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【中国ボクシング界事情に迫る!】2024.9.21 WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE vol.23 FIGHT WEEK🇯🇵🇨🇳


ボクシングが禁止されていたって本当?中国ボクシング界の歴史の話。

ー今回は中国サイドのプロモーターである、新日本木村プロモーションの田さんにお話をお伺いしました!よろしくお願いいたします!

よろしくお願いいたします。

ー早速ですが…!中国ではボクシング自体禁止されていたというお話は本当ですか?!

本当です。1959年から1982年まで"暴力的"というイメージでボクシング自体禁止されていました。

ーそんなイメージが定着していたんですね…。なぜまた解禁に?

1980年代に国全体で国際競技への参加が増加し、その影響で1986年にボクシングが再び解禁されました。プロボクシングは、1995年に初めて試合が行われました。

ー国家主席の習近平さんが"ボクシング好き"だからという理由でボクシングが解禁されたというお話を聞いたのですが…それは本当ですか?

国家主席の個人の好き嫌いではなく、中国のスポーツ政策の一環として解禁されたと考えられています。習近平国家主席は2008年の北京オリンピックの時に副主席としてスポーツ業界の総監督を務めていて、スポーツ全般に強い関心を持っている方だと思っています。

ー「全体的にスポーツ業界を盛り上げていこう」という政策の中の1つの出来事だったんですね!

そうですね。北京オリンピックの時は大きな功績を残せたので、「それ以上に"スポーツ強国"として発展させていきたい」と習近平国家主席ご本人もよく話されています。

ー今年のパリ五輪も中国選手が活躍されていましたよね!

そうですね。中国はプロスポーツよりはオリンピックのようなアマチュアスポーツに力を入れているので活躍していた選手が多かったです。

ースポーツという観点でどの国のことも追い抜きたいという意識が高まっているんですか?

経済発展については、中国も高度成長してきたんですが、スポーツだけの面でいうと正直成長していないんです。
中国では"運動員"という職務があって、市や県のチームに入れたらお給料が発生するシステムなんです。自分の地元を代表して戦うんですが、日本人でいう"公務員"のイメージですね。そういうシステムなので、アマチュアスポーツが発達していますね。

ー運動員というシステムが日本の自衛隊体育学校に似ているなと聞いていて思いました…!プロスポーツはあまり発展していないんですか?

いや、そういうわけではないんですよね。例えばサッカーやバスケットボールなどメジャーなスポーツは発展してきています。中国では、"国のチーム"として動くので日本でいう"アマチュア選手"という分かりやすいカテゴリーがないかもしれません。
国のチームには級があって、3級運動員・2級運動員・1級運動員みたいな形で級が上がってくるとお給料も上がっていきます。

ーランクが一番上まで上がっていくと年収はどう変わってくるんですか?

スポーツにもよるんですけど、ボクシングは県のトップにいくことができれば20万円ほどもらえます。国のトップにいくことができれば倍になる聞きました。国の力でキューバなど強国のトレーナーを呼んでくれるので、待遇が良いなと感じますね。

ーええ!全部国からサポートされているんですか?

はい。国の経費で環境の整備がされています。国のトップになるとメディアの露出も高くて、宣伝の頻度も高いですね。バックアップが強いことが日本との違いかなと思います。

ー国のチームに入ることがスターへの道ということですか?

そうですね。まず国のチームに選ばれなければスタートしないですね。
国のチームに選ばれて、新華社通信・人民日報・CCTVなどの中国のメディアで報道されると、一晩で有名になれます。

ーまず14億人の中から選ばれること自体凄いことですもんね…!

市や県など34に分かれている中国。ボクシングが盛んな地区はどこ!?


ー先程から色々な州でボクシングが行われているとのお話もありましたが、ボクシングが盛んな州はどこですか?

中国は、34の省や区などに分かれていて、地域によって盛んなエリアが違いますね。選手については、北部と南部に分かれて階級に違いがあります。例えば重量級の選手は北部。軽量級の選手は南部など…。
プロボクシングは、特に経済と繋がっているので沿岸部、広東州、上海北京などの発展部が盛んですね。厦門や広州とかの大きな都市では、WBC・WBOの大会が開催されました。

ー大きな大会も開催されているんですね!地域全体がボクシングに興味がないと試合の集客が難しくないですか?

試合となると海外との連携が多いので、経済が発展している沿岸部で開催することが多いです。
沿岸部の人はボクシング好きが多くて、選手がチケットを売るというよりスポンサーが中心となってお金を集めているということが日本と違う部分なのかなと思います。最近の試合では、日本人の中井龍選手(角海老)も試合しましたよ!

中国で最も人気のある選手は!?


ー最も注目されている中国ボクシング選手は誰になるんですか?

ヘビー級の張志磊(チャン・ツィーレイ)選手ですね。
40代でありながらWBO暫定王者として世界的に活躍していますね。

ーヘビー級でアジア人が戦っているというのは今までだったら考えられなかったですし、日本でもかなり話題になりましたよね。ヘビー級ということは、北部出身ですか?

張選手は、中部出身ですね。少林寺で有名がエリアの隣が地元です。
張選手の試合は国内で盛り上がっています。中国初のペーパービューも行って、歴史的な数字をつくったという話を聞きました。

ー大きな影響を与えているんですね。中国だとどのような特徴があると人気が出やすいんでしょうか?

運動員のボクサーがプロに転向すれば"ボクシング"自体がもっと人気になるんじゃないかなと思っています。あとは、UFCやONE Championshipなど格闘技のTVが毎週放送されていて、流行し始めています。タレント性の高い選手の露出が多くなってきますね。

ボクシング人気に火をつけたきっかけは日本のリメイク映画?


ー日本で上映されていた「100円の恋」のボクシング映画が中国でリメイクされたことがきっかけでボクシング人気が出ているのは本当ですか?

「YOLO 百元の恋」ですね。公開前後はボクシングの話で持ちきりでした。都心部だけではなく、農村部など全体的に人気がでたみたいです。

ー具体的にどのような影響が出たんですか?

興行収入は、420億円*だと報道されていました!あとは、この映画の主人公が女性ボクサーの役だったので、「女性 ボクシング」の検索件数が400%も増加していました。

*9月8日時点の日本の興行収入ランキング1位は劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の404.3億円

出典:映画.com

ー女性のボクシング人気に繋がったんですね!

そうですね。ジムの入会の問い合わせが増えて、女性選手も増えました。
私はプロモーターの立場なので、中国のジムから「女性ボクサーを出場させることはできますか?」という問い合わせも多くなりましたね。

「教える」ことから始まるプロボクシング選手のライフスタイルの話。

ー男子、女子に関わらず、選手数は増加傾向にあるんですか?

中国は女性ボクシングが強いんですよ。パリ五輪でも女子ボクシングで5個のメダルをとっていました。

ーなぜ女性選手が強いんでしょうか…?

戦略的にいうと女性ボクシングに力を入れている国は少ないので、そこに力を入れると上位に上がれると感じています。中国は戦略的に他の国の傾向なども見ながら進めていると思っています。あとは、元々中国人の女性は気が強いのも特徴だと思います。

ーそういう戦略もあるんですね。そのような戦略に向けて練習整備を整えているんですか?

競技人口を増やしたいため、北京や上海などの主要都市ではジムを増やしています。国際的にも有名なトレーナーが中国にきて、育成に関わっていることで中国選手の環境が整備されていること感じています。

ー例えば、農村部でも「ボクシングを始めたい!」と思ったら始められるものなんですか?

農村部などは環境が整っていないかもしれないですが、近い都市には必ず大きいジムが1つはあるのでそこに通う感じですかね。北部もあまり環境が整っていないですが、大連、北京にジムが集まっているので、北部の人はわざわざそこまで行っています。

ージムから離れた場所にご実家がある場合は、どのようなライフスタイルなんでしょうか?

実家から出て、ボクシングをすることを決めた人は基本的にボクシングジムでトレーナーとして働いています。

ーそうなんですね!トレーナーで生計が立てられているということですよね?

中国の経済面は計算的なので、ボクシングジムの月謝が日本と比べて高くすることで生計が立っているんだと思います。
日本ではボクサーはボクシングに集中するというスタイルですが、中国では会員さんにボクシングを教えることが上手になったら、プロデビューにやっと進めるんですよ。

ーええ!教えることが一人前になってからという流れなんですね!

教えることが上手になるとジムの集客にも繋がるので、ビジネスの面でそういう部分をよく見ているんだと思います。

ービジネスの観点で大きな違いがありますね!

世界的にもっと広げていきたい。中国ボクシング界の将来の話。


ー中国側のプロモーターとして、ボクシング界の未来をどう描いていらっしゃいますか?

今後は中国各地で国際的な大会ができればと思っています。中国選手が世界タイトルを狙える環境を整えることが目標ですね。それに加えて興行やファンの拡大についても動いていきたいと思っています。
まずは日本と中国で友好的に興行を行うことで、選手たちが強くなって、一緒にアジアのボクシングを盛り上げて行ければと思っています。

★U-NEXTでの視聴はこちらから

9月21日(土)17時20分配信開始
                        17時30分試合開始
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000006235

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