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生きるヒントに満ちた禅語「全機現」
禅語「全機現(ぜんきげん)」は「自分の力を最大限発揮すること」。
全てが、この機会に、現れる、と読めます。
つまり、今生きているこの瞬間に全てが現れる、ということ。
今しか、やれる機会はないのです。だから、「全力を出して、悔いのない生き方をしなければならない」という教えとなります。
では、自らの力を最大限発揮するには、どうすればよいのでしょう?
禅の教えとは、他力に頼らず、自分を信じ、自分の内にある「仏」と対話して、自ら進む道を自ら灯らし、歩むこと。
キリスト教やイスラム教と禅宗の最も大きな違いは、神は、イエスやアッラーのような第三者ではなく、
禅宗では自らが「仏」であり、草も木も花も、この世の全てに仏がいるのだとの教えです。
私たちの身の回りには、日常生活では気がつかない尊い教えがたくさんあるのです。花は、見る人も愛でる人も一切関係なく、花屋の店頭でも人里離れた山奥でも、その場所で全力を尽くして咲いているのです。
そんな当たり前が、尊い教えのひとつになります。
全力で生きることは、一日を充実させる生き方になるでしょう。
日々是好日との言葉も、雨の日も曇りの日も、全力を尽くせば好日となる、意味です。禅が教えてくれることは、「全力で生きる大切さ」とも言えるでしょう。
自分の内に「仏」がいるなら、自分こそがルールであり、生きる道標です。
此処で間違ってはいけないのは、自分がルールだからといって、道徳や法律にそむけ、という教えでは有りません。
「陰徳陽報」
「敬天愛人」
「雲外蒼天」
善き行いをすれば善根が積まれ、やがて陽かるい報告がもたらされます。
運の良さも悪さもバランスではありますが、善の行い、つまり徳を積めば、運の良さは増えていくのが人生です。
そのためには「天を、宇宙を、世界を、国を、隣人を、自分を、人を愛する」
薄暗い雨雲に覆われたとしても、その向こう側には、いつも青空が広がっていることを忘れてはなりません。
「生きることは難しい、死ぬことはたやすい」、三国志の一節「死は易く生は難し」。
全力で生きることもまた難しいでしょう。しかし、生きることを諦めないなら、生命は何物にも代え難い大切なものだと自覚するのなら、必ず、
生は陽報をもたらすのです。
「全機現」には、多くの生きるヒントが込められています。