【教員】事務的なお仕事編
教員している(していた)と言うと、授業や担任業務についていろいろ聞かれがちです。しかし、一日に8時間勤務していたとして、実際の勤務は授業が2時間半ほど、担任指導が1時間半ほどで、残りの4時間ほどは事務仕事をしていたことが多いです。
つまり、私の教員業は、業務の半分、何なら半分以上が事務仕事だったのです。
今日は学校の先生のお仕事、事務編です。
1.履修科目の登録
高校には、進路指導課や生徒指導課といった様々な部署があります。その中で、私は教務課というところに属していました。
この教務課の中で大きな仕事だったのは、新入生や転入生の履修科目を登録するということです。もう少し、簡単にいうと、誰がどの科目を選択するか登録するということです。
例えば、高校生は、芸術科目は美術・音楽・書道などの中から1科目を選択する決まりがあります。私は、誰が美術を希望していて、誰が音楽を選択しているのかを整理し、入力する係でした。基本的に生徒の名前は学籍番号順で並んでいます。当たり前ですが、一つズレては大変なことになります。音楽を希望している人が美術になってしまったり、その逆が起こってしまったりするわけなので。
また、私が勤務していたのは通信制高校でしたので、既に全日制高校である程度の単位を揃えた生徒さんが転入で入るということも珍しくありませんでした。その場合、高校卒業のために必要な74単位に向けて、不足している数の単位を履修することになります。ただ、必須科目と選択科目があるので、ひたすら足りない単位数の授業を受ければ良いわけではありません。例えば、現代の国語や歴史総合といった必須科目はクリアしないと、どれだけ単位数を揃えていたとしても卒業が認められないことになるので、必須科目を中心に、本当に卒業ができる履修なのかを何度も確かめる必要があります。また、支援金等の関係で単位数によっては学費にも影響が出るので、学習指導要領と自治体の支援金の知識の両方が必要な業務でした。
一人一人の卒業がかかっているので特に熱の入る仕事でした。
2.時間割作成
タイトルの通りですが、時間割を組む仕事です。私は本当に苦手でした。1の履修科目の登録より苦手でした。
私の勤務していた学校は、繰り返しになりますが、通信制高校なので、基本的にはクラスがないのです。だから、3年生だからこの教室、2年生だからこの階と決まっているのではなく、各教室で各科目が受講されていて生徒がそこに足を運ぶのです。
ということで、時間割を組む際は、何の授業をどこの教室で展開するかも決めなければならないのです。
701教室で言語文化やって、、
あれ、701は既に地理総合で使ってた、、
じゃあ702で言語文化?
そうすると数学Aはどこにしよう?
みたいなことが脳内で頻繁に起きました。
また、
1年生が多い歴史総合を1/28の3限目に
あかん、そこに1年生が多い地理総合入れてた
歴史と地理で時間が被ってしまった
といったこともよく起きてしまい、作成には本当に時間がかかりました。時間割作成が絡むと残業が増えるイメージです。
情報処理力と数理的思考が求められると思うのですが、そのどちらもがない私は本当にポンコツでした。
この時間割作成は、私と同じく苦手という先生方が多かったですが、その中でも一番出来が悪かったのが私ではないでしょうか。
3.分納書の作成
各自治体によって、私立高校の学費を免除する動きがありますが、私が勤務していた時点では前払いで各ご家庭に全額負担していただき、年度末に自治体からの支援金をもって還付するという流れが通例でした。
とにかく、春に一年分の学費を全額ご負担いただかなければならなかったのですが、分納を希望されるご家庭もあります。一年間で3回払いを希望されたご家庭には、分納の請求書と納付書を送付しなければなりません。この仕事が私の仕事でした。
先方が希望する分納回数を確かめ、時期を間違えないように設定し、請求書・納付書を作成して郵便局に走って郵送する
お金が絡む話なのでとても神経をフル活動させる仕事でした。
4.中学校からの書類の確認
毎年、この時期になると、各中学校から受験志願者の願書や内申書などが届きます。ペーパーレスといわれる時代ですが、この業務は役所とも関わりがあるので書面が全てです。
書面に書かれていることに誤りはないか、隅から隅まで確認し、万が一不備があった場合は先方の中学校に差替えを依頼します。
5.おわりに
授業や生徒対応が全てと思われがちな高校教員ですが、こう振り返ってみると、我ながら事務業務が多いと思いました。
ただ、誤解を招きたくないのは、私は上記の事務も比較的好きでした。時間割作成など苦手はありましたが、普段が生徒や他の教職員と賑やかにしていることが多かったからこそ、一人で黙々と取り組む仕事にもやりがいを感じていました。