで生きていく ・ 独立編 vol.11
第11話「金は自分の為に入って来たんと違うぞ。」
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リョウは静かに話し始めた。
リョウ「あー、うちな、実家めちゃくちゃ貧乏やってん。オレ高校も行けてないんよ。小学生から新聞配達してな、ひと月にもらった給料は全部オカンに渡すねん。その中から毎月1000円だけお駄賃もらっとった。それがオレのコンフォートゾーンやったんよ。」
ユウタ「。。」
リョウ「せやけど最近じゃ新聞も読まれんなってな。15の時、新聞配達の仕事はお払い箱になってもーた。」
リョウ「そんな時、スポーツジムのアルバイトを見つけたんよ。清掃スタッフやったけど、高校出とらんでも雇ってくれたんや。」
ユウタ「良かったですね。」
リョウ「ああ、一生懸命働いたよ。会員のお客様には大きい声で挨拶してな。毎日楽しかったわ。」
ユウタ「。。」
リョウ「そんな時や、しばらく働いとったらな。フリーのトレーナーさんから声かけられたんよ。『君、声もガタイもデカイからトレーナーやったらどうや』言うてな。」
リョウ「当時のオレとしたら、とんでもない話やった。スポーツなんかやった事ないし、人にモノ教えるなんて恐れ多いと思っとった。何よりその時の環境や給料に満足しとった。トレーナーになって下手でもこいて今の生活失うんが怖かった。。要するにその時のオレはメンタルブロックでガチガチだったんよ。」
ユウタ「あ、なるほど。。」
リョウ「そうや、そやから声かけてくれたトレーナーさんにはお断りしたんや。『自分には無理です。』言うてな。」
リョウ「そしたら、そのトレーナーさんが言うねん。」
トレーナー「おれは、お前の為にだけ言うとんのんちゃう。このジムの為も思って言うとるんよ。」
トレーナー「このジムのスタッフもお客様もみんなお前ん事、認めとる。お前が誰よりもお客様や施設の事思って働いとる事に感謝しとるんや。だからお前がトレーナーになってもっとお客様の為になってもらいたいってみんな思っとるんよ。」
リョウ「その言葉聞いて、オレは涙出たよ。ほんまに嬉しかった。そんでわかったんよ。」
リョウ「オレは今まで、自分の事だけ考えとった。自分の生活を守る事しか考えてこんかった。けど、これからは自分の力を人の為に使ってみたらどうかって考えた。そしたら不思議なもんや。なんも怖なくなった。すぐに『トレーナーやらせてくれ』言うてジムの支配人に泣きながらお願い行ったわ。」
ユウタ「。。。」
リョウ「せやから、ユウタくんにもわかって欲しいんや。ユウタくんの収入がどんなに上がっても、自分の為だけに入って来たと思うのはやめー。上手くいかんなる。入って来た金は沢山の人幸せにする為に入って来たんや思え。そしたらどんなに入って来ても怖なくなるから。」
ユウタ「はい!」
リョウ「なんや、しめっぽうなったな。。腹へっとらんか?近くに美味い焼鳥屋あんねん。行かへん?呑みながら話し続けるわ。」
ユウタ「はい!」
リョウの話を聞いてユウタは心が楽になった。
自分の前に伸びている可能性という道がさらに遠くへ伸びていく。
そんな気になっていた。
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