あっさりADHD
息子を連れて、はじめての児童精神科を受診。
あちこちのドアの高いところに手動の鍵がついている建物だ。
「逃走防止のため」…なるほど。
googleマップの口コミでは、「あり得ないくらい待つ。予約してても待つ」と
踏んだり蹴ったりな口コミが書かれていたからちょっと心配だったけど
おそらく2番手の診察予約になっていたので、スムーズに診察室に呼ばれた。よかった。
診察室では親子で並んで先生の前に座った。
息子の目はもう先生の横にあるプレイスポットに向かってしまっている。
先生は「まずはお話聞かせてね」と息子に話かけた。
順調に受け答えはしつつも、やはり目線はおもちゃから外れない。
私はできるだけふたりのやりとりを邪魔しないように、じっと耐えた。
息子が解放されてプレイスポットで補助のスタッフさんと遊びつつ
次は私の番だ。
持ってきた母子手帳と事前アンケートを渡し、女医さんは中身をぱらぱらと見ながら、ひとつずつ質問をしてきた。
「母子手帳にすごく細かく記録を残していてお母さんすごいね」
これは意外だった。
まわりの友人らの話を聞いていると、
私の母子手帳はほぼ白紙のような気持ちだったから。
気づいたら30分以上先生と話をしていた。
赤ちゃんの頃どうだったか、今どう言うふうに過ごしているか。
どんなところが気になるか。
衝撃的なことを言われた。
「心理検査はまたここから予約を取る必要があり、冬休みで混むことから1月末か2月の予約が最短」
あ、今日でなにかがわかるわけじゃないんだな。
ただ、先生がゆっくりと口を開ける。
「でもね、今日話を聞いて、様子を見て。私はこの子に"ADHD"の診断をつけます。そして、1日も早く療育に通っていただくことを勧めたいです」
ほー。
なるほどそうか。
ちょっとは調べて知識もつけた。
当てはまる部分があるのは私自身もわかっていた。
心理検査を受けてからじゃないと診断を受け入れないという親御さんも多いという。
ただ、うちは先生がそういうならそれでいいから次のステップに進むことを考えたいと伝えた。
その「障害枠」に入る入らないは別にどっちでもよくて、
息子が少しでも生活しやすい方法を専門家から学ぶ機会が必要かどうか。
そっちのほうがよっぽど重要だと思ったから。
本当は役所に相談してから今回みたいな診察予約にいくものを、私はあえて役所をすっとばして病院の予約を入れたから、診断書を持って役所にいき、療育手帳を出してもらう手配をする。その上で療育の申請をすることになるらしい。
こういう判断を求める検査について、私はおそらくせっかちだ。
「かもしれない」の判断はいらない。白か黒かでいい。
出生前診断も「かもしれない」でしかないように思えて、
対応可能な時期になったタイミングで羊水検査をさせてもらった。
障害の有無をはっきりさせたかったから。
どんな結果であれ、息子は大切な存在であることに変わりない。
息子が笑顔で生きていけるように何をすればいいかを私は探してやれればいい。
息子ファーストな生活をさせてやれないからこそ、
息子の生活が穏やかにすぎるために必要なものがあれば対処をしたい。
検査結果について、通っている園の担任へ、手紙を書いた。
報告と、お願い。ご迷惑をおかけすることになるだろうという、謝罪。
誰も悪くないけど、
誰も悪くないのに、誰かを傷つけたり困らせてしまうかもしれない。
そのことを、少しでも減らせるように、何ができるのか考えよう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?