
06.選抜一次試験の結果は…
冬休みの三者懇談から、選抜一次試験までの1ヵ月半。とにかくやるだけのことはやりました。
2月2日は、仕事を入れず、笑顔で次女を送り出し、受験を終えて帰ってくるのを笑顔で迎えました。
次女はぐったりしながらも、「やるだけのことはやったよ」とさっぱりした表情でした。
悔いなくベストを尽くしたのだったらそれでいい!
でも、願わくば、合格させてやりたい!
5日後の合否結果が届くまで、この2つの思いが私の心の中で渦巻いていっました。
そして、2月7日午前10時半、学校から電話が入りました。
「もしもし、ちはるさんのお母さんですね。私、中学校の担任のMです。
さっそくですが、今日 選抜一次試験の結果が出まして、残念ですが、ちはるさんは不合格でした。頑張ったんですけどね。また、今後のことをちはるさんと一緒に考えていきましょう。お電話ですみませんが、そういうことで…失礼します」
先生の口調はとても事務的だったが、それも落ちたことを思いやってのことだったと思います。
あまりにもあっけなく不合格の連絡を受けて、最初はピンときませんでした。でも、それが事実だから仕方ありません。
「ちーちゃんは、どんな顔して帰ってくるんだろうね?あんなに頑張ったんだから、ショックは多いいかもしれないね?」
次女のことを一番かわいがってくれている義母が、オロオロしながら私にそう言いました。
「そうですね。とっても残念です。合格させてやりたかったです。でも、頑張った上での結果だから、本人も悔いはないと思いますよ。あとは気持ちを切り替えて、選抜2次を頑張るしかないです。次の志望校をどこにするかは、あの子の納得のいくようにさせてやります」
できるだけ笑顔で義母にそう伝えたものの、時間がたてばたつほど、心の中では、
“あんなに頑張ったのに、何でウチの子が落ちるの?悔しいよ!ったくぅ!!!”
という気持ちが広がり始めていました。
そして、夕方、次女が帰ってきました。
「ただいまーーー。学校から連絡入ったんでしょ?ったくぅ~~、残念~。落ちたよーー。頑張ったんじゃけどね~。まぁ、しょうがないよね~」
私たちの予想に反して、次女は明るくサバサバした感じでそう話しました。
私「そうよね。残念だったね。あれだけ頑張ったのにね?で…、せかすようで悪いけど、選抜2次はどうするの?ココまで頑張ったんだから、あの高校に再チャレンジしたいんでしょ?だったらそうすればいいよ。気持ちを切り替えて勉強すれば大丈夫だって先生もおっしゃってたし…」
次女「うん…そうしたいんじゃけど、いいかなぁ?もう少しランクを下げたほうがいいような気がするんじゃけど…」
私「ギリギリまで考えたらいいよ。ちーちゃんのやってみたいようにしなさい。あとは全面的に私がバックアップするから心配しなさんな」
次女「うん、考えてみるよ。とりあえず、5科目の受験勉強をはじめなきゃーー。あーーーどーしよーーー、最悪じゃ~~~~」
「ちーちゃん、思ったより明るくて安心したよ。どういう顔して迎えてやればいいかってドキドキしてたから、ちょっとほっとした」
そう言いながら、義母は、安心して自分の部屋に戻っていきました。
落ちたにもかかわらず、予想に反して明るくサバサバとした会話でしたが、私は、なんだかとても不自然さを感じたのです。
私には、次女が無理をして明るく振舞っているようにしか見えませんでした。
次女が帰宅して1時間ほど経ったころ、2階の自分の部屋に入ったまま出てこない次女の様子を見に行ってみました。そこで私が見たのは…。