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教員の就活

就活らしい就活をしたことがあまりない私ですが、教員免許を取得して私立高校の教壇に立つ際にはエントリーや筆記試験、面接といった一通りの就活をしました。今日は教員の就活事情について書きたいと思います。

1.はじめに

まずはじめに明記しておきたいのですが、私は25歳の10月(20年)に通信制課程に入り、27歳の9月(22年)で中学高校の教員免許を取得しました。通信制大学で秋入学なので汎用性が低い事例の可能性もあります。ただ、私の場合、免許取得見込みが22年の9月末だったのですが、翌年度頭の23年4月採用で就活を行なっていました。春から夏にかけてに次年度の春採用での応募活動を行なっていたという意味では、新卒などの方と類似していると考えています。

2.教育実習と並行(6月)

3週間の教育実習に行ったのが、22年の6月のことです。私は、前述の通り、23年4月から勤務できる学校を探していました。そうすると、どうしても応募活動と実習期間が被ってしまいます。教育実習中は面接に赴く時間や余裕がないので、自動的に就職活動はストップします。私の場合は、実習中はとことん実習に集中をして良い意味で就活は先延ばしにしようと割り切っていましたが、そうはいっても就職活動が不明瞭な状態での実習には不安が増幅しました。就活がしたくなかったのと実習にやりがいを感じていたのとが重なり「実習よ、終わらないでくれ」という気持ちにもなりました。

3.求人がない!(6月)

22年6月中旬に教育実習も終わり、「さあ本格的に就活をしよう」と意気込みました。ただ、意気込んだものの求人があまりにもありませんでした。目星を付けていた私立高校のホームページを見て応募要項を見たり、教員採用に関する人材派遣会社に登録をしてみたりしましたが、23年4月から常勤でという求人は皆無でした。求人自体はありました。ただ、その求人は何かしらの事情で急に先生が足りなくなった学校の求人で「22年7月より」とか「22年2学期から週3日」といった短期間のパートのような求人でした。穴埋めの臨時の求人はあっても常勤の求人がないのです。
学校業界の求人について私が無知過ぎたことが悪かったのですが、学校の先生の求人は一般企業に比べると着任ギリギリに行われることが多いようです。だから、6月に応募を調べても7月からや9月からの求人しかなかったのです。逆に言えば、年が変わる1月ぐらいになれば4月からの常勤講師採用なども増えてくるのです。

4.合同説明会(5・6月)

今となっては、4月が近づけば4月スタートの常勤講師求人も増えると知っている私ですが、就活中は本当に無知だったので、仕事が見つからない&求人がないことに本当に焦りました。そこで、教育実習の前後に、大阪にて開催された合同説明会のようなものに参加しました。その会には西日本を中心とする多くの私立学校が出展します。各学校のブースが設けられて、そこでそれぞれの学校の説明を聞けたり、個別相談が受けられたり、あるいは一次面接が受けられたりしました。22歳くらいの大学4回生が多く来場していて、私もその自分より少し若い就活生とブースを回ったのですが、めぼしい成果はあげられませんでした。大学生が多いという来場者の中で、私は年齢も微妙に上でしたし(27歳)、学歴も経歴も特筆すべきものがありませんし、かなりの学校に履歴書を出して個別相談を受けましたが、2次選考までこぎつけられた学校はありませんでした。

5.運命的なネットでの出会い(7月)

成果の出なかった合同説明会ですが、参加したおかげで教員関係の人材派遣媒体が思いの外多く存在していることに気付けました。そこで、毎日毎日、求人がアップされていないかどうか、各媒体に目を配っていたところ通勤圏内の学校で23年4月から常勤という探していた求人を見つけることに成功しました。迷うことなくその学校にエントリーし、選考を進め、9月には最終選考にこぎつけることができました。

6.講師登録の試験(8月)

ネットで良い案件が見つかったとはいえ、採用してもらえるかどうかは分かりませんし、いろんなところを挑戦してみたいとも思っていました。さすがに教員採用の就活にも対応できてきた夏頃、講師登録の試験があることを知りました。各自治体には私学の連合会のようなものが存在しており、その連合会で講師の登録をしておけば、欠員が出た際などに求人を斡旋してもらえたり、各私学から募集の連絡がかかってきたりする仕組みになっています。そして、講師の登録自体は事務手続きですぐに完了するのですが、8月末頃に専門知識の実力のアピールができるペーパーテストが行われることになっており、そのテストで優秀な成績を出せば求職が有利になります。私は1ヶ月間、最も得意な日本史を詰め込みで勉強して8月末に、兵庫県私立中学高等学校連合会が主催する試験を受けました。結果は、見事玉砕でした。思っていた以上に専門的な知識を問う問題が多く、センター試験や共通テストレベルの知識では太刀打ちできませんでした。4段階で結果の評価が行われるのですが、私は下から2番目の評価でした。

7.まさかの好転(9月)

講師登録の試験もしくじったし、何がなんでもネットで見つけた学校の選考をクリアしないと、と追い詰められ、徹底的にホームページをチェックし学校の基本情報を頭に叩き込んで臨んだ最終面接にて私は手ごたえを掴むことができました。そして、内定をいただくことができました。さらに幸運だったのが、23年4月からの常勤講師を探していたのですが、22年の9月末で教員免許がとれるのであれば22年の10月から常勤で働きませんか?という打診をいただきました。そもそも求人と応募で悩んでいる私が、22年の9月で免許がとれてもそこまで都合よく10月から常勤で採用しますといってくれる学校と出会えるなんて思ってもいなかったので予想外の好転でした。そして、私は22年10月という予定より半年早いタイミングで、常勤講師になることに成功しました。

8後日談

こうして先生になれたのですが、年度末(1・2月頃)になると、様々な私立学校さんからお電話をいただくようになりました。学校さんは、8月末に受けた講師登録の受験者の名簿リストを見て電話をかけてこられたようでした。私は既に一学校の教職員の立場だったので、いただいたお電話にはお断りするしかなかったのですが、改めて学校の求人は入職時期のギリギリに行われるのだと感じました。また、これは真偽は不明ですが、講師登録の試験で結果も判定も悪かった私にまで求人のお電話がたくさんきたので、やはり学校現場は人手不足もあるのか、それともこの試験の結果・判定は目安程度なのか、といろいろと疑問が湧きました。

9.おわりに

今振り返ると、教員としての就活がそこまで大変だったという印象もないのですが、何より求人がギリギリのタイミングまで持ち越されることに不安が続きました。

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