変容を促すのが研修の目的
私は、色々な業界・業種の方の研修を担当させていただいています。
研修講師歴は今年で31年となりました。
この仕事を始めた当初から、「紹介とリピートだけで仕事をする」
と決めていて、ずっとそれを守り続けています。
10年前から、スポット、単発研修は行っていません。
年間を通じての研修、毎年必ず行われる研修を担当させていただいています。研修や改善指導を通じて、皆さまの成長、職場の問題が解決する様子に触れることがやりがいになっています。
先日、市民病院で、勤続3年~5年の看護師さんの研修を担当しました。
同じテーマの研修を他階層の看護師さんたちに受講していただいて、
パートナーシップを深めることを狙いとしています。
勤続3~5年といえば、仕事を覚え、自分なりに動けるようになったけれど、上から、下から、要望や・要求で余裕のない状態。人との関わり方にも悩んでいる方が最も多い方たちです。
研修の中心にアサーションを置いています。
単にアサーションを学ぶことにではなく、どうしたら自分の抱えている課題を解決できるか?そのヒントを持ち帰っていただくことに重点を置いて研修を進めています。
「分かりやすかった」
「講師の接し方が丁寧だった」
「安心して取り組めた」
というのは、私にとっては当たり前すぎる感想。
そのような感想が多いのは、相手に大切なことをしっかり手渡せなかったことだと思っていますので、最後の振り返りで、本音のコメントを引き出すことができるか?
それが私の使命です。
彼女たちが抱えている課題や問題が浮き彫りにされているようなコメントが出てくれば、師長さんたちがどのような指導の在り方が必要なのか?に繋がるのです。
・うまく言おうと思うんじゃなく、素直に言ってみよう。それで言いやすくなって、いろいろ言うことができるようになって、そういう職場環境に変わるかもしれない。
・いつも立ったままやり取りしていたけど、座ってやり取りすると落ち着いて話せたし聞くことができた。大事なことは座ってやり取りしたい。
・事実と気持ち・考えを分けて伝えようと思う。そうしたらいつも感情的になって話していることがが減るんじゃないかと思った。
・先輩がどう思っているか分からないから、顔色ばかり見てオロオロしていた。オロオロするんじゃなくて聞いてみます。ずっと不安でいるのは辛いから。
今回の研修の最後の振り返りで出た内容です。
受講者のコメントについては、いつも研修が終わって1時間ほど、委員の皆さんと話し合っています。
私も、委員の皆さんも、変容につながる言葉が出てきたことよりも、そうではない現場で仕事をしている彼女たちの心情や行動を、どのようにサポートしていくかについての議論に時間をかけました。
1時間程度では、これという提案も指導の在り方も見つかりません。
しかし、現状を皆さんでしっかり認識して、引き継いで現場での変容に繋がるOJTの充実化に尽力されていることを大変ありがたく励みに思っています。
一体感を持って指導・育成に関わらせていただいていることを、幸せに思います。
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