誰に読んでもらいたいか?
本の発売まであと1週間。皆様から、あたたかい応援メッセージをいただいて、とても嬉しく思っています。
発売まで、本の内容についても少し触れていきます。
今日は、本の一番最初の部分である「はじめに」についてです。
私が本を手に取って一番最初に読むのは、「はじめに」と「目次」です。
「はじめに」は、本の第一印象のような位置づけで、この本に興味が持てたかどうかが決まります。
長すぎず、短すぎず、どんな人に読んでもらいたいかをイメージして書くこと。
これがなかなか難しかったです。
企画を考える段階では、対象を「マネージャー的な立場の人」に定めて目次を考え、サンプルとして「はじめに」を書いて提出しましたし、
出版社に採用されて、担当の方と打ち合わせを始めた時点では、それは変わりませんでした。
でも、打ち合わせが進むにつれ、読んでもらいたい人は本当にマネージャー的な立場の人なのかな?と迷いが出てきました。
編集担当のTさんと何度も打ち合わせをしていくなかで、その迷いが次第に大きくなっていき、目次を何度も書き直しました。
迷走した時期が3か月くらい続きましたが、
迷いの中から抜け出せたのは、ひとつには、編集担当のTさんの助言です。それ以上に大きかった理由は、3月に登壇させていただいたライブサミットのオンラインセミナーでした。
オンラインセミナーでは、本にまとめた3スプリットメモの書き方を紹介させていただきましたが、皆さんの悩みや気になっていることを伺うことで、3スプリットメモの書き方はどんどん進化していったのです。そして、”今よりも、もっとメモを活用したい人”に向けて書いていきたい!という思いに変わっていきました。
セミナーを受講してくださった方、メモや手帳のことをいろいろ話してくれている友人には、本当に感謝しています。
しかし、
迷いが吹っ切れて、その後は順調に書き進められたか?というとそうではありません。
夢中で書いていると、ついこういう人にも、こんな人にも…!と欲が出てきてブレてしまうんです。
編集担当のTさんは、原稿を読みながら「大西さん、誰に向けて書いているんでしたっけ?」と私に気づかせてくださっていました。
そして、本編を書き終えて、最後に書いたのが「はじめに」と「おわりに」でした。
前述したように、「はじめに」は、本の第一印象であり関心を持っていただけるかどうかの大事な部分です。最初はなかなか書けず、時間ばかりが過ぎていきました。
そこで、自分の書いた原稿を最初から最後まで、読者になったつもりで読み直してみたのです。
すると、「私はなぜこの本を書きたかったか?」が見えてきて、一気に書くことができました。
それが、以下の内容です。
はじめに*「書いて終わり」ではもったいない!
小学校の時の自由勉強、大学時代の就活日記、就職後に作成した業務マニュアル、そして、11年前から活用し続けている「ほぼ日手帳」。アナログからデジタル時代に変わっても、私のそばにはいつもペンとメモ、ノートがあります。
膨大な情報を記録することはできませんから、「記憶力」より「記録力」と捉え、ずっと手書きのメモを大切にしてきました。書く速さ、書き方を高めてきました。
しかし、いいことばかりではありません。メモする量が増えるほど、「あれはどこに書いたかな?」「これはどういう意味で書いたんだっけ?」と、探す時間、思い出す時間が増えていきました。1枚の資料をつくるために過去のメモを30分以上探すなど、余計な時間と労力を増やすことが多くなったのです。
そんな経験を繰り返しながら気づいたのは、メモを書いて終わりにしてはもったいない!ということでした。
情報は鮮度が命です。活用しなければ、そのとき大切だと思ったことが、時間とともに“ゴミ化”してしまいます。
必要な情報を絞り込んで、パッと見てわかるメモにすること、書く場所を決めること、探す手間と時間を減らして、書いた内容を活かしきることが大事なのです。
そして、たどり着いたのが「1枚の紙にダラダラ書くより、用紙を3分割して所定の位置にコンパクトにまとめて書くこと」です。
分けると解るのです。分けて書くとわかりやすいし、活用しやすくなりました。
普段からメモをよく取っている知人・友人も、私と同じように、何を書いているかさっぱりわからない、どこに書いたか探すのに時間がかかる、書いて終わっているという悩みを抱えているようでした。
3つに分けて書いて、書いたものをフルに活用するノウハウを自分だけのものにしておくのはもったいないと思い、本の出版に至りました。
大切な時間と労力を費やして書いたものを、少しでも仕事や大切な人との関わり、自分自身の成長のために役立てていただきたい。そんな思いを込めて「3スプリットメモ術」をご紹介します。
2022年9月30日発売
「手書き・3分割で情報を整理するスプリットメモ術」大西恵子/同文舘出版