相手の立場になる 俯瞰する
4月中旬から研修や講座が中止・延期になったおかげで、これまでの仕事について振り返ったり、本を読んだり、セミナーを受講したりと、充実した毎日を送ってきました。
セミナーに関しては、普段はなかなか受講できない方の講座や講演を受講出来て、本当に嬉しく思っています。
受講しているのは、新しい知識や手法を学ぶためのものではなく、講師の方の考え方や関わり方を通して気づきを深め、自分自身の進化につながるものが中心です。
特に高野登さんのセミナーは、毎回気づきが深まるだけでなく、受講した後、満ち足りた気持ちになり力が湧いてきます。
昨日は、高野登さん、大久保寛司さん、石坂典子さんの対談を受講しました。
石坂典子さんは、産廃会社を企業再生とともに、地元の里山の保全再生にも尽力されて、地元から愛される企業に引き上げた方です。
石坂さんの言葉の一つ一つが力強く心が揺さぶられるほど響きました。
逆境を乗り越え、経験を積み重ねてこられた方のお話は説得力がありました。
でも、このセミナーが素晴らしかったことはもう一つあります。
石坂さんのお話の重要な部分を引き出されていた大久保寛司さんの聴き方。そして、どんなに無茶ぶりされても本質をおさえて話される高野さんのコメント力。お二人の役割が、この対談を何百倍も高めておられたことです。
筋書きや事前の打ち合わせは一切なしの対談。
高野さんは「大久保さんのセミナーは、ぶっつけ本番の行き当たりばったりですから」と笑って話されていましたが、
行き当たりばったりどころか、お二人の役割によって受講者は深く学び、自分事として捉え、行動を促されいくのです。
〝どういうスキルを身につけておられるのか?"というレベルではなく
本質を見極める力、好奇心と想像力を磨き続けてこられたことがわかりました。
本質がわかっているから、ワクワクするような問いが話し手に投げかけられ、
その話を聞きながら、受講しているわたしたちも気づきが深まっていく。
そのやり取りを受けて、別のシチュエーションを仕立ててコメントすることで、私たちが〝私はどのように一歩踏み出そうか?”とそれぞれが思いを巡らしている。そういうステージに、立ち合わせていただけることを、本当に幸せに思っています。
また、3月から自分自身に課題を与えて、これまでのこと、これからのことを考える時間を持っているところですが、考えや思いを聴いて下さる私のメンターも、桁外れに素晴らしい質問力、コメント力を持っておられます。
その方の力を借りて、私の奥深くに眠っていた気づきや思いが引き出されていくのがわかります。
自分では思いもよらなかった思いや考えだけど、よく目を凝らして見ていくと、かけがえのないものだと気づかされるのです。
私は、研修講師にとって現状維持は退化に値すると考えています。
常に受講生の一歩先を、自分自身が進化や発展を遂げて歩んでいくこと。その姿を見せることが、あとに続く人にとって、気づきを深めたり、モチベーションを上げるきっかけになればいいと思っています。
進化や発展は、新しいものを取り入れることだけではありません。
自分の持っている力をもっともっと磨いていくこと。
誰でも出来る当たり前のことを、誰もがやらないレベルに引き上げることだと考えています。
相手の立場に立ってみること、やり取りや仕事の様子を俯瞰して見ることは、スキルや考え方以上に価値ある学び。
私自身がこれからも緩やかな進化を続けていくために、必要不可欠な学びであると考えています。
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