生き甲斐
生き甲斐なんてありゃしない。
強いて言えば仕事かな、
趣味もなくスポーツもしない、
なんの楽しみもないけれど、
仕事が楽しいし、それで飯も食える。
家族も養っている。
子供の成長が楽しみだ。
だから、やっぱり俺の生き甲斐は働くことかな。
だいたい白人は罪滅ぼしで働いてるだけだ。
俺は働くことが生き甲斐なんだ。
いつも最後にはこんな台詞になる。
そうするとあいつはもう問いかけなくなる。
また出た、という顔をして斜め上の空間のある一点を見つめる。
しばらくしてあいつは「出ようか」という。
今日もまた俺が勝った。
負けた方が伝票を取るという、
つまらんゲームがいつからか知らんが成立している。
密かに想うのは、
このゲームは、勝っても負けてもそうだが、
働くことよりも楽しいということだ。