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読書離れと言われる時代に本を読む理由

月に1冊も本を読まない人が6割超に上ることが、文化庁が17日に公表した2023年度の「国語に関する世論調査」で判明した。

Yahoo!ニュース

どうやら本を読まない人が増えているらしい。

しかし、私は2024年に入って60冊以上の本を読んでいる。振り返ってみると少なくとも月に5冊、一番多い月で10冊読んでいることが分かった。ちなみに去年は1冊も本を読んでいない。読書離れといわれる昨今と反対の動きをしているのが私だ。

この記事では、なぜ読書離れと言われる時代に私が本を読むようになったのか、本を楽しむ理由について語っていく。

なぜ人は本を読まなくなったのか

この問いに関しては、三宅香帆さんの著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』に私が納得できる一文があった。

読書とはノイズである

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

インターネットが発達した現代では、気になることがあればすぐに検索し、答えを知ることができる。読書によって得られる知識は多いが、必要なものだけを知る手段としては、非常に効率が悪い。知りたい答え以外は全てノイズといってもおかしくないだろう。

つまり、そのノイズを楽しめるかどうかが本を読む人と読まない人を分けるのではないだろうか。

私がノイズを楽しむ理由

去年1冊も本を読まなかった私が、なぜ読書するようになったのか、ノイズを楽しむようになったのか、いくつかの理由を紹介していく。

少しでも「本って」いいなと思ってもらえたら嬉しい。

ノイズは他のノイズを消してくれる

私がノイズを楽しむ最大の理由はこれだ。私は頭の中でよく喋る人間である。意味のあることから意味のないことまで、ずっと頭を動かしている。おかげで常にノイズで頭がパンパンだ。

さらに、ネガティブ思考が強く、仕事やプライベートなどモヤモヤした気持ちや将来への不安事などぐるぐる考えてしまう癖がある。考えたところで良い方向に進むわけではないのだが、気づいたら1人で考え込んでしまう。そういう人は多いのではないだろうか。

そんなとき、本のノイズはちょうどいい。私の頭の中にあるぐちゃぐちゃしたノイズを本のノイズが上書きしてくれる。

本のノイズは上質なノイズだから

本のノイズは私の頭のノイズよりずっとずっと価値がある。学校では教えてくれない話や目を丸くするような真実、思わずため息の出る表現や額縁に入れて飾りたいほどの言葉選び、心躍るオノマトペなど、ノイズといっても全く不快ではない。むしろ心地いいのだ。

ちなみに、本棚に並べられた本のタイトルを端から読んでいくだけでも、心地の良いノイズが入ってくる。正直ノイズと表現するのは著者の方々に失礼だと思うが、私にとって本のノイズは生活をする上で非常に大きな支えとなっている。

「本のノイズ=心の薬」と言い換えてもいいし、「本のノイズ=お守り」と言い換えてもいい。

どこに行くにも1冊は本を持っていかないと落ち着かない。

なぜ"本"のノイズが良いのか

本に限らずノイズの多いものはたくさんある。ぱっと思いつくのは映画だ。ファスト映画が流行ったように、短時間でストーリーと結末を知りたいという人は多い。そういう人にとって、2時間の映画ほとんどがノイズである。ノイズを摂取するのであれば、本ではなく映画でもいいのではないか。そう思えるが、実は本ではなければいけない理由がある。

映画は両手が塞がらない

家で映画を見るとき、両手がどうしても開いてしまうのだ。両手が開いてしまうと無意識にスマホを触ってしまう。そういう人は多いだろう。現代人がスマホから手を放すのはかなり難しい。SNSを開いて、閉じたと思ったら1秒後にまた開いている。そんなことも多い。映画のノイズを摂取しているのに、スマホからもノイズを摂取することになってしまう。

2種類のノイズが混ざり合うと、ぐちゃぐちゃしたノイズ同士が絡まり合い頭がパンクする。映画の世界に入り込むことができず、上質なノイズを摂取できないのだ。上質なノイズを摂取するには、両手を塞いでしまうのが一番良い。だから私は本のノイズを好んでいるのだ。

ちなみに映画館で映画を見るのは好きである。大学時代は1日に3本見ることもあった。スマホを触ることができないだけでなく、大画面かつ整った音響で思う存分映画に集中できる。ただ現在住む地域は上映映画のレパートリーが少ない。そのため、映画館に行くよりもNetflixで映画を見ることが増えた。

好きなタイミングで止められる

本を読んでいて「これは良い表現だ!!」「良すぎる!何だこれ!!」となった時、一旦、本から目を離して頭をぐるぐるさせ噛み締めることがある。自分のペースで読み進められ、ノイズを摂取できるのはとても良い。これは、映画ではなかなかできない。「この文章好きだ!」と思ったら何度でも読み返せる。付箋を貼っておけば、いつでもパッと開いて読むことができる。本の素晴らしいところだ。

頭の中で喋る人こそ本を読んでほしい

読書から得られる本のノイズは、すでに頭の中にあるノイズより、はるかに上質なノイズである。

どうやら世界には、頭の中で喋る人間とそうでない人間がいるらしい。私のように頭の中で喋っている声をノイズと考えている人がどのぐらいいるのかは分からない。しかし、頭の中の独り言は「チャッター」や「セルフトーク」とも呼ばれ、危険性について書いた本も存在する。理由として、頭の中の独り言はポジティブな出来事の時ではなく、ネガティブな出来事の時に大きく騒がしくなる傾向にあるため、あまり良くないということらしい。正直その本を読んでいないので細かいことは分からない。

しかし、自分を振り返ってみると、確かに人から怒られた悲しみや苛立ち、うまく行くかどうか分からない不安や心配などネガティブなことを頭のなかでぐるぐる考えていることが多い。しかも、無駄に考えることによって、また怒られる光景を思い浮かべてしまったり失敗する想定で物事を考えてしまったり、どんどんネガティブな方向へと進んでしまう。私と同じような人は多いのではないだろうか。

そんな時は、一旦、本を読んで上質なノイズを摂取してほしい。不要なノイズを上質なノイズで上書きする読書という行為はとても良い。


最後に、本を紹介しようと思ったが、すぐに読めるわけではないので、私が一番好きなnoteを貼っておく。

記事を指定できないほどどの記事も良い。とりあえず読んでほしい。

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