お茶くみは雑用ではない!
仕事には、雑用など一つもありません。
頼まれた簡単なことでも、自主的に取り組んでいることでも、その仕事の捉え方によって得るものが変わってきます。
簡単な頼まれごとだから、重要度が低いわけではありません。
自主的に取り組んでいることでも、雑に行っていれば得るものよりも、減るものの方が多い場合もあります。(時間や労力の浪費、信頼、信用など)
出勤した上司や男子社員にお茶を出す、お客さまにお茶を出すのは、女子社員だけの仕事ではなくなりました。
コーヒーサーバーで簡単にコーヒーが入れられるようになっているところもありますから、
「飲みたい人が勝手に作って飲めばいい」
「それよりも、大事な仕事をした方がいい」
という考え方にも一理あると思います。
ただ、一杯のコーヒーを出して、上司が気分良く仕事をしてくれるのなら…上司の気分は自分にも影響してきますよね。
大切なお客さまがいらっしゃって、美味しいお茶を入れて持って行き、商談に邪魔にならないように配慮しながら丁寧な所作で出すことで、商談がスムーズに進めば、何らかの貢献ができます。
自分の仕事を中断させてまで…と思われるかもしれませんが、業務に支障のないようにお茶を出す手順やポイントを熟知して、中断した業務も戻ってすぐに始められるように段取りをしておけば、手間な作業ではなくなります。
だから、私はどのような頼まれ仕事も、「戦略」として行っていました。
「お茶くみは戦略です」とボスに伝えて、「ムネちゃん(私の物流時代の呼び名)は、面白い発想をする人ですね」と言われたことがありました。
入社して営業所に配属されて、
自分の担当する仕事が何一つなくて、
教えられてもらうばかり、
頼まれた仕事もろくに一人でこなすことができなくて、
申し訳ない、申し訳ないと思う毎日。
何か自分ができることを見つけてやってみよう!仕事は何一つ十分には出来ないけど、職場を快適な空間にすることは教えられなくてもできるかもしれない。
そう思って始めたのが、お茶出しと事務所の清掃でした。
誰よりも早く出勤して、フロアと机の清掃をし、お湯を沸かして、出勤した上司や先輩にお茶を出す。
同時に、コンピュータを起動させて、照合業務をするための台帳を印刷し、担当者ごとに帳票をセッティングして各担当者の机の上に置いておく。
この一連の作業を一人で終えるには、どれくらい時間が必要か?どの手順で行えば効率よく進められるか?先輩や上司に出すのは、コーヒーがいいのかお茶がいいのか?
続けていく中で、どんどん工夫が生まれてきました。そして、結局結婚するまでの3年間は、私の仕事だと思って続けました。(結婚後は、私のやっている様子を見て自主的に引き継いでくれました)
”私はこんなことのために入社したんじゃない!””こんな仕事より、もっと責任ある仕事、やりがいのある仕事を担当したい!”
そんな言葉を耳にするとき、そうさせてもらえないのは、「こんな」や「そんな」と言うだけで、相手が求めているレベルでやっていないからでは?と思います。
そうではなく、本当に求められたことにキッチリ応えて精度の高い仕事をしているのなら、そのことをきちんと言葉で伝えて認めてもらえばよいのです。そのためにコミュニケーションはあるのです。
みんな忙しくて余裕がないのですから、自分から言わずに、わかってほしい、認めてほしいと思っても誰も気づいてはくれません。
どんな小さな仕事でも、人に聞いたり、いちいち確認することなく時間内にできる。
続けて取り組んでいく中で時間短縮や効率化を図っている。
自分の仕事のバージョンを上げるために、報告・連絡・相談を積極的に活用している。
周りの人が見ているのは、何をやっているかではなくどのように取り組んでいるか?です。
それは、新入社員や中堅・ベテラン社員だけでなく、講師にも言えることだと思います。
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