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トレーナーで生きていく ・ 独立編 最終話

最終話「本当にやりたい事。」

第1話はこちら

ユウタがリョウに出会い、トレーナーとして独立してから半年が経った。

夏の暑さが残る9月半ば、久しぶりにリョウと食事をする為ユウタは中目黒の焼鳥屋に来ていた。

リョウ「久しぶりやな、元気やったか?」

ユウタ「はい、ご無沙汰してます。」

リョウとユウタはカウンターの奥の席に座っている。

店長「ほい、ビールお待ちど。ユウタくん久しぶりだな!」

ユウタ「あ、店長、ご無沙汰してます!」

店長「おお、今日もササミのコース沢山食っていってくれ。」

ユウタ「はい!」

リョウ「ほな、カンパイ!」

ユウタ「どうもです!」

2人はビールを半分ほど飲み干す。

リョウ「はー、夏のビールは最高やな!特に仕事終わりは格別や!」

ユウタ「ホントすね!」

リョウ「おお、ユウタくんは仕事も順調やしな!」

ユウタ「いや、まだまだすよ。。」

リョウ「。。。せやけど、オレの言う通りになったやろ。」

ユウタ「はい。」

リョウ「。。良かったな。」

ユウタ「いえ、まだまだコレからです。」

リョウ「そうやな。その通りや。」

ユウタ「。。。」

リョウ「そしたら、今はどんな目標がある?」

ユウタ「。。。実はそれがわからなくて。。」

リョウ「。。話してみい。今どんな感じや?」

ユウタ「はい、トレーニングのご予約は今、月に4から5本のペースで頂いてます。継続されるお客様も多いし期間契約で取らせてもらっているので月の売上は何とか100万円を超えられるようになりました。」

リョウ「セレブやん。」

店長「おい、ホントかよ!」

ユウタ「いや、茶化さないでくださいよ。オレにとっては確かに嬉しいすけど。。。」

リョウ「。。。なるほど、天井が見えたか。」

ユウタ「!!そ、そんな感じです!なんかお金とかじゃなくて、オレこのままで良いのかわかんなくなって。。」

リョウ「んー。。まだユウタくんにそのセリフは早いかも知らんけど。まー、先を見越して相談乗ったるわ。」

ユウタ「え、どういう意味すか?」

リョウ「天井見えて不安なんはわかるけどな。トレーナーは半年やそこらで先が見えるモンやない。ホンマはそのまま何年か悩んで自分で答えを探した方がホンマに自分がやりたい事が見つかったりするもんや。」

ユウタ「。。。」

リョウ「オレがまた道を作ったら、その先も収入上がってから悩むぞ。」

ユウタ「。。はい、確かに。」

リョウ「ほな、聞くけど。ユウタくんはどんなトレーナーになりたい?それともトレーナーと違う仕事に興味湧いたか?」

ユウタ「。。。うーん、いや少なくともトレーナーをやめたいとは思わないです。収入もやっと上がってきたし、できればこのままトレーナーで更にステップアップしたいです。」

リョウ「ステップアップってなんや?」

ユウタ「え?いや、それは。。何でしょ。。。。」

リョウ「。。。今は答え出さんでええよ。考えても今は出ん。ユウタくんに今必要なんは考える時間や。」

ユウタ「!!」

リョウ「自分でもそう思うんやろ。トレーナーは時間の切り売りする仕事や。忙しくなったら考える時間はなくなる。時間を作らんとあかん。」

ユウタ「うーん、でももう予約と移動でほとんど休みとかないんすよ。。。」

リョウ「ユウタくん、貯金はしとるか?」

ユウタ「え、あ、はい。。とりあえずお金使う時間ないから貯まったままです。」

リョウ「店作れ。移動の時間を無くすんや。」

ユウタ「え、店ですか?パーソナルトレーニングのスタジオって事ですか?」

リョウ「当たり前や。ラーメン屋作ってどうすんねん。決まりやな!」

ユウタ「え、え、そんな、ちょっと待ってくださいよ!」

リョウ「そうと決まればまずは場所から考えよか!」

東京中目黒の焼鳥屋で今夜も2人の青年が仕事の話で盛り上がる。

2人の未来はきっと明るい。

終わり

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