講師として大切にしていること
先日、3回に分けて、ビルメンテナンス会社さんのスタッフさん向けのマナー研修を担当させていただきました。毎年、6月は広島本社に勤務、所属されている方を、11月は、東広島、福山、岡山の支店に所属、勤務されている方の研修を担当させていただいています。
担当させていただくようになって今年で3年目です。別のビルメンテナンス会社の方からのご紹介で、研修を担当させていただくことになりました。
テーマは毎年変えています。今回のテーマはクレーム対応です。
クレームが頻繁に起きているわけではなく、むしろ対応を経験していない方がほとんど。
だからこそ、不要なクレームを発生させないために、心がけておくことや、対応力を磨いておくことは大切です。
「研修の中で、追い込まれたらどのような対応をしてしまうのか?」という、自分自身の傾向を知るチェックリストを行っています。
皆さん関心が高いようで、このチェックリストを行うあたりから、会場の雰囲気や取り組まれる意欲がさらに高まってきます。
一般的なことより、自分はどうなんだろう?
と思うことが、自分事と捉えるには大切です。
実習やワークは、受講生を研修に巻き込んで行くために効果的ですが、何のために行っているのかが不明確なまま取り入れられていることが、少なくありません。
取り組んでいて楽しいけど、これって何のため?と疑問に感じるようなワークは、続けば続くほど気持ちは冷めていきます。
アイスブレイクについて、どのような内容が効果的か、よく議論されます。私は、長年お付き合いのあるお客様の研修を担当しているので、研修の冒頭でアイスブレイクは行いません。
勤務時間中に研修を受講してくださることも多いので、貴重な時間をいただいていることに感謝し、さっさと本題に入ります。
最初に行う簡単なワークは、受講してくださる方の現状把握のために行っています。
ワークの様子を見て、内容の順番を変えたり、別のワークを加えたりしながら研修を進めていきます。
従って、ワークは説明に時間がかかったり、複雑なものではなく、短い説明で内容が理解でき、取り組みやすいものをストックしていますし、その場で作って行う場合もあります。
ちなみに講師紹介も、最初に詳しく行いません。紹介していただく場合も、短めでお願いしています。
最初の自己紹介は、集中して聞けないし、研修が始まると忘れられます。
それより、安心して研修が、受けられそう!と思ってもらえる問いかけや一言の方が大事です。
具体的な経歴は、必要であれば、研修内容に絡めて紹介しています。
そうすると、休憩時間などに、いろいろ質問されます。知りたいと思ってもらうタイミングを大切にしています。
セミナーと企業研修の違いを、わかっているようでわかっていない方が多いなと思います。
企業研修は、どこまで受講者の変容を促せるか、持ち帰って取り組んでもらえるかの見極めが大事。
安心して迷いなく取り組めたから、結果的に研修がよかった、また受けたい、またあの講師の研修をになります。
セミナーは、自分から受けたいと思って申し込む方が中心。事前にどのような内容か、どのような講師かは、それぞれが調べて参加されている場合が多いです。2時間程度のセミナーの場合、すでに知っている内容を話したり、実績を延々と語られると、早く本題に入ってほいしのに。と思う方もいます。素早く本題に入って、質疑応答の時間をしっかり取ったほうが、受講者にとっては、お得感があります。
研修とセミナー、どちらも、ギリギリまで資料を作り込んでいると、研修を進めることで精一杯になり、受講者のちょっとした変化や反応にも気付けません。オンラインもリアルも、そこは同じだと思っています。お客様からご依頼を受けた研修でも、セミナーでも、登壇内容を評価される模擬登壇でも、ギリギリまで準備は、仕事への取り組み姿勢や段取り力が問われます。
講師として私が大切にしているのは、「安心」と「安定」。
安心してリラックスして受講し、自分自身を振り返り、今後の方向性や具体的に取り組むことを見つけてもらうこと。
どのような状況になっても、どのようなご相談やご質問をいただいても、しっかり受け止めて、納得のいくものをお渡しすること。
1回1回のお仕事に、自然体で、かつ全力で臨むこと。
これらを、一番大切にしています。
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