見出し画像

烏に単は似合わない 感想

アニメ「烏は主を選ばない」の原作、八咫烏シリーズ一冊目の「烏に単は似合わない」を読みました。

烏に単は似合わない について

平安時代みたいな、ファンタジー世界。八咫烏の一族の、お后選びのお話です。
4人の姫君から誰が選ばれるのか?
20歳という若さでの松本清張賞受賞作です。

ネタバレなし感想

面白かったです!!松本清張さんも、受賞作も、今まで読んだ事なかったのですがとても楽しめました。
「アニメの先が知りたい。世界観が面白いな」、くらいの軽い気持ちで読んだのが良かったです。
最初はちょっと文体や、人物の多さに戸惑ったのですが、慣れると面白く、中盤から一気に読み終わりました。
この一冊でちゃんと物語が終わります。とにかく、ぜひ読んでほしい……!
(次巻の「烏は主を選ばない」は同じ時間軸の別の人物の話のようです。アニメは二冊を一つとして展開してるみたい)

以下、ネタバレありで感想です




Amazonプライムビデオを見ていたら、『烏は主を選ばない』というアニメを見つけました。「薬屋のひとりごと」というアニメが好きだったので、同じような感じかな?と見始めることに。

「ちょっと独特の絵だけど綺麗」
「大きいカラスが牛車みたいの運んでるー」
「ヒロインが髪の色薄くて、なんかモブみたい。実はメインヒロインじゃない?性格の悪そうな姫が実はいい人とか?」

なんて見ていました。3話で “馬” についての話があって
労働契約で3本目の足を紐で縛り、人になれないようにする 馬と呼ばれ蔑まれる
と知り、なんてエグいんだと俄然興味が湧きました。鳥好きなので、世界観も気に入り読むことに。

序章~第二章まで

始めは、

・文体が昔っぽい、句読点がちょっと多いかも?
・人名が読めない(浜木綿→はまゆう、真赭の薄→ますほのすすき、など)
・人物が多く、この人誰だっけになりがち(菊野、滝本、など)

など、読みづらかったです。

あせびについて

・序章で若宮に会っている?
・“わけあって別邸暮らし”  
・宝物庫で身分の高い誰かに会った。若宮?
・花見台を通る若宮が小さく笑った
・烏太夫騒動の後、文机に若宮?からの文。

などから
「あせびがメインヒロイン?んん?でもなんか怪しい……」と思っていました。

第三章 秋

裁縫上手な真赭の薄、けなげ可愛い。
盗人騒動での浜木綿の場の収め方と、真赭の薄とのやり取りで、
「あれ?2人ともいい人では?」
と思い始めました。
そのあとで早桃が行方不明になってからは、読んでいてすごくわくわくしました。ミステリー好きなのです。

第四章 冬

白珠可哀想。一巳との恋愛が切ない……。侵入した烏に銀の刃が振り下ろされた所は、読んでいてしんどかったです。でも
「案外生きてるのでは??じゃないとキツすぎる……」
と思ってました。
怒涛の展開で、浜木綿飛んでいっちゃうし。「え、どうなっちゃうんだー?」と読んでて楽しかったです。

第五章 再びの春、終章

いよいよ若宮が登場して、いろいろな事がわかります。「そういう事だったのかー!」と面白かったです。若宮が「妻にしてやってもいい」と言い、真赭の薄が髪を切るシーンで、真赭の薄すごく好きになりました。浜木綿との関係も好き。
白珠は、良かったねーってなりました。
あせびは。やっぱり、怖い人物でした。すごく頭のいい人で自分に都合のいい方へ誘導していく感じなのかな。自分はやってない、悪くないと心から思っている。悪意がなければ許されると知っている。怖いです。
利用された藤波、可哀想です。鳥形について知らなかったから……。
この辺は“貴族は一生鳥にならず過ごすことが出来る”、という世界設定がよく活きてたなと思います。
序章の謎も解けて、なるほど!でした。悪友の“すみ”が浜木綿だったんですね。「この人がいい」の“この人”とは、浜木綿。終章ではニヤニヤして読み終えました。

最後まで読んで

解説を読んで、笑いました。はい、ミステリー好きです!中盤からお話が変わるのは、とっても楽しかったです。
冒頭に戻って、もう一度読んでしまいました。それも楽しい体験でした。
2度目だと色々わかりますね。割とミスリードを誘ってるんだな、とか、ここはこういう事だったのか、とか。
宝物庫のシーンも、烏太夫騒動の後・文机に文のシーンも、印象が変わります。
20歳という若さでこんなお話を書いた作者さん、すごいなぁ!

アニメから興味を持って読んで、ほんと良かったです。いい本に会えました。
アニメも毎週楽しく見てます!雪哉いいキャラで好きです。小説の「烏は主を選ばない」も読むのが楽しみです。

この記事が参加している募集