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美容整形医連続昏睡強姦事件公判傍聴記・2024年10月22日(被告人:竹澤章一)

2024年10月22日

東京地裁刑事16部BCD係

429号法廷

事件番号:令和4年合(わ)第164号等

罪名:わいせつ略取、準強制性交等、準強制わいせつ、強制わいせつ、児童買春、児童ポルノ法違反、準強姦

被告人:竹澤章一

裁判長:青木美佳

書記官:長谷川萌


<法廷の風景>

9時38分には、8人ほどが法廷前に並んでおり、件の刑事事件を起こした傍聴人は、一番前に並んでいる。9時50分に入廷が許されるが、この時点では傍聴人は12人であった。

弁護人側の関係者席は2席指定されており、中年男性二人が座る。

検察官は、二人であった。ショートカットの吊り目で目が細い中年女性。もう一人は、丸顔で小柄、髪を後ろで束ねた中年女性。被害者参加代理人は、眼鏡で赤ら顔の中年男性、眼鏡をかけた30代ぐらいの男性であり、検察官の隣に座る。また、検察官席の後ろは、遮蔽措置が取られており、被害者がいるようであった。

裁判長は、髪を束ねた中年女性。裁判官は、眼鏡をかけた中年男性と、浅黒い痩せた髪の短い青年。9時54分に入廷する。裁判長は、「10時開廷の予定です。開廷まで少しお待ちください」とアナウンスをする。

被告人は、頭を丸坊主にしており、髭がなく、がっしり、ずんぐりとした体格の中年男性である。特に黒くもない、普通の肌であった。目は細めである。やつれた感じであり、どことなく覇気がない。黒いスーツジャケット、ノーネクタイの白いワイシャツ、紺色の長ズボン、青いサンダルという恰好である。前を向いて入廷。被告席に座ってからは、膝で握りこぶしを作り、前を向いて座っている。開廷前は身じろぎせず、ずっと前を見ていた。

弁護人は、髪を七三分けにした顎が長めの中年男性と、髪をセンター分けにした丸顔の中年男性。

裁判長は、開廷前、被告人の席について、弁護人に何か言っていた。

10時より、竹澤章一被告人の公判は開廷した。


裁判長『よろしい、開廷します。前回に続いて審理を行います。本日は、被告人質問。弁護人から、乙号証の関係で、留保されていた部分含め、書面をいただいた。乙62~80号証、その通り』

弁護人『はい』

乙62~80号証を、同意書証として調べることとなる。


<要旨の告知>

*乙62~67号、Dさん事件の被告人供述。本件犯行について、あとから見て、自慰行為をするため、撮影に及んだ。被害者の年齢知っていた。その動画を見ると、泣いて苦しんでいるのは解るけど、何故泣いて苦しむ子に性的な暴行を加えたか、当時の気持ちは覚えていない。

*乙68~71号証は、Qさん事件の調書。認める内容。避妊薬飲んでいるとわかり、膣内に射精した。被害者が麻酔で寝ているのは解っていたけど、顔にタオルをかけていたのは、念のため顔見られないようにした。また、この日は休院日だったが、二人きりになるために、施術室開けるという誘いかけを被害者にした。

*乙72~74号証、Rさんへの犯行を認める。犯行を認めたうえで、麻酔で寝ている患者であれば、体を好きにしても本人には解らない。

*乙75~78号証、Sさんの供述調書。カルテで被害者の年齢を知っていた。自分の性対象は10歳以上である。

*乙79~80号証、最後の犯行を認める内容。犯行について、きちんと詳しい事まで覚えていない。自分のやったことに違いない。当時から私は睡眠薬やお酒を使い、暴行していた。本件もやっている。睡眠薬、処置してもらい、手に入れていた。自分で服用し寝るためと、暴行のため。犯行のきっかけ、次のように述べる。私は15年位前から、女性に睡眠薬を摂取させたりお酒を飲ませて、性交してきた。誰かに教えてもらったことはなく、自分で思いついた。当時の心境は、昔のことなので解らない。人数は、50人くらいいると思う。


被告人は、目を閉じて、朗読を聞いていた。乙号証は提出される。

弁護人は、乙11~15号証について、検討中。本日は留保する。

裁判長『被告人質問』

弁護人『はい』

裁判長『検察官、よろしいですか』

検察官『はい』

裁判長『弁護人の立証について、把握しておくことはあるか』

弁護人『特にありません』

裁判長『では、これから被告人質問を行います。被告人、証言台の椅子に移動してください』

被告人『はい』

裁判長『座って』

被告人『はい』

被告人は、証言台の椅子に座る。

裁判長『話を聞く』

被告人『はい』

裁判長『黙秘権ある。答えたくないなら答えなくていい。答えたら、有利不利を問わず証拠になる』

被告人『はい』

裁判長『理解していますか』

被告人『はい!』

裁判長『弁護人から質問がある。よく聞いて』

被告人『はい!』

裁判長『答えるなら、質問が終わってからはっきり答えて』

被告人『はい!』

七三分けの弁護人である、上野弁護人が被告人質問に立つ。

被告人は、大きな声で質問に答え、都合の悪いことも認めているように思えた。しかし、やや発音がはっきりしないこともあった。


<上野弁護人の被告人質問>

弁護人『上野から質問します。まず、竹澤さん自身のことを聞きます』

被告人『はい』

弁護人『ご出身は』

被告人『福井県福井市です』

弁護人『学歴は』

被告人『川崎医科大学付属高校を出て、その後、川崎学院医科大学を出ました!』

弁護人『本件当時の職は』

被告人『職業は医者でございます!』

弁護人『病院の名前は出さなくていいですが』

被告人『はい』

弁護人『働いたのは』

被告人『そうですね、元々は、初期研修を行いまして、初期研修終わった後、整形外科でまして、八つぐらいの病院を10年間回っておりました!』

弁護人『専門は何になる』

被告人『美容外科でございます!』

弁護人『美容外科』

被告人『はい!』

弁護人『美容外科として10年ぐらい働く』

被告人『はい!』

弁護人『医者を目指したのは』

被告人『医者を目指したのは中学の時です!』

弁護人『目指した理由は』

被告人『ま、父親が歯科医だったんですけど、父親が働いている姿を見て、いいなあと思ったので、目指しました!』

弁護人『何がいいと思った』

被告人『人を救っているのがいいなと思ったんです』

弁護人『人を救っているのが』

被告人『はい』

弁護人『こうやって医者になっているが』

被告人『はい』

弁護人『目指す医師になれたか』

被告人『いや、今は、なれていないと思います!』

弁護人『医師免許あるか』

被告人『あります』

弁護人『今後どうなる』

被告人『医療審議会が開かれて、処分、医師免許はく奪になります』

弁護人『免許はく奪は認識している』

被告人『はい』

弁護人『どう思う』

被告人『はい、その通りだと思います』

弁護人『不服申し立て』

被告人『ありません』

弁護人『今後、医師やらない』

被告人『そうです!』

弁護人『少し事件について聞きます』

被告人『はい!』

弁護人『先ほど、乙号証』

被告人『はい』

弁護人『内容についての認識、調書のとおり』

被告人『はい!』

弁護人『いくつも事件ある』

被告人『はい』

弁護人『最初に、酒飲ませ』

被告人『はい』

弁護人『性交したのがきっかけは』

被告人『きっかけは、酔っぱらった女性が、抵抗できない状態になったので、それに興奮して、性行為を行いました。それがきっかけです』

弁護人『その後、同じこと続く』

被告人『はい』

弁護人『最初の出来事から』

被告人『はい』

弁護人『続いて』

被告人『はい』

弁護人『連続的に行う』

被告人『連続的に行ったんですけど、彼女ができたら暫く空いてました』

弁護人『どのくらい』

被告人『大体7~8年から9年ぐらいです』

弁護人『その間彼女いたからしない』

被告人『はい!』

弁護人『再開は理由は』

被告人『まあ、彼女と仲が悪くなって、それで、(聞き取れず)精神的に病んで、まあ、マイスリーとかデパスとかそういうのを飲み始めて、で、それでまた、やり始めてしまいました』

弁護人『マイスリー、デパス、それらは何の薬か』

被告人『ま、向、ま、睡眠薬です』

弁護人『何に効きますか』

被告人『まあ、あの、不安覚えた時や睡眠したい時に飲む薬です』

弁護人『犯行をやる』

被告人『はい』

弁護人『罪悪感は』

被告人『その当時はありませんでした!』

弁護人『今は』

被告人『現在は、罪悪感が非常にあります!』

弁護人『なぜ』

被告人『こうやってつかまって、毎日、あの、時間がたつだけで、考えて、何という酷い事をしたんだなあと毎日思っています』

弁護人『眠っている女性に対する性的嗜好ある』

被告人『あります!』

弁護人『認識はいつですか』

被告人『捕まって、刑事さんと色々話をしているうちに、眠った女性、眠っている女性に性行為をしている事を、話をしているうちに、そういうことが好きなんだなと、再確認した次第です』

弁護人『話は』

被告人『刑事さんは、まあ、貴方は寝ている女性に興味があるんじゃないですか、とはっきり言われました。まあ、その時は、そうだなと、思いました』

弁護人『自分の性癖は』

被告人『性癖は、まあいわゆる、眠って抵抗できない女性に性行為するという、嗜好があると思います』

弁護人『嗜好にとどまるか、病的か』

被告人『病的なものだと思っています』

弁護人『何故』

被告人『まあ、普通の状態じゃない、普通の嗜好で止まるのは、ビデオとか見て終わりますが、実際に何人も女性を性交してきたことがあるので、これは病的なものだと思います』

弁護人『治療すること考える』

被告人『はい!』

弁護人『どう考える』

被告人『例えば性欲をなくす治療をしたりとか、所謂その、眠った女性が好きということを、カウンセリングでなくせる、治療していくことを考えています』

弁護人『アクション』

被告人『まあ、ソメックという会社に、診断治療をしているところでございます』

弁護人『具体的に、日程とか、医者に会うことはある』

被告人『はい!』

弁護人『いつあう』

被告人『来月ぐらいに会う予定です』

弁護人『治療すれば変わると思うか』

被告人『変わる、変えたいです!』

弁護人『今後、刑務所に行く』

被告人『はい!』

弁護人『出た後、治療続ける』

被告人『勿論です!』

弁護人『どう』

被告人『その、ソメックで治療をして、性欲をなくす、また、嗜好をなくす努力をしていきたいと思います』

弁護人『示談しようとしている』

被告人『はい』

弁護人『被害者の方々と示談する』

被告人『はい』

弁護人『何故ですか』

被告人『非常に、被害者にとって、つらい思いをさせてしまったので、それについて、改めて謝罪したいという気持ち』

弁護人『示談金の原資は』

被告人『はい』

弁護人『どこから来ていますか』

被告人『二年前に私の母親が亡くなったので、その遺産を使っています』

弁護人『遺産を継いだということ』

被告人『はい』

弁護人『お母さんの遺産使い感じた思いは』

被告人『まあ、(聞き取れず)としては!(聞き取れず)と言いましょうか、ダメな息子だなあと思います』

弁護人『母へ気持ちは』

被告人『申し訳ない気持ちです』

弁護人『まだ示談成立してない人いる』

被告人『はい』

弁護人『どうする』

被告人『示談を進めていきたいと思います』

弁護人『お金払う意思ある』

被告人『はい』

弁護人『私からは以上です』


10時18分に終わった。

続いて、ショートカットの女性検察官が被告人質問に立つ。

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