ひとに、やさしいおもてなし。 リーガロイヤルホテル【D&Iインタビュー #01】
はじめまして、株式会社D&Iです。
私たちは障害者雇用と教育に取り組むことで、「誰もが挑戦できる社会」の実現を目指しています。
私たちの社名でもある「D&I(Diversity & Inclusion)」という言葉をご存知ですか?
日本語に訳すと「多様性と包摂」と表現できます。
生まれながらにもつルーツや育ってきた環境・文化、性別、嗜好・価値観は十人十色です。それぞれの違いや良さを認め合い、活かしあうことが「Diversity & Inclusion」の考え方です。
このnoteでは先進的な取り組みを進めている企業・サービス・ヒトを取り上げ、みなさんの身近にある「D&I」をご紹介していきます。
記念すべき第1回目は…リーガロイヤルホテルにお話を伺いました
第1弾となる今回は「社会貢献表彰」優秀賞(主催:日本ホテル協会)も受賞されている株式会社ロイヤルホテルを取材しました。
リーガロイヤルホテルなど国内に11ホテルを展開、2022年4月にはグアムにリゾートホテルを開業予定です。
「大阪の迎賓館」としてオープンし、一流老舗ホテルでありながら温かみのあるおもてなしの秘密とは……。
人事担当者の田中範夫様にお話を伺いました。
※この記事の内容は2021年12月取材当時の内容です
コロナ禍も共にホテルの戦力として
2020年から始まった新型コロナウイルス感染症流行により、私達ホテル業界も大変厳しい状況におかれました。
新聞でも取り上げられていた、発達障がいの社員が働く製菓課(ウエディングやラウンジで提供するスイーツを作る部署)も、この2年は業務が少ない状況でした。
しかし2021年の夏頃からリーガロイヤルホテル(大阪)の隣にあります国際会議場が新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターになり、ワクチンを接種された後にテイクアウトショップでパンをお買い求めになるお客様が増えていきました。
そこで、製菓課で働いていたその社員には製パン課への異動をお願いし、活躍してもらっています。
本人は変化が苦手な特性を持っているものの、そのような異動や勤務時間の変更も乗り越えて、大切な戦力として、ホテルの人気のパンを日々作ってもらっております。
「これまでにない」職場を目指して
一人事担当者として「発信力を持たなければ他人事になってしまう」という思いがあり、2015年より障がい者雇用に熱心に取り組み始めました。
社内研修では「障がい者雇用」のほか「女性活躍」「LGBT」といったダイバーシティをテーマにした研修を積極的に取り入れてきました。
小さな発信の積み重ねもあり、2015年を過ぎた頃には法定雇用率(※1)を達成することができました。
次のステップとして「チャレンジドプロジェクト」を開始し、法定雇用率達成というだけでなく「これまでにない障がい者が働ける場所」というものを目指し、知恵を絞りながら、障がい者雇用の促進を進めているところです。
勤続年数の長いスタッフでは14年間勤続の方がいます。
短時間勤務(※2)ではあるのですが、真面目にコツコツと働き続け、仕事で起こったことを詳細に日報に書き、人事に報告してきてくれます。
このスタッフが働くことで社会と繋がり、職場の一員として活躍できることを嬉しく思います。
受け入れている職場の雰囲気というのも温かいものになりますし、そのスタッフには「14年間、よく頑張っているなぁ」と感心しています。
「障がい者」「女性」「外国人」と一括りにするのではなく、その人に向き合う
ここまでお話した例はいわゆる「障がい者雇用枠」で採用してきた方のエピソードでした。
そのようなことに取り組む前からも、「何度もミスを注意されている……もしかしたらどこか『働きづらさ』『生きづらさ』があるのではないかな?」と感じる社員がおりました。
今でこそよく耳にしますが、「大人の発達障がい」と言われる方です。
そのような従業員にも働き続けることを諦めてほしくなかったので、一人ひとり向き合って面談を重ねることで、本人の個性を理解するようにしています。職場にも配慮すべきことを伝えることで、そのスタッフがメンバーの一員としてやりがいをもって力を発揮できることが大切と考えています。
障がい者雇用だけに限らず、様々な場面で働く本人とその現場の葛藤を共に話し合って乗り越えてきました。
たとえば、「女性の活躍」もシフト制や土日が繁忙となるホテルでは推進が難しく、部署によっては「うちの部署では、時短勤務は絶対無理!」という雰囲気もありましたが、役割を明確にして、「時短勤務者ならではの役割を果たす」というように考え方を変えてもらいました。
「障がい者」「女性」「外国人」と一括りにするのではなく、一人ひとりと向きあって尊重し合う、チームの形に合わせてくり返しくり返し知恵を絞り合う……このような取り組みをあきらめずに進めていき、今があります。
正直、想定外のことも起こりますし、悩むこともあります。
しかし今は多様性のあるチームが生まれ、全社に理解が広がりつつある、と実感しています。
コロナ禍で人と人とのつながりが遠のいてしまうような時もありました。
ホテルは人と人とが出会いくつろぐ、ひとつの街です。
人と人とのつながりを感じられる温かなおもてなしを提供し続けてまいります。
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D&I編集後記
今回は編集部が出張のため宿泊施設を探している折に「障害者雇用が熱心なホテルはどこなのだろう?」と気になったことが始まりでした。
「国の決まりだから障害者を雇用しなければならない」といった義務感から障害者雇用を進める企業も少なくはない中、リーガロイヤルホテルではその方のやりがいを大切にし、チームの一員として温かく迎えていらっしゃいます。
“働く人にとっては「お金を稼ぐ場所」、雇用する側にとっては「障がい者」”という関係ではなく、誰もが必要とされる居場所となっていました。
そこでの温かさが従業員のみならずリーガロイヤルホテルグループに伝播しているのだと感じました。
リーガロイヤルホテルでは「お客様」という枠を超えて、一人ひとりを尊重し、最高のひとときを提供してくれることでしょう。
寛容性と多様性から生まれる一流のおもてなしを味わってみたくはありませんか?
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