書く力はすぐには身につかない
今日は、企業さんの中にあるコールセンター部門の電話応対研修 最終日でした。今年で3年目となる定例の研修です。
研修は、実習中心で少人数。個別にフィードバックを行いながら一人一人の応対力の向上を図っています。
テキストはありますが、応対を見せてもらって、改善が必要なところを、テキストを見ながらアドバイスさせていただくようにしています。その方が、大切なポイントをしっかり伝えることができるからです。
だから、私はパワーポイントを使った研修は行っていません。
また、メンバーが変わると内容も進め方も変わります。
業務として行っている内容に直結した内容なので、研修後に積極的に取り組んでくださっていますし、年々、応対が向上しているのがわかります。
研修内容と進め方は日によって少しずつ変わりますが、最終的には、経験年数に応じて習得レベルを決めて、職場内での指導がスムーズに行えるよう口頭でご提案させていただきました。
そして帰宅後、応対実習でメモしたフィードバック内容をもとに、報告書に書く内容を手帳に記録しました。
記録する内容は、A5のページの1ページに収まる程度です。
改善したり取り入れてほしいことを絞り込んで記録しています。
所要時間は10分~15分。
こうして手帳に記録しておくことで、あとは表現を改良しながらパソコン入力をすれば報告書はあっという間に完成します。
デジタル中心の時代ですが、手書き作業を加えることで仕事の効率化が図れます。
そして、書く力を鍛えることにもつながっています。
研修講師となって33年目。それ以前から、私はずっとメモやノートを活用し続けています。これまでに書き終わったノートは、小学校のときの自由ノートや大学の就職活動のときにつけていた就職日記を含めると、ノートや手帳の冊数はかなりの量です。
暇さえあれば ノートやメモに書いてるという感じです。
スマホやパソコンを活用されている方からは、
「そんな面倒なことを…」と言われることもあります。
しかし、手書きは記録するためだけではなく、頭の中にインプットしたものを外に出しておくために行っているのです。
人間は、頭の中に詰まった膨大な情報を、頭の中で整理や加工することはできません。
また、記録しておかなければ、いざ整理・加工しようと思っても忘れてしまいます。
大切なことを抽出して、短時間で、自分の言葉で、端的に書くためには日々のトレーニングが必要です。
準備体操も基礎トレーニングもせずに、いきなり100m走で好タイムなんて出せないですよね。
人の話を、その人が話したまま書きとっても、それは単に入力しているだけで理解したわけではありません。時間が経って、読み返したときにそれがよくわかります。
自分が考えたことも、人から聞いたことも、自分の言葉で書くことが理解できたということであり、それがアウトプットです。
出版で一番大切なことは、原稿を執筆することです。
そして次に大切なのは、編集担当の方と決めた期日までに決めた内容を書き上げることです。
執筆を生業にしていなければ、他の仕事と並行してこれを行っていくことになります。
2022年に私も拙書「手書き・3分割で情報を整理する 3スプリットメモ術」(同文舘出版)を出版しました。
編集担当の方と何度もミーティングを重ねて、何をどのように書くかが正式に決まったのが出版1か月前。
それから約3週間で180ページの原稿を書き上げました。
ちょうど研修や店舗改善指導が集中していた時期と重なり、毎日ハードスケジュールでしたが、隙間時間を活用し、思いついたことを執筆用のメモに書き出しながら執筆をすすめて期日を守りながら書き上げることができました。
また、仕事と執筆をこなしながら、毎日投稿しているブログも一言メッセージの配信も欠かさず続けていました。
それは、日頃から、手帳の記録やブログの発信、専門学校の学生さんへのコメントなどを通じて、書く力を鍛えていたおかげだと思っています。