知識やスキルより先に必要なこと
先日の永松茂久さんのセミナーを受講して考えたことがあります。「自分の軸」についてです。
講師軸を持つとか、自分の軸を持つことが大事とよく言われますし、どうしたらそれを見つけられるか?が議論のテーマにもなります。
「講師軸」や「自分軸」に関する本はたくさん出ているし、セミナーもたくさんあるので、調べて参加すると、手がかりになると思います。
しかし、本を読んでもセミナーを受講しても、見つけるのは自分自身です。
私自身、30年近く講師の仕事を続けてきて、自分の軸が何か?をきちんと理解していたわけではありませんでした。
「これが私の軸だ!」と思えるものに出逢うまでに、
自分にたくさんの問いを投げかけ、時間をかけて考えました。
どんなことでもいいから、人との対話を通して気づきを得たり、指摘や助言をもらったりもしました。
それらを繰り返し、ノートに書き出しながら、自分にピッタリくる言葉を探しました。
自分の発している言葉や行動、大切にしてきたものを一つ一つ検証しながら「理念」という形で自分の軸を明確にしました。
自分の軸が明確になると、過去と現在と未来が一本の線で繋がり、迷いや不安が吹っ切れました。
これから何ためにどのように仕事をしていけばよいのか、その仕事のために、どのようなことを磨いていけばよいのかも見えてきました。
以前ブログに書きましたが、次女がパーソナルカラー診断を受けて、自分のタイプがわかってから「必要なものが何がわかったので、それ以外のものに目移りしたり、余計な買い物をしなくなった」と話していました。
自分の軸(講師の軸)も、その感覚と似ているような気がします。
多くの人は、目に見えるものや、カタチあるもの(知識やスキル)を得ようとします。見えるものやカタチあるものは、わかりやすいし、扱いやすいからです。
しかし、その大半は、自分でゼロから構築したものではなく、誰かが開発したもの。
自分にとっては目新しいものでも、流行っていたり、注文を集めているものであれは、すでにレッドオーシャン状態。提供、提案を受ける側は「またそれですか?」と思われることもあります。
同じ内容を提供するにしても、誰が提供するのか?
人はそこに着目しています。
軸や在り方は、目に見えませんから私は暗闇の中を彷徨っているような感じに思いました。
モヤモヤした状態は居心地が悪いので、いつまでもそこに留まりたくない。
こんなところに留まって時間ばかり過ぎていくのはもったいない。
ココで時間を費やすより、みんながやっていることを自分も出遅れないようにやった方がいい!と思うこともあります。
でもその結果、自分の中の引き出しは、何の区分もされないまま、必要なものとあまり必要でないものが一緒にグチャグチャになって押し込まれている。
せっかく得たものも、価値を上げることなく引き出しの中に押し込まれたまま、また新しいもの、みんなが注目しているものに飛びついてしまう。
「軸」は、必要なものと必要でないものを判断するモノサシのようなもの。
形あるものを得る前に、しっかりと見極めることができるモノサシを、時間がかかっても持つことの方が、私は大事だと思っています。