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担当を外れてから真価が問われる

昨日は、午前中で研修が終わったので、午後から銀行の新入社員研修で配付する、補足資料の作成をしていました。内容に曖昧なところがあったので、営業所の担当者に確認することにしました。

誰に連絡しようか?と考えたとき、真っ先に浮かんだのは、S支店のIさん。いつも笑顔で元気で行動力があり、業務についても細部まで詳しく把握されている、頼れる仕事仲間です。

銀行の店舗改善指導を担当させていただくようになって、18年を迎えます。これまでに、比較調査を含めると、延べ1600店舗を訪問し、改善に携わっています。長いお付き合いの中で、一緒に取り組める心強い仲間、これからの教育のあり方を、熱い思いで議論できる方々が少しずつ増えてきたことは、私にとってかけがえのない宝です。

そして、その交流は、銀行を退職されても続いていることを、幸せに思っています。

前述のSさんもその一人。仕事について、何か教えてほいしことがあったら、真っ先に浮かんでくる方です。彼女の素晴らしいところは、私の相談について、詳細を確認しながらアドバイスをくださることです。
即答じゃないんです。だから、私も、そうだったと気づけます。そして、相談すると、求めていたこと以上のことが得られるのです。

彼女がコーチングやカウンセリングスキルを身につけているわけではないけれど、リラックスして話せる雰囲気があります。

人によって、スキルを使いこなすことが目的になって、ちゃんと聞いてますよーという態度が鼻につくことがあります。彼女には、それが全くありません。長年、お客様対応をしてこられた中で、培ってこられたことなんだろうなと思いました。
電話では物足りなくて、Sさんに会いに行きたくなりました。

物流会社に勤務していた頃、仕事のしかたを教えてくださった私の師匠が、よく 「本当に仕事ができて、信頼されている人は担当を外れてからその真価が問われる」と話していました。
担当者として、お客様のご要望に応えながら一手に仕事を引き受けている間は半人前。自分が、自分が、といつもしゃしゃり出るのではなく、一通り仕事ができるようになったら、さっさと引き継いでできる人を増やしている。

お客様にとっては、問い合わせできる人が増えて助かる。でも、手が離れても、一番大事な問い合わせや相談になると、お客様はその人のことを思い出して連絡してくださる。

師匠は、まさにそういう方でした。
こんなに私は仕事を担当しているのよ、やりとりの中心にあるのよ!
と思い上がった考えの私が、一撃を喰らった言葉でもありました。

担当を外れても、長いブランクがあっても、何かあったら思い出してもらえる存在。
そのためには、どのようなことも、ご要望をしっかりくみとり、ひとつひとつ丁寧に取り組んでいくこと。私を選んでいただいた意味を理解しておくことが大事です。


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