何をしているかより、どのように取り組んでいるか
先日から、ビルメンテナンス会社さんで、現場スタッフの方の研修を担当させていただいています。
受講してくださっているのは、清掃、設備、警備に携わっている方々で、定年後にこのお仕事に就かれているので、私より年上の方がほとんどです。
接遇マナー、ホウレンソウ、クレーム応対など、毎年テーマを変えています。
座学ではなく、クイズや自己チェック、ペアワークなどを取り入れて、日頃のご自身の振り返っていただくとともに、リフレッシュも兼ねた内容にしています。
先日、福山で研修を行いました。研修が終わって、事務局の方が会場に入りながら、「皆さん、口々に『楽しかった』『受講して良かった』と笑顔でおっしゃっていましたよ。皆さんに喜んでいただいて、私も嬉しいです。いつもありがとうございます」と声をかけてくださいました。
研修講師として仕事を始めて、31年になりますが、現場のお仕事に従事している方、60歳以上の方の研修を担当させていただくことが多いです。
研修の仕事を始めた頃から年配の方の研修を担当していました。
「今更マナー研修なんてやらんでもいい。そんなことくらい知っとる!」
警備スタッフさんの研修を担当させてもらっかとき、皆さんからそんな声を浴びせられたこともありました。でも、研修が終わって、皆さんと笑いながら一緒に駅まで歩いて帰り、次の研修から指名していただくようになりました。
物流会社に勤務していた頃、現場で作業しているスタッフさんに混じって、商品の検品、荷札貼り、仕分けや積み込み作業をしていたこと。
社内講師を務めていた頃から「教える」ではなく、「一緒に考え、一緒に成長する」というスタンスで研修やOJTに携わっていたことも、受講される方に、身近に感じてもらっている理由なのかもしれません。
そして、今、私も60歳を過ぎて若い時のようには仕事ができなくなったことで、皆さんに少し近づけたような気がしています。
「大西さんは、まだ若いよ。私はいくつだと思う?80前よ!」笑いながらそうおっしゃった、病院清掃スタッフのOさんの表情は、イキイキされていました。
何をしているかより、どのように取り組んでいるか?が大事。
年配の方々とお会いしていると、いつもその言葉が浮かんできて、身が引き締まります。
そして、お仕事でいつも、素敵な歳の重ね方をされている方にたくさん出逢うことができて、本当にありがたいことだと思っています。