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新入社員研修 ~何を教えるかではなくどのように向き合うか?~

担当させていただいている現場改善指導や研修が一段落して、新入社員研修の準備を行っている毎日です。一緒に登壇してくださる方の登壇練習にも立ち合って、皆さんの研修の進め方から再確認や気づきをたくさん得ています。

一緒に登壇するお二人は、研修講師としての登壇経験は浅いです。

でも、受講生に真摯に向き合い、内容を一つ一つ丁寧に届ける姿勢を持っていらっしゃることが登壇練習や打ち合わせをしていて伝わってきます。
講師らしくとか、厳しくとかの前に、新社会人と一緒に、歩調を合わせて一歩ずつ進んでいくことを大切にこのお仕事を全力で担当してくださっていることを本当にありがたく嬉しく思っています。

新社会人の皆さんは、社会に出ることには期待だけでなく不安も多いと思います。ずっと学生生活を送ってきた方にとって、人生初の「社会人」です。
初めて何かに取り組むとき、人は誰でも不安や戸惑いを感じています。

それは全然知らなかった。
教えてもらってこなかった。
おっしゃっている内容も意味もわからない。
わかっていることができるわけではない。
簡単なこともなかなかできない。

そんな思いの中で、一生懸命何かを吸収しようとしています。

仕事をバリバリこなしている先輩たちも、指導的な立場にある方たちも経営者も、誰もが通ってきた道のはず。
なのに、出来ない人、わからない人たちを前にすると、それをすっかり忘れて、「最近の若い人たちは…」「私が新入社員だったころは…」と言っていませんか?

常識がないだの、今まで何をやってきたの?だの言っているヒマがあったら、何でもいいからまず一つ、しっかり手渡して安心して一歩踏み出すお手伝いをする。それが、社会人の先輩の役割です。

見て覚えた世代の私たちであっても、全てのことを誰も教えてくれなくて、本当に全部を見て覚えたわけではありません。

何度も何度も、根気よく教えてくれた先輩や上司がいたし、できるまで見守ってくれる先輩や上司もいました。

いろいろな経験をさせてもらったから今があります。

特に私は、配属されて3か月近くは、何をやっても上手くいかず、先輩や上司の目が気になって半泣きの状態で仕事をしていました。

そのときのことが、今でも時々、夢に出てきます。

研修でお会いする新入社員の方々が全員私のような状態ではありませんが、あの頃の状態や気持ちを私は特に大切にして新入社員研修に臨んでいます。

だから、受講してくださっている様子の一つ一つがどんな状態でも受け止められます。
取り組もうとせずに分かったつもりでいる受講生には、取り組んでみるように伝えられます。
簡単なことでも、舐めてかかっている受講生には、厳しく助言しています。

どんなことにも始まりがあり、ゼロからのスタートです。
今できないことが問題なのではありません。
生まれ育った時代も環境も同じではなく、考え方や価値観も大きく異なります。
しかし、違うことに目を奪われるのではなく、今、どのような状態なのかを理解することが大事です。

真っ新な気持ちの新社会人と同じ視点や気持ちを理解しながら、教える側の私たちもその当時の自分に立ち返って少しずつ導いてさしあげたいと思っています。

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