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60歳はチャレンジ時(1)

4年前に私は60歳になりました。ちょうどコロナ感染が拡大し始めた頃です。
世の中が新しい生活様式に変わるとともに、仕事のスタイルも取り巻く環境も大きく変わった時期でした。

特に、研修講師はこの変化をダイレクトに受けました。リアルでの研修が難しくなり、オンラインでの研修ニーズが一気に増えました。
皆がオンライン研修に移行する中、私はオンラインで研修するという選択を選びませんでした。

理由は2つありました。
ひとつは、私が関わっているお客様は、オンラインでの研修を望まれていなかったため。
もうひとつは、私が行っている仕事では、オンラインでの成果が得られないと判断したためです応え
圧倒的にオンラインニーズが高くでも、100%になったわけではありません。

たとえ1%であっても、お客様のニーズに応え、確実に成果を出すことが私は大切だと思いました。
そして、この4年間、コロナが明けたときの状態を自分なりにイメージしながら、お客様に寄り添い、求められることに、答えながら成果を出すとともに、自分自身の力を養ってきました。

仕事を発展させるために必要なことは、目先の危機的状況に素早く対応することではないと思っています。
トレンドや世の中の変化に手放しで飛びつくのではなく、まず、自分自身の現状や強みについて、しっかり棚卸を行い、誰のために、どのような目的で、どのようなことを提供して求められている成果につなげるか?
これを明確にすることだと考えています。長期的に仕事を継続するためには、困難や変化はつきものです。

研修講師として独立して32年。これまでも、様々な変化に対応し、着実に仕事の機会を広げてきましたから、コロナ感染も、その一つに過ぎません。だから私は私の道を突き進むだけだと考えました。

世の中が大きく変化し、危機的な状況に陥ると、多くの人はそこから少しでも早く抜けたいと考えます。

効率よくスキルを取得することもその一つです。
この4年間、すべてとは言いませんが、スキル獲得に偏重していたように感じます。
ビジョンを描き、そのために必要なスキルを磨くことは大切なことです。
しかし、現状に根差していないスキルは、取得しても扱いにくいものです。

私が今年、毎日書き写しをしている「覚悟の磨き方 ~超訳 吉田松陰~」(池田貴将 サンクチュアリブックス)には、スキルではなく情報についてですが、似たような言葉が書かれていました。

「情報をむさぼるな」
知識は問題を解くために必要なカギである。
問題に結びつかない情報収集は
ただの退屈である

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