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働くとは"苦痛"である~COMPANY SLAVEを読んで~

あなたはきっと日本で生きていくことに絶望する

本Noteをお読みになって頂いてありがとうございます。
現役で組織人事コンサルティングとコーチングを行っていますDaisukeです。

今回は大田比路著 COMPANY SLAVE──労働をまだ知らない人たちへの労働テキストブックを読みましたので、解説しようと思います。
目次の通り、この本を読むときっと日本で生きていくことに絶望すると思われます。
ぜひ絶望してでも前を向いて生きていきたい方だけがお読みになると良いと思われます。
私自身日常で労働、働くことについてを考える仕事をしているなかで、
ここまで際に振って労働を定義する本はなかなかなかったため、
非常に学びになりました。

労働とは何か?

元々労働というワードは英語の「Labor」を和訳した単語。
この「Labor」には「苦役」「苦痛を伴う活動」という意味合いがあるものであり、またフランス語では「travail」ですが、 これも 「楽しくない活動」 という意味合いを 含んでいます。
要は、労働の本質は”苦痛”であると著者は本書で述べています。
もちろん、自分のやりたいことを仕事にしている人は世の中にはいます。
ただ、そんな人は一握りであり、大体の人間は一度しかない人生を
”やりたくないこと”のために時間を使っているのみです。
”本当はやりたくもない労働”にやりがい や使命感といった神秘的感覚をムリヤリ見いだすことで、 なんとか精神的安定 を図りながら人生を送っているのが一般人であるということです。

この論理いかがでしょうか?
ここまでひどくないと思いつつ、同意できないことでもないというのが個人的にな所感です。
もし、お金があって働かなくて良いよと言われたら99%の方が働かないという道を選ぶのではないでしょうか?
だからこそ、ただ一方金銭以外で労働で得られるものもあると私自身は考えます。世の中の役に立つことができます。
だからこそ、労働はお金を払ってでもしたいものと定義をし、
自分自身の価値観に沿って選んでいくべきであると思っています。

労働というものへのイデオロギー

時間規範について

日本人の特性として”時間にきっちりしている”という感覚があると思います。
よく日本の公共交通機関は海外のものに比べ正確無比であると言われています。
学生としてや社会人としてでも遅刻というものには厳しく管理を各組織でなられているにが日本社会であるといえます。

ただ日本人が”時間に厳格な民族である”というのは一種の神話であることがわかっています。
日本社会に時間規範が普及したのは昭和に入ってからのことにすぎません。 それ以前の日本社会では、 従業員が30分や1時間の遅刻することや、汽車が1時間遅れで発着することなどは日常茶飯事でした。
明治期、来日してきた西欧人たちは呆れ返っていたんだそうです。
ただ時間秩序が欠如していることは殖産興業を推し進めていく政府にとっては不都合であり、教育政策や宣伝制作を通じて時間規範を植え付けていきました。
その結果”時間に厳格な民族である”というイデオロギーが現在までも出来上がってきたといえるでしょう。

ただそんな中、日本人が唯一時間にルーズであることが”退社時刻”です。
「日本の会社は出社時刻には厳しいが、退社時刻にはルーズだ」という
自虐的なジョークをよく聞きます。
上記は日本人が民族的に時間規範に忠実なのではなく、そのイデオロギーが人為的に作り上げらたものだからといえます。
「上にとって都合が良い時にのみ時間通りに行動せよ」 というイデオロギーが存在し、そのイデオロギーに則って労働者は日々の生活を送っているのが現代社会です。

勤続年数について

この勤続についてもイデオロギーとして労働市場を支配し続けています。
日本においては〇〇株式会社で勤続●年という表現をよくします。
転職市場においては1年で離職している人が低く見られたり、勤続年数が長い人について銀行でローンが組みやすかったりします。
元々の慣行として終身雇用があったので、日本人は長期勤続というのが当たり前だと思っていますが、これも実は作り上げられたものだったのです。

それ以前の日本社会では、労働者がより良い待遇と賃金を求めて職場を渡り歩く光景は日常茶飯事でした。ただ日本が戦時に入ると多くの成人男性が徴兵され、日本国内で深刻な人手不足が生じます。そして政府による労働市場への介入がはじまり、 労働力の安定供給を計画するようになります。
これが今の上記のようなイデオロギーに繋がっているということです。
もう戦後70年経過をしているのにも関わらず同じような価値観でいるのが、日本社会といえるでしょう。

会社は時間と給料を盗んでいる?

また衝撃的な見出しですが、これも大体の人に起こっていることであるといえます。
日本は一億総サービス残業国家です。誰しもが残業をしているのに賃金が支払われないサービス残業をしたことがあるでしょう。
例えば・・・
労働時間の端数を切り下げて8時1分から業務を本来しているのに8時半スタートに勤怠に記入する、休憩時間に仕事をする、etc・・・
本来は1分刻みで勤怠をつけるべきです。

上記はどんな職場でも当たり前のごとく起こっているし、暗黙の了解として
先輩からやれと強いられているケースが多いと思われます。

上記からわかるようにこれくらい払えばいいじゃないかと思いますが
会社という組織は基本的に従業員を可能な限り安く雇用したいものです。
そのためには違法行為に平然と手を染めるのです。
皆さんは時間と給料を会社に奪われている状態同然ということです。

失業したら死ぬ

日本における1つの大きなイデオロギーとしてあるのが失業です。
日本の失業率は他国と比較をしてもとても低いものです。
言葉だけ見ると素晴らしいものに思えるし、憲法で義務として定義をされているから当たり前だと思う人もいるのかもしれません。
ただそれだけではなく、”失業の恐怖”があるからこうなっているともいえます。
日本の失業者に対しての支援は他国と比べても最低水準です。
例えばノルウェーではいったん失業しても、再就職するまで就業時の収入の70%以上が保障されます。フランスでも、2年目以降は就業時の30%が保障されます。
そうした国では失業は怖くないのです。
日本では失業するとわずか数ヶ月しか失業手当が支給されず、飢えて死ぬわけです。死にたくなければどんなに時間と金を会社から盗まれようとブラック企業だろうと働き続けなければなりません。
だから日本企業の劣悪な環境はなくなっていかないのです。
失業と死が結びついている国だから。

空白期間を許さない

よく転職活動をするときにも「会社を辞める前に次の行き先を決める」
そういいます。
なぜでしょうか?そうすることによって受かりやすかったり、何かスキルが伸びたりするのでしょうか。
答えは特にないでしょう。
ただ、上記の通り失業者が生きづらい、権利がないように見える世の中だからそう言われているだけなのではないかと思います。

終わりに

かなり一部だけのインパクトのある情報だけを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
働くことに対して絶望した、いやこんなのは嘘だ、色々と意見はあるのでしょう。
これも1つの意見として捉えていくべき、私はそう思います。





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