初心忘れるべからず
古臭い諺と思われるかもしれませんが、とても大事なことです。
研修講師として独立して、今年で31年。
年齢は今年63歳になります。
私がずっと大切にしてきている言葉が二つあります。
一つは、タイトルにある「初心忘れるべからず」です。
そして、もう一つは、「石の上にも30年」です。
後者は私が作りました。
3年ではなく30年。
どんなことでも、わかっているだけでは自分のモノになっていません。
10年続けてみて、ようやく真似からオリジナルなモノになっていきます。
そこからさらに20年、創意工夫を重ねながら、私だからできることに引き上げていく。
30年続けてきて、やっと最後のステージの扉を開くことができました。
でも、これで安心というわけでなく、緩やかな進化を続けながら、独創性を磨いていきたいと考えています。
チームプレイはみんなができることが求められています。でも、自分だけできなくて他のメンバーの足を引っ張っているなと思うことも、みんなに悪いなと思うこともあります。
でも、そう思ってばかりいても何にもならないから、誰でも出来ることをやり続けるようにしました。声かけ、声を出すことなんですが、小さなことでも続けることは大事だと思います。
そう話してくれたのは、先日、友人の息子さんの面接練習に立合ったとき、彼が言葉を選びながら話してくれたことでした。本当にその通りだと強く共感しました。
今、私の原点になった本を読み返しています。
社会教育家の田中真澄さんの「人生勝負は後半にあり」です。
1985年に出版されたこの本には、田中真澄さん自分の目や耳で確かめ、実践を通して得られたことが、力強い言葉で書かれています。
独立して講師の仕事を始めた頃、仕事の依頼がないことよりも、私はお金をいただく価値のあるものを提供できるのだろうか?ということに、大きな不安を抱いていました。
そんなとき、田中真澄さんの講演を聴きました。話されている内容以上に、汗びっしょりになりながら一生懸命伝えられている姿に感動し、迷っていないで、出来ることをひとつずつ増やしていこう!と決めました。
これは、講演の直後に買って読んだ本です。
30年前は、ここに書かれてあることを、実践できるようになることが目標でした。今、読み返してみて、できるようになったことや、自分のものになったことがたくさんあると気づきました。
同時に、まだまだ中途半端になっていることがあることもわかり、気持ちが引き締まる思いです。
本当に、初心忘れるべからずですね。
そして、これからも出来ていること、自分のものになったことにさらに磨きをかけながら、自分の道を突き進んでいきたいと考えています。