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早稲田進学会の口コミ・評判について 2024年最新版


概要

  • 早稲田進学会とは、東京で都立中高一貫校に入学するための知識を専門に教えてくれる塾。

  • 2005年(資料によっては2007年)から都立中高一貫校専門塾として活動している。それ以前は予習シリーズを使った私立中向けの塾だったと塾長は話していた。

  • 武蔵小金井と池袋に教室がある。池袋教室は貸し会議室を利用して講座を開催している。日程によっては大正大学や東京経済大学で教室を時間借りして授業や模試がおこなわれることもある。このnoteでは池袋教室を中心に解説をする。

  • 講師陣は朝日学生新聞社から出版されている合格力シリーズを執筆している。

  • 授業は土曜日か日曜日の週1回通う仕組み。各回1講座で内容が完結する。

  • 早稲進そっくり模試と呼ばれる、志望校別の対策模試が実施されているのが特徴。他塾や模試だけ利用する生徒が多数いる。その日に解説授業が行われ、親も1名参加できることが大きい。

  • 小石川や武蔵に特化した特別講座が実施されている。水曜日には読解力・理科力講座も用意される。考える力を育てることが重視されている。

カリキュラム

  • プリントのみ。テキストはない。その日の授業にもよるが、理数系はA4プリント4~8枚程度。作文問題も数枚程度。教材費はかからない。

  • 宿題がでるが次回提出は任意。宿題の解説はあまり丁寧ではないという子供の感想。

  • 自分の名前のネームプレートを席に置く。座席は自由で決まっていない。

  • 5年生と6年生がそれぞれ別の教室で同時開催される。6年生は15~25名程度。5年生は少なく7~15名程度。講師が前半と後半の休憩時間10分に合わせて入れ替わる。前半は作文問題で後半が理系問題といった具合。

  • 単科講座制のため一期一会の公開講座のようだった。来る生徒は毎回変わるため、生徒個人の成長は細かく把握する気がないのではないか。生徒の名前も覚えられないからネームプレートを置かせる。

  • 授業内容は理系問題、作文問題が中心。時々社会資料問題を実施する。

  • 理系問題の授業の流れは、前回の宿題の解説から始まり、当日のプリントを解いて解説し、またプリントを解いて解説し、最後に宿題のプリントが用意されて終了、という形。

  • 作文問題の授業の流れは、今日の作文のテーマや書くポイントを解説してくれる。その後作文を授業時間内に30分程度で書かせる。その間に前回の授業で提出した作文を塾長が後ろの席に座って添削をしてくれる。赤ペンの字が汚くて読みづらい。解説をする。ここの話が長い。話が重複していたり不必要に長かったりして無駄が多い。大まかな割合では解説3:関連した話題7といったところ。書き直し用の原稿用紙が配られる。これで終了。宿題は新聞切り抜きに自分の意見を書いて提出する。毎回提出しているが、塾長も理数系の講師も「ほぼ読んでいない」。返却された宿題にはボールペンで小指の先程度の大きさでOKと書いてあるだけ。ちらっと見ました程度。指摘事項などの何のフィードバックもないため子供がひどく落胆していた。集団塾で面倒を見きれないため宿題の添削指導はしない方針かもしれない。自力で新聞を読んで自分の意見を書いてみる練習という意味あいなのかもしれない。質問はこちらからしないと何も応答が無い。

  • 漢字練習や計算練習のたぐいは一切ない。小学校や一般的な塾の計画的な学習単元のような内容もない。基礎的な学習単元は教えない。では何を教えているのか。理系の日は思考系パズルの問題。内容はZ会の思考力ひろがるワークに近い。頭は使うが復習のしかたがよくわからない。基礎内容は家庭でご自由にやってね、という姿勢。

  • ある程度の学力がないと塾に行った気だけになってしまうおそれがある。実際にうちの子がそうだった。

  • 配られたプリント資料を元に話が進められる授業。板書+「先生が話したこと」を工夫してノートやプリント資料に書き取る必要がある。講義の要点、解き方や重要語句の説明、解説の具体例等の話を聞き漏らさずに書く集中力が必要。これは高学年の児童には難しいとはたから見ていて思う。小学校の先生や大手進学塾の講師と違って、この塾の講師はノートに取るべき内容を細かく指示はしてくれない。授業をよく理解することに注力し、理解をさらに深めるために自分なりに工夫してノートを取る必要がある。

  • まるで大学の講義に似ている印象がある。講師の話を生徒が自主的に理解する必要がある。

講師

  • 60代後半の高齢な塾長と、60代の専任講師が主に担当する。

  • 塾長は作文、国語、社会分野が担当。熱心なためか話が長く話題がアチラコチラに飛び、一部の子ども達は明らかに飽きている。まるで大学の授業のようなスタイルと言えば皆さんに伝わるだろうか。板書は少なく書いても単語やフレーズのみで、ひたすら塾長がしゃべる内容を聞く。大人にとってはまるで苦行。大学生が教授の話す内容を必死にノートに書くような気持ちのように、果たして小学生が授業を受けられるのか疑問だ。多くのクチコミでみかけた塾長は話が長い事は事実だった。昔あった朝礼でやたらと話しが長い校長先生みたい。また、私がビルの前で塾長を見かけた時は、授業開始5分前に小さなブリーフケースを持ち早足で雑居ビルに入っていた。塾長さん、予習はしているのだろうか。まさか思いつきで授業をしているのではないかと疑念を持った。

  • 60代の専任講師は算数と理科分野が担当。こちらの先生も解説は熱意があるが配布プリントは簡素。親が家でプリントを一読しただけではすぐに理解ができないほど解説が書いていない。解説は記述ではなく口頭でするタイプのようで、授業内容を必死にノートに書けない子供は、最初の頃は真っ白なままのプリントを持ち帰ってきた。当然のことながら数日で内容を忘れてしまうので、復習を習慣化しないと通わせる意味がなくなる。

  • 子供から質問に行けば熱心に応えてくれる様子。一方で、授業が終わるとすぐに帰る子供には何も声をかけない。親との声かけも一切ない塩対応。ドライな人間関係。

  • ふたりとも60代。固定した指導観念や価値観は変わらないだろう。若くて柔軟な発想ができる講師とは異なる。

塾の周りの環境

  • 池袋駅はとても人が多いため、小学生をひとりで電車通学させるには大いに不安がある。池袋駅の地下を歩いてC2から地上に出る。地下鉄出口から150mほどの1階に信用組合が入る雑居ビルの4階にある東京セミナー学院という名称の貸し教室を利用している。

  • 保護者さまが10名前後送り迎えをしている。路上に立って待機するしかなく日差しや風雨は防げなくて辛い。幹線道路沿いのため停車して車内待機も難しいかもしれない。

塾内の環境

  • 環境は良くない。雑居ビルの設備はとても古く、googleの口コミも同様なコメントが散見されている。エレベーターは1機のみで小さくて狭い。

  • 教室内の長机は古く縦幅が30cm程度しかない(学校机は40cm)。長机の前後の間隔が狭すぎて圧迫感がある。大人なら不満が出るだろう。文句が言えず我慢する子供が不憫だと感じた。

  • トイレも古くて狭く陰湿で、開けた窓から隣のビルが触れそうになるほど近く、古いビル特有の臭いが鼻を突く。女の子はさぞかし利用することを嫌がるだろう。

  • 空調設備もダメでエアコンが効きすぎて夏でも上着が必要。大人の講師に自分の意見を言いづらい小学生にとって酷な環境だと思う。

  • 貸し教室のため、となりの部屋でイベントなどをされると高齢者の大きな笑い声や物音が壁をつたって響いてくるという。子ども同士で「今日はうるさいね」といった会話がされている。廊下も大人2人ほどの幅で狭い。

  • 休憩スペース等は無い。隣の新しいビルに入っている都立受検塾がうらやましい。

料金

  • 単科講座制。1講座3800円を通いたい日付の分だけ購入し、振込で支払う。1ヶ月単位や夏期講座などをまとめて購入すると、1講座3500円に割引になる。Webサイトから申し込む。入会金は不要。教材費はプリント学習のためかからない。

  • 5年生が年間で約30回。6年生が約104回:3月6回、春期講習8回、1期24回、夏期24回、2期24回、冬期講習直前18回。回数は年によって前後する。フル課金で卒業までに交通費込60万ぐらいかかる計算になる。

早稲田進学会の良いところ

  • 過去問や参考書の問題を改造した独自プリントを教えてくれる。

  • 小石川に強いと標榜しているが、特別講座は受けていないので内容は不明。

  • 推測の域を出ないが、合格実績は受講生だけでなく模試参加だけでもカウントしていると思われる。これはどこの塾も似たりよったりだろう。合格実績に含むことのできる塾生徒の範囲を決定するための基準は非開示。

  • そっくり模試という名前の受検校別の模試が行われる。参加者は150~200名程度。この母数が多いのか少ないのかはなんと言えない。ちなみにあの有名な最大手の都立受検塾は2000人近い。解説がその日に受けられるのは良いが、結果送付が1ヶ月近くかかり遅い。

  • 愛知県立中高一貫校の対策のために、新たに愛知県中そっくり模試を開始した。明和、半田、刈谷といった愛知県中を受検する生徒や親にとっては朗報。講師陣は模試のために新幹線で名古屋に出張しているのだろうか。

その他気づいたこと、感じたこと

  • 授業を欠席した際は作文の課題が郵送されてくるので、書いて返送すると添削をしてもらえる仕組み。欠席はしたことがないため利用したことがない。

  • 以前出版した合格力シリーズは良い参考書。単元分野毎に問題の傾向と対策が解説されている。ただ発行が2015年と古く、塾長に聞いたところ今後改訂する予定は無いとの事だった。


都立中高一貫校について思うこと

  • 都立中高一貫校は受験倍率が4~6倍と高いため、多くの子供が不合格になる。どの進学塾でもどの教室でも実は合格者数は少ない。これも推測だが、優れた教室で60%程度、結果が出なかった教室で20%程度、平均で30%前後の子しか受からないのではないか。つまり、都内の小学生は2年間も塾に通い必死に勉強しながらも、10人中7人が入学できない狭いゴールに向かって走っているのだ。親には100万円を超える課金をして叱咤激励しながら同伴する覚悟がいる。

  • もちろん、何にお金を使うかは個人の自由だ。だが、親としてこれで良いのかときどき立ち止まってふと考えたくなる。

  • 子供の可能性は向き不向きがある。都立中高一貫校は明らかに早熟で地頭が良い子を欲しがっている。だから適性検査なのである。学校から合わないと判断されたならばうちのコは不向きだったのだと冷静に考えて、別の選択肢を提案できるような親に私はなりたい。

東京都は地方と比較して学校選択の幅が広い。しかも東京都は2024年度から所得制限なく私立中学校等の授業料支援が受けられるようになった。子供の可能性を選ぶ機会が増えたことは単純に嬉しい。

子供のことを本気で考えられるのは、地球上で親だけだ。


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